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『恋の花』

「覆水盆に返らず」

という言葉があるが

元通りになることが難しいこともある。

そんな一つの物語。

『恋の花』

日付けが変わる直前に鳴った

未登録からの電話

聞き覚えのある声

「2年ぶりになるかな?」

頬を伝う汗滴

明るい声で話をする君

もうそんな風に笑えない

あんな壮絶な別れをしたのに

もう一度会いたいなんて

恋の花はもう枯れた

きっともう咲くことはない

だから水をあげるのは

やめて お願い

寂しさを紛らわすだけの

相手なら僕にはできない

過去のことなんだ

泣き言のように言葉を連ねて

僕を惑わせるけど

ちっとも変わらないね

昔もそうだった

会えば必ず後悔する

恋の花はもう枯れた

今はお互いそれぞれに

違う鉢植えの中で

新しい蕾をつけてる

そういう気持ちになることが

あるのは僕にも分かるけど

やっぱり会えない

恋の花はもう枯れた

きっともう咲くことはない

だから水をあげるのは

やめて お願い

寂しさを紛らわすだけの

相手なら僕にはできない

過去のことなんだ

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