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ボードゲームらしさを探るメモ その1:フェアであること

最近、「ボードゲームらしさ」ってなんだろうと考えるようになりました。ボードゲームらしさとは、どんな要素があるとボードゲームっぽくなるのかということです。

今までは「らしさ」の有無なんて考えるまでもなく、明らかに「ボードゲームであるもの」を作っていたし、遊んでいました。でもそれだけでない、これまでしなかった方法でボードゲームと呼ぶ遊びをする機会が増えてきて、それがボードゲームっぽいなと感じるときもあればそうでないときもあるなと思いました。

こうした認知の差はどこで生じるのか、それがボードゲームらしさだと思われます。そして、その差分は今後ボードゲームをデザインするのに役立ちそうです。今はそれが見つけやすそうなので、見つけたら記録しておくことにしました。

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色々なパターンで遊んで、まず思い至ったのが「広い意味でフェアであること」です。

ゲームのテーブルについたプレイヤーたちが、ゲーム外のステータスや経験に関係も影響もなく、気軽に遊べること。僕がボードゲームの好きなところです。

それは「競技性がないこと」とも言い換えられるかもしれません。

例えばスポーツやeスポーツは競技性があるものです。プレイヤーはゲーム内・外両方のレイヤーで勝利を第一目的とし、そのために研鑽を重ねます。研鑽を重ねること自体も競技の一部と言えるでしょう。

しかし僕が考えるボードゲームでは、プレイヤーはゲームのテーブルにつく前に練習する必要はありせん(する人もいると思いますが)。遊びたいときに集まってテーブルを囲み、ルールを知らない人がいたら誰かがシェアし、すぐに遊び始めます。

“本番までに同じだけ時間を使ってそれぞれ限界まで練習をしていい”という条件が与えられているという意味で当然スポーツもフェアなのですが、ボードゲームはプレイに至るまでの差分を取り払った上でフェアな場を形成するという点が異なります(どっちがいいとかではないですよ、念の為)。

ボードゲームのプレイヤーがそんな勝てるかどうかも分からない勝負に身を投じるのは、ゲーム内では勝利を第一目的として行動するものの、ゲーム外のレイヤーでは必ずしも勝利しなくても目的が達成されている場合があるからです。

つまり、楽しい時間が過ごせたなら勝ち負けは二の次ということです。もちろん勝ったら嬉しいし、負けたら悔しいけれど、それで給料が増減したり社会的地位が変動したりといった実生活に根差した影響はありません。気楽にあそべるものです。

この「らしさ」で考えると、以前に思いついて遊んだポケモンのルールはけっこうボードゲームっぽかったなと思います。

簡単に言うとレベルが一定のポケモンがでてくるエリアで、同じ時間だけうろついて捕獲をすれば、だいたい似たような戦力がそろっていい感じの戦いになるという遊びです。通常のポケモンは手塩にかけて育成したモンスターで戦略を練りこんで戦うものですが、その真逆の遊び方と言えます。

上記ツイートのときは大穴を狙った氏さんが無念な結果に終わってしまいましたが、そうしたリスクをとったアクション選択も一興です。ゲーム内では負けるリスクがある行動だけれど、ゲーム外ではそうした選択を取ること自体がおもしろいので既に“勝ち”と言えるのではないでしょうか。フェアさは、そういうふうにプレイングの幅も広げてくれます。

もちろんポケモンは誰が見てもボードゲームじゃないですが、ボードゲームらしいルールを足して、ボードゲームのように遊ぶことはできるというわけです。これは裏を返せばボードゲームらしさは、ボードゲーム以外の中にもあるということじゃないでしょうか。

今回は以上です。他にも「全体の同意があること」とかもありそうです。まとまったら続き書きます。読んでて思いついたことがあったら、コメント欄で教えていただけたら嬉しいです!

ナイスプレー!