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サッカークラブ公式Twitterの使い方ってめっちゃムズくね?と思った話【福山シティFC】


どうも、ゼロファジです。


先日、こんなツイートを見つけましていろいろと考えさせられました。今回はそんなお話。まず、ツイートをみていただきましょう。

【重要】このツイートは全部で3つのツイートがスレッド形式で連なったものでした。現在は削除されていて閲覧できませんので、スクショをとっていないのこり2つのツイートをゼロファジの記憶を頼りに再現しています。この3つのツイートセットでご覧くださいまし。

↓ ツイート1

↓ ツイート2

福山シティFC【公式】
こちらの選択肢からお選びください。
Aデザイン
Bデザイン
Cデザイン
Dデザイン
※アンケート形式のツイート

↓ ツイート3

福山シティFC【公式】
投票は〇月〇日までによろしくお願いいたします。


こちらの3連のツイートを読んであなたはどういう印象を受けましたか?


自分はこのツイートを見たとき、「おお、いいじゃん!!」って反射的に思ったんです。でも、じっくり読むと「いやーなんかもったいないな・・・」とも感じたんですよ。なんというかいちサポーターの感覚的にしっくりこないというか。違和感が残る感じがしたんですね。だから、「この感じ方は自分だけなのかな?他の人の感想を聞いてみたいな」と思ってツイートしてみました。


すると、思わぬところからリアクションがあったので、じゃあそのワケのところをnoteで記事にまとめようというのが今回の趣旨であります。導入長くてゴメンやで!


「いいじゃん!!」と感じた原因は何だったんだろう?


このツイートの趣旨:

福山市シティFCが新たに公式グッズとして白色マスクを販売する
際に、デザインをアンケートで決めたいのでサポーターに呼びかけた

ということですよね。


もしかしたら他のクラブでもやっているようなことかもしれないので、特別福山シティの今回の企画が優れていたというわけじゃないかもしれませんが、自分はこういうアプローチとても素敵だなと感じました。


なぜか?というと、


サポーターはクラブやチームの意思決定に関与することがほとんどできない立場の人たちだからです。まあ当たり前のことなんですけどもね。

これから新しいシーズンが始まりますが、ユニフォームをどんなデザインにするのか?どういうグッズを売り出し、どういうイベントをするのか?どんな監督を連れてくるのか?どんな選手を獲得するのか?どういうサッカーをするのか?

サッカークラブ、サッカーチームはありとあらゆる意思決定を行いますけども、そのほとんどにサポーターは直接関与することができません。よって、基本的には出てきたものを受け入れるしかない。だから、祈るんです。うまくやってくれよ・・・頼むぞ!と。

どんなにうまくいかなくても、どんなに気にいらなくても、それでも受け入れるしかないのです。それが嫌なら辞めるか、目を背けるか。フットボールがエモーショナルなのはそういうところにも一因があるように思います。

そこへいくと、此度の福山シティのアプローチはまさに意思決定にサポーターの声を反映させようという試みですよね。これはサポーター・・・うれしいよ。だって参加できるんだもん!

らいかーさんが言ってるように「完成までのプロセスを見せる」ということもかなり注目をあつめるようになってきています。そこへいくと、今回の福山シティの企画はプロセスを見せると同時にプロセスに入ってもらう。もう一歩踏み越えて、サポーターを巻き込んでいくような声掛けですよね。


このように「サポーターが一緒になって作り上げていく」という体験は非常に強い印象を参加者に抱かせるのです。企画に参加することで「ふーん」と遠目に見ていた傍観者から、一気に当事者になって「自分ごとに」なっていきます。実は自分が応援するファジアーノ岡山もこの手法を取り入れていて、「Challenge1」と言ってJ1に行けるクラブにふさわしい平均観客動員数(一万人)を目指そうというプロジェクトをやっているんですよ。

このChallenge1の目標を達成した2016年。クラブはJ1昇格まであと一歩のところまでたどりつきました。あの当時の岡山には長いこと住んでいて一度も感じたことのない「うねり」のような勢いを感じたものでした。あれは...すごかった。ちょうどW杯やオリンピックで日本中が注目して熱狂するような。あれの岡山サイズのことが起こっていたように思います。高校野球で岡山県代表校が決勝に進んだとき以上に感じられましたからね。


自分はマーケティングとか経営とかの専門家じゃないので詳しいことはわかりません。しかし、クラブを強く愛してくれる人が増えるならそれに越したことはないじゃないですか。そういう意味で、この福山シティの企画はサポーターを当事者にしてコアなファンへと導きやすいやり方なんじゃないかなと思いました。

ところで、実際こういう企画があったらサポーターはどういう反応するんだろうって気になりません?

