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【読書記録『教室を動かす言葉のチカラ』①】



 渡辺 道治先生の新刊。

 「誰が」で、本を選ぶ自分にとって、渡辺先生の本は、即買い必読。

 
 今回も計り知れない学びを得たので、ここに記録します。

 
 教師という仕事において「言葉」は「相棒」である。

 ほめるとき、指示を出すとき、指導するとき、エールを送るとき、問いかけをするとき。

 いかなる場面においても欠かせないのが「言葉」である。

 物事を考えるときも、頭の中で「言葉」を使っている。そういった意味でいうと、いかに「言葉」の力」を考え、自分自身が扱う「言葉」を磨いていくかは、僕たち教師にとって必須条件のように思える。

 現に、現場での悩みや自分自身の悩みを振り返ると、「子どもたちに言葉が届かない」「何度伝えても響かない」などといった、「言葉」にいきつく。

 
 そもそも、言葉を届けるとは、様々な要素が絡み合った複合的なものである。
 
 声(大きさ、テンポ、抑など)、動作(ジェスチャーなど)、見た目(服装、表情、姿勢など)、環境(音、光の入り具合)。

 これらが、絡み合っている。

 
 メラビアンの法則というものがある。

 これは、コミュニケーションにおいて、相手はどんな要素から情報を受け取っているのかというパーセンテージを示したもの。

 これによると、言語情報(言葉や内容)が全体の7、聴覚情報(声や話し方)が全体の38%、視覚情報(表情や見た目)が55%となっている。

 
 これを考えると、表情や見た目、目線の合わせ方、声の大きさやトーンやテンポがいかに大切かが見えてくる。

 
 だからといって、7%の言語情報がどうでも良いというわけではない。むしろ、この言語情報を磨き、その上で聴覚や視覚に訴えることで「言葉」は届くのだと思う。

 では、7%の言語情報をいかにして磨いていくのか。

 
 それは、「書く」ことである。

 書き言葉は、ジェスチャーも表情も音もない。

 テキストのみという極めてシンプルな情報のみを届けるのだ。

 「書く」というテキストのみで相手届くようなれば、言語情報の部分は磨かれていく。

 
 書くときのポイントは、「制約」と「誓約」。

 制約とは、ルール。時間を決めて書くこと。
 
 誓約とは誓うこと。

 つまり、○分以内に書くと誓って書くということ。

 これを「学級通信」を活用して、磨いていくことが最も効果的。

 
 
 そもそも「相手の心に届く」とは一体どういうことなのだろう?

 僕たちは、言葉を届けるとき、何かを期待して届けているはず。

 その多くは、「行動変容」だったりする。

 この言葉を届けることで、あの子がこうなると良いなといった具合に。

 では、行動変容はいかにして起きるのか。

 
 相手が、言葉を受けたとき、4つステップがある。

 
 ①認知

 これは、「なんかいってるな〜先生、、、」くらい。

 ②理解

 これは、「ふむふむ、へえ〜!」くらい。

 ③納得

 これは、「確かに〜!!」くらい。

 ④共感
 
 これは、「そうだよなあ、やってみよう!」くらい。

 これを考えると、自分が言葉を発するときには、③納得④共感を狙っていく必要がある。

 むしろ、①認知②理解あたりで止まる言葉ばかり届けてしまうことは、ある意味危険。

 先生の話はなんとなく流れていくものと、言葉自体の重みがなくなってしまう。

 届けるからには、納得と共感を生み出す覚悟が必要だ。

 では、どうすれば、納得や共感を生み出しやすするのか。

 ポイントは2つある。

 一つ目は、「もっふうにも届きにくそうなたった1人をクリアにイメージすること」だ。

 最も届きにくい1人に届くとしたら、その周りの仲間たちにも広がることが考えられるから。

 イメージするには、書き出すと良い。

 どんな人か、欲しい言葉はどんな言葉か、どのようにスポットライトを当てると良いかなど。

 チューニングをそのターゲット1人に明確に合わせること。

 二つ目のポイントは、「心が動きやすい要素を理解すること」だ。

 ずばり、心が動きやすいポイント。つまりは、共感を生みやすいポイントは、きらびやかな成功体験ではない。自身とかけ離れすぎているからだ。

 そうなると、共感を生み出しやすいポイントは、「失敗体験」「短所」「弱み」の部分だ。

 誰しも、もっているもの。

 だからこそ、強い共感を生み出しやすい。

 とするならば、教室で見えてしまう一見マイナスな面も「宝の山」に見えてくる。


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