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多くのランナーやコーチが抱えている、腕のスイングについての誤解

こんにちは、ゼロベースランニングラボラトリーの高岡です。

今日は、「ランニングする時の正しい腕のスイングがわからないよ」というランナーのために、「多くのランナーやコーチが抱えている、腕のスイングについての誤解」についてお話ししていきたいと思います。

ちなみに、ここでお話ししてる「腕のスイングについての誤解」とはどういうことかというと・・・

「腕は大きく振った方がいい」ということです。

多くのランナーやコーチが「もっと大きく腕を振らなければならない」と考えてます。

僕も高校の頃はそうやって教えられました。

しかしその教えは、本当にランニングのパフォーマンスアップに役立つのでしょうか?

今日はその辺りをお話ししていきたいと思います。

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まず、腕のスイングって何のためにするんでしょうか?

あなたは考えたことがありますか?

もちろんランニングっていうエクササイズは、スイミングとは違い、誰かにわざわざ教えてもらわなくてもできたりしますよね。

今日これからお話しする「腕のスイング」に関してもそうなんですけど、誰かから教えてもらわなくても「とりあえずはできてしまう」という問題、これをゼロベースランニングのメソッドでは「できてしまう問題」と読んだりしてますけど、これによって、形だけはとりあえずできてるようには見えてても、実はそのクオリティにかなりの問題があるということがしょっちゅうあります。

しかも今日取り上げる「腕のスイング」って、なんだかランニングのパフォーマンスにはそこまで影響がないと考えてるランナーが多いんじゃないかなーと思うんです。

つまり、脚のモーションと比べるとそこまで重要視してないですよね?ということです。

しかしもちろんですけど、腕のスイングもランニングのパフォーマンスには大きく影響すると僕は考えてますし、しかもそれだけではなく、ランニングによる怪我に関してもものすごく影響するというのが、これまで多くのランナーの怪我と向き合ってきた治療家としての意見です。

というわけで前置きが長くなりましたが、それでは、多くのランナーが誤解している「腕のスイング」についてお話ししていきましょう。

腕のスイングって、ランナーそれぞれですごく多様性がありますよね?

トップアスリートを思い起こしても、高橋尚子さんと野口みずきさんは随分違うし、安藤友香選手みたいに手をだらんと下げて走るランナーもいます。

それを考えると「どの腕のスイングが正解なの?」ってあなたは思うかもしれませんけれども、僕としては「どの腕のスイングも正解」だと思ってます。

ただここでの大事な視点は、いわゆる「腕」ではないと思ってまして。

腕のスイングって言われると、どうしても「肘の角度」だったり「前に振るのか後ろに振るのか?」ということだったり、「脇の開き具合」だったりしますよね?

もちろんそれらの要素もランニングのクオリティには影響があるとは思うんですけれども、そういう多様性のある部分、いわゆる「枝葉」の部分に目を奪われるよりも、その多様性の根っこにあるものってなんだっけ?を考えてみたほうが、「核」となるものが見えてくるんじゃないでしょうか?

では、その「核」となるものを炙り出すにはどんなことをすればいいかというと・・・

「制限」をかけてみる、ということです。

腕のスイングにまつわる関節運動に「制限」をかけてみると、どういう動きが腕のスイングの「核」となるのかが炙り出されてきます。

それではまず、腕を前後に走ってみましょう。腕をだらんと下げたまま、安藤選手みたいに走ってみます。いかがでしょうか?

これって、意外と普通に走れますよね?

だけど、例えばリュック背負って、そのリュックをできるだけ揺らさないように走ってみるというケースを想像してみましょう。

特に、そのリュックの中身がたくさん入っていてパンパンになっているケースを想像してみてください。

いかがでしょうか?

おそらく小走り程度なら可能かもしれませんけれども、ジョギングペースくらいになると、なんだか動きがチグハグになってくるんじゃないでしょうか?

この場合、どこの関節運動が制限されているんでしょうか?

どうやら、鎖骨が絡んだ関節の運動が制限されていることが想像できます。

特に、胸骨と鎖骨で形成されてる「胸鎖関節」の動きが制限されると、ランニングのモーション全体が窮屈に感じられるんじゃないでしょうか?

とすると・・・

多くのランナーやコーチが「良いこと」だと考えている「腕を大きく振る」ってことに関しても、一度ゼロベースで再考する必要があるはずです。

もちろん、スピードが速くなってくればくるほど「脚の動きを相殺するための腕のスイング」という役割も出てきますけれども、仮にそのときに胸鎖関節の動きに左右差があったり、どちらかの胸鎖関節の動きが悪ければ、それが脚の故障や、不調の迷路にはまり込んでしまうきっかけになるということも考えられるわけです。

いかがでしょうか?

闇雲に腕を大きくスイングすればいいということではなく、なぜ腕をスイングする必要があるのか?というところからスマートに考えて、その動きを整えていった方がパフォーマンスアップに直結しますよね?

ちなみに・・・

ランニングをゼロベースで考えてみるときにオススメなのが、今回のように「制限をかけてみる」ということです。

例えば「裸足で走ってみる」というのもオススメの制限の一つですし、鼻呼吸で走るということもトライする価値のある制限です。

あなたのランニングライフで「普通」だと考えていることに対して「制限」をかけてみることで、また新たな発見があるかもしれませんよ。

というわけで。

今日は「多くのランナーやコーチが抱えている、腕のスイングについての誤解」というテーマでお話ししてきました。

ぜひとも試行錯誤していただきつつ、あなたの体に眠る「お宝」つまり、あなたの体に眠っている能力を引き出して、ランニングのパフォーマンスを向上していただけたら嬉しいです!

応援してます!


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ちなみに、ゼロベースランニングランニングラボラトリーというオンラインサロンでは、ゼロベースランニングのメソッドをメンバーみんなで色んな「制限」を考えながら、ランニングのパフォーマンスアップに取り組んでいます。

もし興味がある方は下の画像をクリックして、是非チェックしてみてくださいね!

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高岡 尚司(たかおか しょうじ) ゼロベースランニングクラブ・オーガナイザー 熊本国府高校陸上競技部長距離ブロックコーチ 鍼灸マッサージ師 ランニング足袋・開発アドバイザー ALTRA JAPAN アンバサダー 合同会社エフエイト・代表社員