そこで自分が管理している「ファジアーノ岡山を語る部屋」(参加人数:現在208名)というオープンチャットでこのように聞いてみました。


すると、こんな回答がありました。


自分が参加してたらたぶん・・・買うな笑

グッズはサポーター以外の人にエンブレムを見せたいという狙いもあるのでしょう。クラブを外に露出させたいというね。しかし、サポーターが欲しいものがもっとあったほうがいいという意見には激しく同意です。

うちのオプチャええメンバーそろってるわ・・・まさにそうで、福山シティの規模感が大きくなるときっとできなくなることも増えていくでしょうね。


といった具合に、やっぱおおむね好評でした。


「もったいない・・・」と感じた理由は何だったんだろう?


では、一方。

「いやーなんかもったいないな・・・」と感じた理由についてですが、これは結論から言うと伝え方がほんとにもったいないと思いました。企画のアイデアが素晴らしいな!と感じた分余計に。ちょっともう一回、福山シティFC【公式】の3連ツイートをテキストで抜き出してみましょう。

ツイート1
【待望の白マスク!緊急アンケート】

現在、福山シティFCのグッズにてマスク(黒色)があります。
ですが、『白色が欲しい!』というたくさんのお声を頂きました。
今回、マスク(白色)を作成することが決定しました。
只今、デザイン悩み中です。
皆様のお声を聞かせてください。
ツイート2
こちらの選択肢からお選びください
Aデザイン
Bデザイン
Cデザイン
Dデザイン
※アンケート形式のツイート
ツイート3
投票は〇月〇日までによろしくお願いいたします

まあ、例によってビジネス言葉のプロでもないのでこれが正解!というわけにはいかないんですけども。自分は違和感をかなり感じました。それはどこか?というと。


1.日本語がどことなくぎこちない

たとえば、”現在、福山シティFCのグッズにてマスク(黒色)があります。”というのはやっぱ変じゃないですか。これは”現在のところ、福山シティFCではマスク(黒色)を販売しております”とかなんとか、もうちょいすっきりする言い方はあるんじゃないかなとか。

”ですが、『白色が欲しい!』というたくさんのお声を頂きました。”ここも少し気になりました。このままだと、図らずも「サポーターの要望に応えてあげたよ!」感が出てしまっていてちょっと押しつけがましい印象がぬぐえない。

まあ、重箱を隅をつっつくようなことを・・・と言われたら「そうかもしれん」としか言えん。

でも、サッカークラブの公式アカウントはクラブの規模が大きくなると「手堅く」「明瞭に」「迅速に」「丁寧に」と、出来るビジネスマン感が前面に出るような伝え方になる傾向があります。そういうスキのない発信をしておかないと、それこそ言いがかりのようなクソリプを不必要に誘引しかねないのでしょうなあ。そういう意味では、天皇杯であれほどの注目を集めた福山シティですからそろそろそういう目くばせもあったほうがいいのかもなあと思いました。

あと、日本語がぎこちないとなんとなく胡散臭い。これはよくない。サッカークラブなんだから目立つだろう。認知度はそこそこあるんじゃないか?と思うのはサッカーに関心のある人だけです。J2の岡山ですら日本でせいぜい上から数えて30番目かそこらですからね。誰も知りません。たとえば、野球で上から30番目くらいの球団どこ?と言われても、パッとイメージできないでしょう。野球ですらそうなのですから。よく知らない集団が胡散臭いと思われるのは、ほんとよくない。会社としてちゃんとしてんのかな?とか余計な疑念をもたれかねない。これは後発のサッカークラブあるあるだと思っています。


2.サポーターとの距離感がわからない

サポーターとフランクに接したいのか。

できるビジネスマン感で接したいのか。

クラブはサポーターをどういう風にとらえていてどういう距離感で語り掛けたいのか?がちょっとわかりにくいなと思いました。福山シティFC【公式】の他のツイートを見ていると、出来るビジネスマン感路線でしっかりとツイートされているものもたくさんお見受けしました。すると、やはりそっち路線なのかな?と思うんですが、今回のツイートのテイストもあると。まあ、選手の幼少期の写真クイズなんていう企画に合わせて砕けた表現のツイートみたいなのもあったり。まあ、今回だけは特別なんかあったのかもしれません。ちょっとそのへんはわかんない。

ちなみに、オープンチャット「ファジアーノ岡山を語る部屋」でもやはりその言い方伝え方の部分でひっかかった人はいました。

うちのメンバー頼もしいのお・・・


3.サポーターにお願いばっかりしちゃう形のツイート


福山シティのツイートでは1で「声を聞かせてください!」とお願いしていて、2で「選んでください」とお願いしていて、3で「期限までに選択してください」とお願いするという3連ツイートになっているんですよね。

