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LANCOMEが深センで行うOMOの一貫のオフラインマーケ施策についてユーザー目線でまとめてみた

2020年は中国マーケティングを極める年になりそうなので、時間があるときに身近な例をnoteにしていこうと思います。
現地の生の情報なので日本にいる人は是非とも楽しみにしておくれやす!

さて、今回は深セン南山区の中心部になる南山区最大のショッピングモールである海岸城(ハイアンチャン)へ。

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角度によっては超インスタ映えするエリアで、若者がたくさん集まっているおしゃれスポットです。
上海スターバックスロースタリーカフェをモチーフにしたBeeplusというカフェや日本進出予定の奈雪の茶の旗艦店である奈雪梦工厂、そして広州発祥のヤムチャの名店点都德などが立ち並んでいます。
食には全く困らない場所で太ります。痩せさせろー。

LANCOMEの自動販売機

さて、そのショッピングモールの中にて、今回はLANCOMEの自動販売機みたいなものを発見。

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春節カラーでバッチリですね。
LANCOMEというより春節の印象が強すぎますが、商品のパッケージや起用しているモデルの服の色に合わせています。

高さは2メートルほど、横幅は3メートルいくかいかないかくらい、奥行きは1メートル(目視レベル)。

1坪程度に設置された自動販売機のような形をしており、左側は広告を投影するためのデジタルサイネージ。

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ただひたすら商品のイメージが湧きそうな映像が流れています。
女子からするとワクワクするのでしょうかね?
乙女心知らないのでエッジの利いたコメントは期待しないでくださいね。

右側は見ての通り、商品6列と右側にデジタルサイネージが設置。

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キャッシュレス先進国の中国ゆえに、お金を投入するところはありません。現金よさらば。
そこにあるのは、デジタルサイネージとQRスキャン用のカメラのみ。

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商品はこんな感じに陳列されていますが、遠くから見ると相模のコンドームに見えてしまうのは日本人だからでしょうか...笑
陳列数を重視するためか横向きのパッケージを縦に設置しています。

流れに身を任せてQRコードを読み込んで見る

ここでは、右側のデジタルサイネージにQRコードが表示されるので、Wechatで読み取ってみます。

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読み取った結果、Wechat公式アカウントにスムーズに登録され、同時に自動メッセージの通知が届きます。

「点击此处领取开年好礼!」
(ここをタップすれば新年のプレゼントを受け取れます)


と表示されるので、人間プレゼントに弱いものでして、LANCOME様の言われるがままにタップをしてしまいます。
ブランド力がない商品が並んでいた場合も同じ行動をしているか気になるところ。

それはさておき、タップしてみると下記の画面に遷移。

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二回目以降のタップには

「页面失效,请重新扫码」(ページが無効です、再度スキャンしてください)

と表示されますが、初回であれば、電話番号認証で商品を受け取れます。

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自動販売機のように商品が落下してくるので、それを取り出すとこんな箱が出てきます。
持ってみると予想外に軽い...

想像していたのは下記パッケージ。

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しかし、箱を開けてみると、まさかのコンドームのようなランコームでした。(ランコムいじってごめんね、愛はあります)

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むむむ、騙しやがって!と思いましたが、相模と思った私の第六感はまあまあ正しかったことが証明されました。めでたしめでたし。

そもそも無料なので文句言えず、まんまと彼らのデータベースに私の情報が蓄積されてしまいました(もちろん彼らのターゲットは女性)。

取得された私の個人情報の用法とは?

ここまでの話は半分真面目なオフラインマーケティングの話、1/4シモネタ、そして1/4は愚痴です。

上記プロセスにおいて、中国人向けのマーケティングする際にQRコードを読み込ませて、Wechatのアカウントを登録されるのが非常に自然。
誰も疑うことなく、水が流れるが如く我が親指はタップしていきます。

結果としてWechat公式アカウントという日本で言うLINE@が届くようになります。
ブランド対顧客に対するコミュニケーションとしては、プレゼントするから、その身代わりにデータをちょうだいね、有益な情報も今後お送りするね、といった感じです。

顧客獲得単価(CPA)は競合の多い化粧品のキーワードのリスティング広告やインフルエンサーマーケティング経由で獲得するよりも安価に抑えられている気がします。
まともな比較するには、自販機のレンタル料金、短期の賃料、開発費用そしてコンドームのようなランコームの試供品料金を把握できればだいたい目処が付きます。
無人なので人件費は設置時と撤去時にかかる時間分のコストです。

そしてウィーチャット公式アカウントの見た目は通常のチャットにメニュー表がついたもので、メニュー表はテンセントが提供するプラットフォームで自由自在に開発可能です。

LANCOMEのWechat公式アカウントに実装されているメニューは、

・イベント情報
・女優による商品紹介
・会員センター
・カスタマーサポート
・近所の店舗検索


このくらいです。

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「最新热点」と「客服中心」の左側にあるハンバーガーメニュー(”三”に見えるやつ)を押すと、同カテゴリーの他のメニューが表示されます。

Wechat公式アカウントから記事への遷移の流れ

文字だけでは伝わりづらいので、実際に登録された私の画面から記事までどのような流れになっているのか、そしてどのような記事があるのかは上記動画でわかります。

さすが、ブランド力があるといった感じで、テキストよりもクリエイティブで見せてきています。特に黒と赤の映え方がテンションをあげてくれます(誰目線や)。

会員センターとは一体なにもの?


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会員センター(適切な日本語が出てこなくてすみません)をタップすると上記画面が表示されます。
実はこれが噂のミニプログラム。

上半分は会員ポイントカードの電子版みたいなイメージで、購入すればするほど点数が上がっていき、クラスが変わっていく仕組みです。

その下にある6つのメニューをタップすると、会員限定のサービスを受けられます。
このあたりもカスタマイズした開発が可能ですが、UIに関してはほぼテンプレートを利用したものと予想がつきます。

現在オンラインショッピングがサーバーの乱れのせいかわかりませんがみれませんでした。おいおい大事なところやろ笑

ここからECページに飛ばしたり、予約させたりなどすることができるはずです。

まとめると...

結局オフラインのマーケティングは手段として行い、その後オンラインでどのようにブランディングを行いながら、ECの販売につなげていくのか、という点は美しい流れと言えます。

2019年から話題のアフターデジタルの世界、つまりOMOの世界ではオフラインからもいかにしてユーザーデータを獲得していき、オンラインでもオフラインでもユーザーが好きなときに欲しい物を手に入れられる世界に紛れ込ませるかが肝です。

ちょいとミニプログラムの未完成具合は気になりますが、改善していくことでLANCOMEのプロダクトのプロモーションを比較的簡単に行っていけると思っているので、気になる方はフォローしてみてください。笑
なんかまとまりないなあ、良いサンプルを探そう...

ちなみに、アフターデジタル読んでない人は時代に取り残されるかもしれないから、意固地にならずに素直に読んでみてください。
中国の事例が多数掲載されているので勉強になりますし、個人的にタメになりました。


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