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ボードゲームは、”最高級の現実シミュレーター”である

告白だったり、交渉だったり、買い物だったり。

人生には、失敗が許されないシーンがいっぱいあります。そして仕事でも生活でも、それらは大抵、急にやってきます。

運が良ければ、やってきた本番で成功して、自信をつけられます。そこで得た自信はきっと、次の成功に繋がります。

でも運が悪いと失敗して自信をつけられず、次も失敗して、自信をなくして、失敗して…の繰り返し。これだと、途中で挑戦する気もなくなっちゃうかもしれません。

そこで次善策として、成功体験をシミュレートしておくのが良いのかな、と思います。そうすれば本番のときに、ちょっと心強いはずです。

コンテンツは現実世界のシミュレーターである

では、どうすれば成功体験のシミュレートができるのでしょうか。それはコンテンツに触れること、だと思います。

ドワンゴ川上量生さんの『コンテンツの秘密』によれば、優れたコンテンツは現実を上手にデフォルメしているのだそうです。

そして、人間は自分たちが過ごしている現実を理解できると、快感を覚えるのだとか。

ジブリ映画って、金曜ロードショーで放映されるたびに何度も観たくなっちゃいますよね。

それは、我々が過ごしている世界を上手にデフォルメして、分かりやすく見せてくれて気持ちいいから、というわけなんですね。

僕らはそうやってコンテンツに触れることで、世界の構造を理解しているのです。

言われてみれば、学校で読む教科書も、そのためのコンテンツなんですよね。エンタメ性が足りないから、そういう感じはしませんが。

この現象の表現をちょっと変えてみると、コンテンツは現実の世界をシミュレートしている、と言えるのではないでしょうか。

『もののけ姫』を観れば森のなかの光景をシミュレートできますし、歴史の教科書を読めば過去の時代の様子をシミュレートできます。

その場に居ずとも、そこで起こったことを見聞きすることができます。あらゆるコンテンツと呼ばれるものは、多少なりともそうした性質を備えているはずです。

ボードゲームは、最高級の現実シミュレーター

そんな現実シミュレーターであるコンテンツのなかでも、僕が特に優れていると思っているのがゲームです。

ゲームは他のコンテンツと異なり、自分がプレイヤーとして内容に関係することができます。絵や漫画や映画だと、あくまで外側から見るだけです。

そしてそのゲームの中でも最高にシミュレーターとして優れているのが、ボードゲームだと考えています。

僕らは電子ゲームに対して、画面の中の世界にコントローラーなどを介して関係します。

ですがボードゲームに対しては、僕らが過ごしているのと同じ世界で、手を使って直接関係します。その途中にブラックボックスは、一切ありません。

だからこそ、それをプレイするなかで得られる体験のリアリティは、より本物に近いものになると思うのです。

人と直に向き合って遊ぶ、という点もそれを助けます。そして、勝ち負けや成否がハッキリと出るから、成功体験を積むのにはもってこいです。しかもそれを、何回だってやり直せます。

ボードゲーム、よくないですか…!?

でも問題は、どのゲームを遊べば自分がしたい体験ができるのか、わからないという点だと思います。

竹村俊助さんのnote「売りたいならパッケージに「成分」と「効能」を明記せよ」にも書かれているように、どんなメリットが得られるのかがわからないと、やってみようという気にならないんですよね。

ですが大抵のボードゲームのパッケージや説明書には、そのゲームがどんなメリットをもたらしてくれるのか、ということは書いてありません。

でも、ほんとうはメリットがあるんです。もったいないです。

というわけで、これから「処方箋ゲーム」と銘打って、いくつかのゲームを紹介してみようかなと思います。

そのゲームで遊ぶと、どんなシミュレートができて、どんな考え方や対応のノウハウが手に入るのかを解説します。お医者さんが症状に対して書く処方箋のように、「何に効くのか」を示します。

それで「いいな」「役立ちそうだな」って思ってもらって、ボードゲームで遊んでいただけたらいいなと思います。

乞うご期待!

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