見出し画像

【解説のカイセツ】山陽新聞インタビュー 有馬ファジの「スタートは4バック」の狙いをよむ


有馬新監督が就任したということで「フォーメーションはどうなるんだろう?3バック継続?それとも4バック?」と注目していたファジサポさんもたくさんおられたことでしょう。


先日山陽新聞に掲載されたインタビュー記事で、有馬監督が「スタートは4バック」と明言していました。8年もの長い間3バックを採用してきたファジですから、この4バック導入については非常に盛り上がりましたね!

記事はこちら↓

ファジアーノ有馬賢二監督に聞く 「スタートは4バック」


ということで今回は、この山陽新聞「ファジ 有馬監督に聞く」という記事の内容について【解説のカイセツ】をしていきたいと思います!


【解説のカイセツ】とは記事の中に出てきた解説を、さらに初級者むけにわかりやすくカイセツすること




◎フォーメーションの構想と影響についてのお話





有馬監督「4バックでスタート。4-4-2を基本として、4-2-3-1も視野に入れる。慣れ親しんだ3バックも場合によっては使い分ける」


まずは、今年のファジのフォーメーションの考え方のところですが4バックをメインに据えるという方針が軸のようですね。3バックはオプションとして持っていて適時に使っていくと。


3バックと4バック人数が違うのはわかるけどどう違うの?となりますが、結構いろいろと違ってきます。

例えば左WBの三村はずっとWBでやってきましたが、今年はWBというポジションがないかもしれない。かわりに、SBやSHというポジションで起用される可能性が出てきます。(まあケガで離脱していますけど・・・)


あ、4バックのポジションについて説明しときますね。


SB=サイドバック CB=センターバック SH=サイドハーフ

3421との違いで見ていくと、DFが4枚になったこと、SB・SHとサイドが2枚になること。シャドー(トップ下)がいなくなって2トップになること。このあたりの違いをざっくり頭に入れておくだけで大丈夫。


選手の中には3バックが苦手なタイプも間違いなくいます。過去にも3バックで居場所がなくて能力は高いのに持ち味を出せずにチームを去った選手が何人もいました。それだけフィットするかどうか?は大事なことなんですね。逆に今回4バックになるということで、やりやすくなって伸びる選手がでてくるかもしれません。


どっちがいいの?とか、どっちがうまくいくんだろう?というところなんですが、これは有馬監督とチーム次第です。どっちのフォーメーションでも強いところは強いし、弱いところは弱い。結局はチームの練度次第なので、コーチングスタッフの手腕と選手の頑張りに期待しましょう。「4バックだからだめなんだ」はナンセンス。4バックが持ってる選手にあってないか、やり方がうまくないかです。



さてさて、今回のメインディッシュに行きましょう。




◎4バック採用の理由をカイセツする



有馬監督「3バックは守備時に5バックになることが多い。」


3421で守備をするときはこのように5-2-3の形になることが多いです。CBのよこにWBが下りてきて5バック状態になっていますね。

こうなると構造的に、

ポコっとスペースが空きやすくなってくるのが特徴としてあります。これは3421で守っていてもそうだし、3142でもほとんど同じ。では、これに対抗しようとしてみるとどうか?

5バック化を解いて、WBが前に出ると今度はWBの背後のスペースが空いてきます。これは3バックの泣き所でいわゆる「3バック脇のスペース」というエリア。


というように、5バック気味に守ると相手にわかりやすいスペースを与えやすくなってしまうので、あんまり相手の前進を食い止められないことが多いんですね。相手の進行を止められないとどうなるでしょう?



下がるしかないんですよ。

下がったら下がったで相手のクロスやシュートをブロックしたり跳ね返す力が大事になってきますけど、この点は影山ファジからずっとキープできているファジの良さではあります。


でも、ここでボールとったとしてどうなるか?この図だと前にFW1枚しかいません。いかに屈強なFWとは孤立無援で何とか出来る選手ばかりじゃありません。形次第ではヨンジェとかならなんとかしますけど、それずっとやるのしんどくない?っていう。


ふたたび有馬監督のコメントを参照してみます。


有馬監督「一人をあげることで、できるだけ前でボールを奪う機会を増やし、そこから攻めたいと思う」

有馬監督「最も大切にするのがボールの奪い方。敵陣でボールをカットして攻めればいい距離感で効果的に攻撃できる。これが得点する一番の近道」


ここが最も大事なところで、4バック採用のもう一つの理由は前からのプレスの改善にあります。


では3バックではなにがよくなかったの?となるんですが、3バックで前からプレスかけるの難しいんですよ・・・ちょっとそれを説明しますね。


相手の攻撃が4枚いて、それを1トップ2シャドーで前からプレッシングをかけていきます。そうすると、相手が4バックの場合だと基本的にファジの守備者が一人足らないんですよ。ひとりすくない追いかけっこになるので、なんとかうまく数をゴマかして同じになるようにもっていかないと、プレスはハマらないことになります。

これをハメるには前線の選手の守備力の高さ、ちょっと長い距離を延々走れる走力、そういうものが必要になってきますし連携が悪いと途端に破綻します。難易度高いですね・・・


しかも相手はこちらにお付き合いしてはくれないので、

ボランチが落ちてきて5枚にするとかいろいろやってくるんですよねえ・・。こうなると相手5人にこちら3人ですからどうしていいのかわかんなくなります。

ちょっとまとめると、このツイートのような理由でうまくいかなかったのがこれまでのファジアーノ岡山でした。相手が3バックだとハマるときがありましたけど、それは4バックより上記のような問題が起きにくいからです。


じゃあこれから4バックになるとどうなるの?って話をします。


まずは、相手が4枚であってもこちらも4枚配置できますので無理なくプレッシングをかけやすくなります。

枚数がそろうと誰が誰を担当するのかわかりやすくなる効果もありますし、一人一人が走る距離も短くなります。前からプレッシングをかける分にはやりやすい要素が多いと言っていいでしょう。有馬ファジはまずここの強化をやりたいと考えているということですね。

なのでほとんど話題に上がることはないですが、どの前線の選手がプレスのかけ方がうまいのか?ちゃんと見ておく必要があります。その能力があまりにも不足していてはスタメン起用は難しい。点が取れるとか攻撃のことだけでなく、守備もあわせて攻撃の選手を評価する必要がありますね。


一方4バックにした場合のデメリット、つまり失う3バックのメリットは何か?というと、先ほどの押し込まれる状況のときに最終ラインに人が余らないので、個vs個のバトルでしっかり勝つことや味方をカバーすることをしっかりやらないと、失点しやすくなります。人が少ないですからね。



ということで、【解説のカイセツ】いかがだったでしょうか?


いろいろ右往左往しましたが、今年もファジをメインにわかりやすいサッカーのお話をやっていきますのでどうぞよろしくお願いします。主にtwitter、noteが主戦場になっていきますので、この記事がよかったと思ってくださった方はぜひフォローをお願いします。


ゼロファジのツイッターのフォローはこちらから


それではまた。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?