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ゼロベースランニングが生まれるまで(5)

ここまで数回にわたって

ゼロベースランニングというメソッドが生まれるまでのお話をしてきましたが
今日でフィナーレ。


最終学年の12月。

箱根駅伝まで1ヶ月を切る頃
僕は相変わらずの低調なパフォーマンス。


このままじゃ間違いなく
箱根駅伝のメンバー10人には選ばれない。


でも、どうすることもできない。
ここまで、か・・・。


そんなある日
ある「事件」が起こります。


後輩が陰で
「キャプテンがあんな走りじゃ全然ダメだよな」
みたいなことを言ってるってのが
耳に入りました。


キャプテン、つまり、僕です。 

僕はキャプテンでした。

陰で後輩にそんなことを言われてる。
怒りと、自分に対しての不甲斐なさって言ったら・・・。


ただ、その後輩は間違ってない。
その後輩は箱根駅伝のメンバーに入ってたし
すごく頑張ってました。


不甲斐ない自分が悪い。
それがめちゃくちゃ悔しい。


その一件から
僕は箱根のメンバーに入ることよりも
「その後輩には練習で絶対に負けない」
そこだけにフォーカスして走りました。


すると・・・


あれよあれよという間に
グングン調子が上がってきました。


その当時、帝京大学には 
10000mを28分台で走る選手が3人いたんですが
その3人と同じ練習ができるくらい。


もちろん
その後輩の後塵を浴びることはありませんでした。


何だ?何でこんなに調子がいいんだ?


そうやって、12月中旬は学生生活で最高の走りができていました。


そんな状態だったので
もちろん箱根駅伝を走る10人の1人として
本番直前の最終調整を進めていました。


そして最後の調整練習である
10km走。


この途中、3kmあたりで 
急に、左ふくらはぎが変な感じに・・・。


左のふくらはぎの、肉離れでした。


もう、そのまま走るどころか
歩くのもままならない状態。


 
僕の箱根駅伝へのチャレンジは
幕を閉じました。


練習前まで
何の違和感も感じていなかったのに
急に、です。


信じられませんでした。

なぜ今?


それから数日間
鍼治療に通い、必死に回復に努めましたが
時すでに遅し。


僕から監督に話をしました。
この状態だと、チームに迷惑をかけてしまいます、と。


それから部屋に帰り
母に電話しました。


それまでは
「最高に調子いい」って伝えてたので
両親は熊本から箱根まで
応援に来る段取りをしてたんです。


「ふくらはぎ肉離れして走れなくなった」

それだけ伝えるのに
10分くらいかかりました。


もう、母の声を聞いたら
涙でまともに喋ることができず。


こんな形で
学生時代が何だか不完全燃焼な幕引きだったわけです。


ただ、何で後輩の陰口をきっかけに
あんなに走れるようになったんだろう・・・


これこそが
「質量のないエネルギー」なんだと思います。


要は、糖質とか、ケトン体とか
そういう「質量のあるエネルギー」ではないもの。


これを一般的には
「根性」とか「メンタル」とか
そういうザックリした言葉になってると思うんですけど
この場合の僕は
「怒」っていう「質量のないエネルギー」を
その後輩にフォーカスして活用した。


ただ
そのエネルギーで体は覚醒したんだけれども
体のバランスっていうか
走り方がマズかったせいで
左のふくらはぎがバグってしまった。


要は、心技体が調和してなかった・・・。


高校駅伝も箱根駅伝も
走ることはできなかった競技人生でしたけど
順風満帆じゃなかったからこそ
人間の不思議を体験することができた。


人間の可能性。


僕はその人間の奥深さをもっと探求したい。
そしてそれを多くの人と共有して
そういう人と一緒に走っていきたいし
一緒に仕事をしたい。


人間の可能性に触れた時のドキドキ感って
ホントすごいんですよね。


まだまだ僕は
人間の可能性の一端に触れたに過ぎない。
ほんの一端、だと思うんです。

このブログを読んでくれてるあなたには
まだまだ大きな可能性が眠ってるはずです。


だから僕はゼロベースランニングクラブで
あなたの大きな可能性を引き出すためのきっかけ
そう、トリガー、引き金になるような
情報や体験を提供したい。


そして、一緒にドキドキしたい。


国府高校でのコーチとしての活動も
治療家としての活動も
ランニングコーチとしてのワークショップの活動も
ランニング足袋などの裸足感覚のシューズを販売する活動も
僕の活動の基本戦略は
「一緒にドキドキしたい」
です。


そうすることで
一生涯、ランニングを満喫することができるんじゃないかなって。


と言うわけで
今回までは、僕がゼロベースランニングというメソッドを立ち上げるまでの
ベースとなる部分をお話ししました。


それで今後は、も少し具体的に
「ランナーの怪我は、なぜ起こるのか?」について
お話ししていこかなと考えてます。


●高岡がオーガナイズしてるランニングクラブはこちら↓↓↓


高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員