これはやっぱりいまいちかっこよくないですよね。なんだかクラブがサポーターに「あれやって」「これやって」とお願いしてばっかりのツイートになってしまっている。言い方悪いけどクレクレ君感というか。

さらにいえば、ツイートが2つに分かれてしまうのはアンケートがある以上やむを得ないとしても、3つは多すぎでしょう。

どんなにバズったツイートでも、一番読まれるのは最初のツイートです。スレッド形式で連なった2番目の以降のツイートはかなり読まれる率が下がってしまうんですね。そこへいくと、3つもツイートしちゃうと3番目までわざわざ見てくれる人はかなり減ってしまうでしょう。(この辺はたぶん、いぬゆな先生の専門領域なんだろうなあ。)


そこで、「うわ!これムズっ・・・・」って思うわけですよ。サッカークラブの公式Twitterって。


Twitterの文字数の制限の中でクラブのイメージを守りつつ、必要な情報を余すことなく伝え、なるべく見てもらえるようにしなければならない。これは相当に難しいスキルですよ。いくら注目を集めやすいサッカークラブ公式アカウントだったとしても。こんなんバイトとかじゃ全然無理でしょう。でも、Jクラブでも少ない人員なのにSNSスペシャリストみたいクラブスタッフを福山シティの規模で持てるか?というとそれまた難しいだろうし。うーむ。


ゼロファジも同じ内容でつぶやいてみた



なんか他人様のツイートにケチつけてるみたい恰好になってしまってる(そういうつもりはないけど)のに、自分でやってみないのはフェアじゃねーなと思ったので、もし自分がツイートするならどうするべきだろうかと考えてみました。


やはり企画のアイデアは素晴らしいので、それをしっかり伝えたい。そのうえで、お願いしますお願いします!というテイストにはならないように。

いやーーーー記事書く倍くらい時間かかったわ笑


なにこれめっちゃムズイ!!!全然正解な気がしないんだけど・・・。とにかく必要なことを伝えることと文字数の制限がもうやばいぐらいキツイ。そのうえ言葉遣いもミスれないし、すっきり読めるようにしないといけない。これがまた難易度をぐいぐい引き上げるんだよな。いや、みんなこれやってみ?マジでしんどいぜ?自分も10年くらいブログ書いてきたのでまあまあ素人にしては文章書いてるほうかも?と思ってたけど、難易度高すぎだわこれ・・


しかもさ、これTwitter発の企画じゃないですか。ですから、このツイートが起点になってちょっとしたイベントが発動するわけで。「お客さんを楽しませる」そのスタートラインがこのツイートじゃなきゃいけないわけですよね?まあ、企画自体に魅力があると思うのである程度はイケるとおもいますけど、果たしてその魅力を邪魔しないで膨らませるツイートが作れたか?というと・・・・まったくは自信ない笑


福山シティのリアクションの速さが優秀な件について



実は当日オープンチャットでいろいろとやりとりしているうちに、


福山シティFC【公式】さんが件のツイートを削除して、あらたに投稿しなおしたみたいです。

いやーーー!新たに投稿しなおすまでにたぶん2,3時間くらいしか時間はなかったと思いますけどお見事ですね。表現はすっきりしていますし、日本語もぎこちなさが消えました。また楽しい企画にあわせて楽しい雰囲気を演出する表現を使用するというのが福山シティの狙いなんだなってこともうかがい知れますよね。

それにしても特筆すべきはリアクションの速さですよ。こういうのはすぐ動いてすぐ修正するのがいいと思うんですがそういうことにアンテナが立っている人がこのクラブにはいるんでしょうね。


ちなみに、ウチの部屋ではこんな感じで受けとめられていました。


思ったよりも長くなってしまった。こんなんTwitterで説明するのは無理だったので、まあ一個記事に出来てよかったです笑


”自分のクラブ”と思える存在はファジアーノ岡山以外にないので、この先福山シティFCが自分のクラブになることはまずありえないでしょう。しかし、最も近くて、車で行けて、クラブのスタートから見させてもらえて、知り合いが何人も関わっているようなクラブは日本中さがしても他にない。だからどうしても気になるクラブとしてお付き合いすることになりそうであります。実はファジアーノ岡山サポーターの中にも気にかけている人は結構いるんですよね。

いずれ最も近いお隣さんになるかもしれない福山シティFC。ご活躍を心よりお祈りしております。福山シティFCが中国リーグに来る日を楽しみに待っています。


それではまた。


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