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40.[黒字店舗やめて移転したワケ(雇用問題編①)]

【世界を眺めるソーキそば屋】

「店長!スノボー買っちゃったので今日でバイト辞めさせて下さい!」

今まで部下やスタッフに
こんな事言われた事ありませんか?

いや…あるわけ無いですよね〜

↑以前の【日記】の方にも書いた
バイトA君もそうですが、
ホントに飲食店のスタッフって
変わった人がいっぱいいるんです。

ココでは、
今となっては笑い話になるような
旧店舗のとんでもスタッフ話を
思い出として書き留めておきます。
(シャレにならない出来事も多々ありましたが
そちらはさすがに控えときます)

また、
これらの出来事は移転決断の重要な要素の
1つでもあります。

(旧店舗:中規模居酒屋。沖縄料理店。)

飲食店(居酒屋)って忙しい時とヒマな時の差が
とんでもないんです。
だから人件費を使えない庶民的な店は
必然的に固定出勤の社員は最小限となり、
変動シフト制のアルバイトさん達でギリギリ
構成されるパターンが多くなります。

忙しい連休中などはスタッフ人数を多く、
ヒマな平日や冬期は少なめにと
ボリュームを変えて雇わないと、
無駄な人件費は全て価格に反映されてしまい
お客さんが離れてしまうからです。

なので基本戦略は、
閑散期の赤字を取り戻すためにも
ゴールデンウィーク・お盆・年末年始等、
年数回の繁忙期に照準を合わせて
スタッフを雇い育て上げておき

稼ぎ時にしっかりと利益を上げる事
となります。

だからってもちろん、お店側の都合だけで
シフトを組める訳ではありません。
若いスタッフは大型連休こそ
遊ぶために休みをとりたいので、
そこをどううまくみんなで乗り越えれるのか
スタッフを交えて協議しながら
繁忙期を迎えるようにしていました。

(…と言うか
飲食業界は慢性的な人手不足。
まず、繁忙期に働けるバイトの応募が
あるかどうかがそもそもの大問題です。
なので人数揃えるためには多少の事には
目をつぶらないといけない厳しい状況です)

だから店主はいつもドキドキ!
常にプレッシャーに押し潰されそうになる
日々です。

「次の繁忙期は
うまくシフト組めるのか?」

「人手不足でせっかくの稼ぎ時に
営業できないなんて事にならないか?」

「自分のカラダはどんなにしんどくてもいい!
だから、
いっぱいお客様が来てくれて
なんとかスタッフも揃ってくれますよ〜に!
神様お願いしますっっ!!」

永遠の課題である集客の問題。
もちろんそれも大変なんですが、
それと対にある雇用問題でも
常に店主の頭の中はいっぱいでした…

そんなとある年の、
忘年会シーズン差し迫る11月末。
大事な時期を目前に

バイトB君:
「店長ちょっとお話しが…」と。

あぁ嫌な予感しかせんわ…
ドキドキ…
でもまさかまさか、こんな大事な時期に
変な事言い出さないよね。
いくら天然君でもまさかね…

そこで彼の口から出たのは、
店主のかすかな希望的観測を
コッパミジンに破壊する、
冒頭のあのセリフでした。



B君:
「店長!スノボー買っちゃったので今日で
バイト辞めさせて下さい!」



(翻訳: スノボーの板を買ったばかりで
雪山に遊びに行きたいのですが、
バイトしてたら遊びに行けないので
今日限りで辞めさせて下さい!)
















はぁぁぁああ!!!?????


せめてマシなウソついてください(T_T)
せめてオブラートに包んでください(T_T)
ワタシ悲しすぎます(T_T)


ツライツライアホすぎるツライ!!


B君は天然と言うか、純粋無垢なんです。
中身は小学生なんです。
今までもそうでした…

注文取ろうにも字がちゃんと書けない。
他のスタッフに叱られるから
バイト時間中にちゃんと書きとり練習を
やっていました。(時給は店主持ち!)

ある時は
土曜日のメチャクチャ忙しい時に
出勤忘れて県外に遊びに行っちゃいました。
でも店主の怒りの電話に正直に出て、
正直にすぐ帰って来ようとしました。
(間に合うわけがない!)

そんなB君だから
悪気が無く言っているのはわかります。

…でも

理由が正直すぎてツライ!!!

もう何と言ったらいいのかわからない。
1ヶ月前告知なんて社会常識も彼には無意味。
アタマ真っ白な店主の口から出たのは

「もうわかったわ!せめてすぐ
代わりのバイトの子連れてきてよ!」

もちろんそんな事できるはずないと思って
口にしたあきらめの言葉でした。



すると!!



(41.へつづく)

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