アイアムチェイン

全て自分のものにしたかった。

昔から鎖が大好きで、なんでも縛り付けた。

それがおもちゃであろうと、家具であろうと。

当然、他人のものであろうと鎖で縛り付けた。

子供の頃から、大人になっても縛り続けた。

いつしか手には多くの人と自由が握られていた。

誰も僕に逆らえない。

僕の思いのままに世界が動く。

でも、全てが悲しくなるのはなぜ。

おかしいな、握られていた鎖が減っていく。

手に入れた自由達が無くなっていく。

皆んな僕から離れていく。

ダメだ、手放してはいけない。

なら自分を縛ろう。

何度も何度も、僕は自分を縛った。

手からも、足からも、何も離れぬように。

そして何も新しく握れなくなった。

そのかわり僕自身が鎖となった。

僕は、また誰かを縛るのだろう。

それとも、誰と縛るのだろう。