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わたし、自閉症でした

26年生きてて知った新事実。
私、泥水は、自閉症(ASD)の傾向があるようです。

実は、1ヶ月ほど前に、心理検査を心療内科で受けてきまして。
その結果が本日出て、担当医の先生いわく。

「泥水さんは、アスペルガーの傾向があるみたいですね」

・・・ほう!?

心理検査とは?

そもそもなぜ、心理検査を受けたのかといいますと、心療内科でいつもの診察中に、私がぼやいたのがきっかけでした。

「会社をやめるとき、産業医(会社の専属のお医者さん)の先生に言われたんですが、私は適応障害なのかもしれません。集団というものに馴染めない、人の顔が覚えられない、人の話をうまく聞けない。でも、ただの努力不足かもしれない、という気もします。先生、私はどっちなのでしょうか?」

それを聞いた担当医の先生は、「じゃ、この際、ハッキリさせときます?」と、私に心理検査というものの存在を教えてくれました。

ウェクスラー成人知能検査、略してWAIS。
これは、質問やパズルなどを通して、人の知能レベル(IQ)を測るテストです。ちなみに、いくつか種類があるみたいです。私が受けたのはWAIS-Ⅲ。

IQを測って障害かどうかなんてわかるの?という感じですが、この検査では、14項目の能力・・・一般知識への理解度、暗算での集中力など、複数の能力値について調べ、その項目ごとの差を見ることで、診断を行うようです。

私の結果はこちら。

数値丸出しにするのは恥ずかしいので伏せさせていただきました。
スマホで撮ったので、斜めになってるのはご容赦ください。

ここで問題になるのは、数値そのものより、グラフの凸凹具合です。

グラフが異常にデコボコしている、つまり、極端に得意・不得意が分かれていると、より「障害」の傾向がある、と診断されるようです。
(あくまで担当医の先生のお話なので、他所ではどう診断するかわかりませんが・・・)

で、私の場合、見事にデコボコです。
その結果、「アスペルガーの傾向がある」と診断されました。

アスペルガーって何?

アスペルガー。
耳にしたことはあれど、意味は深く知らないなあ、と思っていた言葉です。

アスペルガー症候群とは、自閉症の一種だそうです。
では、自閉症とはなんぞや?ということで、自分なりに調べてみました。

ザックリとまとめてしまうと、

・コミュニケーションがうまくとれない
例:目を合わせられない、身振りなどが噛み合わない
・意思伝達が難しい
例:言葉が話せない、同じ言葉の繰り返ししかできない
・こだわりが強い
例:特定のものしか食べない、同じ行動を繰り返す

というのが、自閉症の定義かつ、主な症状のようです。

要するに、”一般の人よりコミュニケーションがうまくいかない障害”ということかな、と私は解釈しました。

(かなり荒っぽいまとめと解釈なので、きちんとした定義を知りたい方は専門の先生などに聞くことをおすすめします)

で、自閉症の中に、私が診断されたアスペルガー症候群が入っていました

出展:自閉症スペクトラム障害(Wikipedia)

つまり、知能的には生活するのに問題がなく、コミュニケーションもある程度とれるけれど、一般の人よりもコミュニケーションが困難で、特定の分野へのこだわりが強い。

コミュニケーションが困難、というのは「経験で補うことはできるが、経験がない場合、うまく対応できない」「その場では取り繕えているように見えても、実は話を理解できていない」「コミュニケーションにおいて過度にストレスを感じる」ということです。
表面上は普通に話せているように見えても、実は困難を抱えている。

わ、私じゃん・・・とWikipedia読んでて頭抱えました。

「努力の問題」じゃなかった

私は「アスペルガーの”傾向”がある」と言われましたが、「アスペルガー症候群です」とキッパリ言われたわけではありません。

そもそも、障害の判定というのは難しいのです。
多かれ少なかれ、誰しも得意・不得意はあるものです。

ただ、その「不得意」が生活に支障をきたすレベルだと、「障害」と認定して、助けを借りる必要があると思います。

しかし、私は今、無職ではありますが、わりと普通に生活できていますし、コミュニケーションできないわりには、友人にも恵まれています。

さらに、ちょっとこれは自慢に聞こえる・・・というかまあ自慢なんですけども、「全体的に能力値が高いので、苦手な分野に対する工夫さえすれば一般的な人と同じ仕事ができる」と先生には言われました。

具体的には、私の場合、目からの情報処理は非常に得意ですが、聴覚からの情報処理がひどく苦手なようです。
そういえば、話を聞いているつもりなのに全然頭にはいってこない、ということがよくあったなあ・・・と思わず遠い目になりました。
心理検査ってすげえ。そんなことまでわかっちゃうとは。

また、症状(?)としてわりとよくあるらしいんですが、同時並行でなにかを行う、いわゆるマルチタスクが苦手、というのも私は当てはまるようです。逆に、なにかひとつに集中したらとんでもないパワーを出せるそうな。

・・・と、いろいろ「私の不得意なこと」をズバズバ当てられながら、私は奇妙な安心感を覚えていました。

「ああ、そうか。私は生まれつき、こういうことが苦手だったんだ。努力が足りないとか、そういう問題じゃなかったんだ」・・・と。

私は、自分に集中力がないせいで、人の話を聞けないのだと思っていました。聞いているつもりなのに話が頭を通り抜けてしまうたび、集中しようとしてるのに、とへこんでいました。

また、他人とコミュニケーションをとるときに、なんとか応対できても、あとでものすごくヘトヘトに疲れてしまったり、そもそもうまく返せなかったり、非常に強いストレスを感じていました。

そういう失敗があるたびに、私は「なんて情けない」と自分を責めていました。他の人は普通にできているのに、なぜ自分はできないのだろう、と。

ですが、「先天的にこういうことが苦手な傾向にあります」と、今回の心理検査でわかったので、もう逆に開き直れます。

生まれつきメチャメチャ苦手なんだから、しょうがないじゃん!!
むしろ今までよく頑張ったよ!!!

苦手とわかったならば、対策は打てます。
耳から話を聞けないなら、目で情報処理をすればいい。
一点集中型なら、そういった職種を探せばいい。

なんとなく、肩の力が抜けたというか、そっか、そういう性質だったのね、と思えるようになりました。

今の私に必要なのは、努力ではなく、工夫です。
こういうことが生まれつき苦手なのでご容赦ください、と看板にでも書いておこうかな。どうやって折り合いをつけていこうかな。

まだまだ対応に関しては模索中ですが、ひとまずスタートラインに立ったような気持ち。

「自分を知る」という意味で、心理検査を受けてよかった、と思います。
1時間ほどかかるうえに、結構テストは頭を使うので大変ですが、もしもなにか不得意なことに悩んで苦しんでいるなら、判断のための指標として、受けてみるのも手かと思います。

苦手なことからは逃げてもいいのさ。泥水でした。

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余談:一番刺さったWikipediaの文章

知能は平均以上で、学校の成績も良かったアスペルガー症候群を持つ成人が、職場では適応障害を起こすことがしばしば見られる。

グ、グオオオオ〜〜〜〜!!!!!!!!!(新卒で入った会社を1年でやめた人間の叫び声)

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