itサムネ

映画『IT/イット THE END』感想メモ

あらすじ
27年ごとに連続児童失踪事件が起きる田舎町、デリー。
その事件の犯人は、恐怖を糧として町に潜む”それ”。自らをペニーワイズと名乗る”それ”は、クラウンの姿で主人公ビルの弟ジョージーを下水道へと引きずり込む。ジョージーの仇をとるため、ビルはルーザーズ(負け犬)クラブの友人と共に”それ”に挑み、恐怖に打ち勝つ。ルーザーズクラブの7人は、”それ”が再び現れたら集まるという約束をし、それぞれの道を進む。

27年後。すっかり大人になった彼らは、各々の悩みを抱えつつも自分の人生を歩んでいた。かつて起こった恐ろしい出来事など、まるでなかったかのように。しかし、ルーザーズクラブのメンバーの一人、マイクからの連絡によって”それ”の出現を知ると、彼らは不思議と記憶を取り戻していく。
故郷デリーに集結した彼らは、かつての恐怖と対峙し、再び”それ”に挑む。果たして”それ”の正体とは―――。

※ここからネタバレ※

・2時間50分という長さをまったく退屈に感じさせないクラウン界の鑑、ペニーワイズ先輩の怒涛のサービス精神
襲いくる全裸のババア!干からびたミイラ!大量のバルーン!
・ゲロと共に流れる謎のムーディーな音楽!
・ふと暗闇を横切るサブリミナル全裸ババア!
・ババアの印象が強すぎて他の脅かし要素が霞む
・「怖い:怖いを通り越して笑う」の比率が3:7くらい
むしろ田舎町デリーの治安のほうが怖い ゴッサムシティか?
・冒頭のゲイを弾圧する暴力シーンが一番怖かった
・あとベバリーの過去回想、父親がまじでキモい 性的虐待でしかない
・古いチャリを乗り回す主人公もなかなかの不審者だと思うよ
・ベン(おでぶちゃん)がイケメンになりすぎてて最初わからなかった
・リッチーが最高
・リッチーがとにかくとにかくとにかく最高
・THE ENDを見た後だと、1を見る目が変わるだろうなあ
・成功したコメディアンの彼が隠し続けていた秘密があまりにも切ない
・エディとリッチーは・・・ズッ友だよ・・・
・1のときもそうだったけど、普段が茶化しまくるキャラなので、彼の真摯な姿勢や仲間への敬意、愛情を見ると、猛烈に泣けてしまう
・スタンの言葉を思い出して逃げ帰るのをやめるシーンでまず泣いた
・エディを勇気づけるシーンもめちゃくちゃ最高だった
・リッチーとエディの「怖くない」「怖い」「めっちゃ怖い」の扉でどれ開けるか揉めるシーン、あんなん笑わないの無理だよ
・ポメラニアンかわいいね
・リッチーの危機に立ち上がるエディが・・・最高にかっこいい・・・
・なのでその直後のシーンが、展開的には読めたけどあまりにもつらい
・息も絶え絶えなのにリッチーじみた下品ジョークを言うエディで泣く
・「ピエロ!」「このクソピエロ!」「干からびたミイラ!」
・精神攻撃は基本
・これが・・・ルーザーズクラブの力だ・・・ッ!(言葉の暴力)
・リッチーの口の悪さがここまで役立つことある?
・これにはさすがのペニーワイズも号泣
・必殺!絆クラッシュ!!!!!!(心臓バチュン)
・思った以上に物理で解決だった 封印とかじゃないんだ・・・
・エディを置いていけない、とずっと叫ぶリッチーがつらすぎる
・「エディはこんな汚水いやがるだろうな」と笑って悲しみをごまかす面々に対して、リッチーひとりが堪えきれず泣いてしまうのも本当につらい
・ルーザーズクラブよ、永遠に

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itサムネ

★★★★☆

※以下、リッチーに心かき乱されまくったオタクの考察もどきです
※個人的な妄想というかED後の想像などが含まれます

「ヘテロセクシャルなシモネタで笑いをとっていたリッチーが実はゲイで、エディに強く突っかかっていたのも、その心を隠すため」というのは、今作において最も大切なポイントだったと思う・・・
田舎町デリーは、黒人やホモセクシャル、いわゆるマイノリティに対する差別がひどい。町自体が”悪”なわけで、だからこそ”それ”もそこに潜みやすい。(冒頭シーン、チンピラは無事なのにゲイの子が犠牲になったのがその象徴かな、と)
でも、リッチーという有名コメディアンが、ラストで「もう自分を偽らない」的な方向に変わったとしたら、それは少しずつでも変わっていくのかもしれない・・・これは本当に希望的観測でしかないけど・・・田舎町にも彼のファンの少年がいるくらいにはインフルエンサー(影響力の強い人物)であるリッチーだからこそ、できることがあるかもしれない、と思う。もともと逆境の人だし。マイノリティを迫害するこの世に中指をどんどん立ててくれ〜!!!という気持ち。 "Kill the f**kin' crown."

・総括
原作とはだいぶ違うエンディングらしいですが、私は原作未読なので、単純に映画として「良い青春映画(ホラーエンターテインメント)だった」という感想が第一でした。青春とエンタメに振り切った感じがすごくした。多分原作はもっと暗いんじゃないかな。でも映画は映画で、幸せな終わりにまとめたのだと思う。それぞれが抱えていた悩みが解消されたのも、ハッピーエンド感が強いし。
スタンのことは残念だけれど、彼の手紙がオチを綺麗にしてくれたし、”それ”の思惑とは違って「スタンは仲間のために自分を犠牲にした」というのも、”それ”への恐怖より仲間への義理が勝ったという、絆の勝利だと思う。

結果として2人の犠牲者がルーザーズクラブから出てしまったけど、それは無駄な死にはならなかった、それが救いです。
もちろん生きててほしかったけど・・・。特にエディの死はショックだったなあ。リッチーの素直な気持ちを聞いたらエディはどんな反応を返しただろうね。きっと悪いことにはならなかった、と願いたい。

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