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「職場いじめ」誰かを生贄にして安心する

 ある部署に1人怒りっぽい人がいた。その怒りっぽいGさんは他人のミスに厳しく「なぜミスが起こったのか」しつこいくらい追求する。

部署の空気を牛耳るGさん

 Gさんは原因を分析して改善策を考えるのではなく、「誰が悪いか」をはっきりさせたいだけで、結局「お前の注意不足だ」とか「やる気が足りない」と言う結論に達する。冷静に言うのだったらまだしも、声を荒げたり感情的に不快さを顕にするのだ。

 そのため、部署の人たちはGさんに睨まれないように、細心の注意を払っていた。Gさんがいないときはリラックスした雰囲気がながれている一方、Gさんがいるときは極端に会話量が少なくなっていた。

 一方、Gさん自身はミスを人から指摘された時は、全力で否定して、シラを切り通す。そして何事もなかったかのように過ごし、ミスを指摘してきた人の粗探しが始まる。最終的には誰もGさんにものを言えないようになっていたのだ。

怒りっぽいGさんのターゲットになったHくん

 そんな中、常にGさんのターゲットとなる人物がいた。それが部内で一番若手のHくんだった。

 たしかに、Hくんは要領がいいとは言えず、仕事上のミスも多かった。そのHくんに対してGさんはこれ見よがしにミスを攻め立てる。

 入社当初やる気に満ちていたHくんは何度も何度も怒られ、「やる気がない」「もっと勉強しろ」「ほんと迷惑なんだよ」と言われ続けたことで自信を喪失しきっていた。
 また、誰もHくんの味方をしてくれる人がいなかった。というよりもGさん以外の人からもちょっとしたミスを細かく指摘されるようになっていた。もちろん、Gさんのように人格否定までするようなことはなかったが、着実にHくんの自尊心を傷つける一因になっていた。

 ぼくは、このケースは『いじめ』と同じだと思う。事実、程度の差はあれ、どこの職場でも見られるのではないだろうか?

 GさんがHくんを目の敵にして攻撃し、Gさん以外の人もHくんのミスばかり指摘する。ミスを指摘しない人であっても、決してHくんを助けることはなかった。

 みんなHくんのミスを指摘することで、Gさんの攻撃から自分を守ろうとする。繰り返すが、これがいじめの構図なのだ。

 だれかを生贄にすると、自分が多少のミスや悪いことをしても怖い人から気づかれにくい。「心理的安全」が維持できない組織では、自分の身を守れるように無意識に誰かの影に隠れようとする。そしてその誰かは、往々にして目立つ人なのだ。

 Hくんが特別能力が低いわけではない。何かのきっかけでミスが立て続いてしまったがために、その部署の生贄になってしまったのだ。一度生贄になると、みんなから注目され続けるので、どんな些細なミスでも指摘されるようになる。

自己防衛反応がいじめの構図を作る

 みんな「自分のミスを指摘されたくない」という思いがあるからHくんのミスを指摘するのだ。これは以前の記事でも書いた自己防衛反応のひとつのパターンなのだろう。

 そう考えると、この部署の元凶であるGさんも同じなのかもしれない。他人に対してしょっちゅう怒っているGさんも、自分のミスを指摘されたときはごまかして否定したり、逆ギレしたりする。

 自分のミスを指摘されたくないからこそ他の人を攻撃する。これはGさんも他の人も同じことなのだ。

 ミスをしてもいい。仕事にミスはつきものだ。だからいくら根性論でミスをするなと言ってもなくなるわけがない。

 それよりも自分たちはチャレンジをする組織だ。失敗が前提で進んでいる。失敗をみんなで共有したうえで、予防するシステムを作り上げていくことが目標だ。

 健全なチーム作りのためには、ミスをした人を攻めるのではなく、ミスの原因を分析して二度と起こらないような環境設定やシステム作りを目指していることをメンバー全員で共有することが大切なのだ。

【まとめ】
・怒りっぽい人は、その存在だけで部署の空気を牛耳る
・ターゲットにされた人は、部署の生贄になり他メンバーからも軽んじられる
・みんな自分の「ミスを責められたくない」ゆえに、弱いものイジメをする
・「ミスをする個人」を責めるのではなく、予防のシステム改善に力を注ぐ方がチーム作りには重要

ぴらい&ふーみん

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ぴらい&ふーみんの凸凹夫婦が、色んな人に出会い、話を聴き、それをもとに気づいたことを文章に綴っています。読んだ人が「もっと楽に」生きることができるようになりますように。そんなことを願って。

人生の中にも「選択肢はいっぱいあるよ」
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抽象化するぴらい(夫:産業医)と口の多動で喋り続けるふーみん(妻:ソーシャルワーカー)の凸凹夫婦が悩み相談を受けて考えたことを綴っています。"べき思考・役割思考で苦しむ人を減らしたい"が人生のテーマ。Twitter→https://twitter.com/mi_nusion
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