59本目 マヌーサの首飾り

デビステのてんぷら 59本目 (週刊PONTE vol.60, 2020.1.6)

新居のスイッチがハチャメチャでぶっ飛び使いにくいという話ばかりしていたら、驚くことに2020年になっていた。あまりにも早すぎてミニオンのイタズラかと思ったが、どうやら太陽暦通りらしいので受け入れるしかない。

新年になっても家の話ばかりしていてもしょうがない。デビステのてんぷらも心機一転切り替えていこうとは思うが、我が家のスイッチのように期待はしないほうがいい。

さて、年末は家を飛び出し、嫁の両親&義姉夫妻と牛窓(ウシマド)で過ごした。牛窓、という字面から、ベルキューブの"人を小馬鹿にしたような表情の牛"が四角い窓から顔を出している絵を想像してしまうが、実際に行ってみると穏やかな町で、"人を小馬鹿にしたような表情の牛"はいなかった。窓はあった。

岡山県の南側に位置する牛窓は、瀬戸内海を臨む漁師町で、風光明媚な観光地である。冬はオフシーズンなので牛どころか人も少なく、時間がゆっくり流れていた(太陽暦通りに)。
牛窓の最大の魅力は、美しい内海と点在する大小の島が織りなす景色であり、"日本のエーゲ海"を自称するほど町ぐるみで推している。その景色をパノラマで一望してやろうと、展望台があるオリーブ園に向かった。ホテルから約20分、足腰に鞭打って急勾配をひたすら登ってなんとか辿り着いたオリーブ園は、あろうことか霧の帳が下ろされていた。なかなか経験したことないレベルの濃霧が、人もまばらなオリーブの林に立ち込めて、魔法にでもかけられたかのような幻想的な空間が広がっていた。

魔法。牛窓。
牛窓牛窓牛窓牛窓牛窓牛、、、窓牛。まどうし。魔道士。
なるほど! これが霧の魔法の正体か!

などと埒のないことを考えても目の前の霧は晴れず、展望台から日本のエーゲ海を見ることはできなかったのであった。

------
きんまめ:ジャグリングサークルジャグてっく元部長。くらいしか経歴がない。デビルスティックをやっていました。翌日再トライして、無事日本のエーゲ海を拝めました。まるで本物のエーゲ海のようでした。好きなエーゲ海は特に見たことがありません。
デビステのてんぷら冊子版販売中:https://kinzokumame.booth.pm/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?