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マイルス・デイヴィスのAtoZ「I」    「It Never Entered My Mind」

俗に言われるマラソン・セッション四部作の一枚「Workin'」のオープニングを飾る「It Never Entered My Mind」です。(ちなみに四部作、あとの3枚は「Relaxin'」「Steamin'」「Cookin'」です。)

1956年5月11日と10月26日、二日間のセッションでまとめて録音された音源が4枚のアルバムに収められました。タイトルから、ING四部作とも呼ばれています。内容的にはどれも甲乙つけがたいのですが、ジャケット的にはこれが一番ヒドイ。あとの3枚はかっこいいのになあ。

というわけでジャケットを見ないように目をつぶって聴いていただきたい。レッド・ガーランドのコロコロと転がるような愛らしいピアノ、マイルスのミュートの美しさ!この1曲だけでもアルバムを買った甲斐があるというもの。ジャズの場合、即興演奏が何よりも珍重されますが、このテイクはこのまま楽譜化してクラシック作品として保存したいとさえ思います。まずはお聴きください。

https://www.youtube.com/watch?v=-Np8PJDGq_A

レッド・ガーランド(pf)はリーダー・アルバムも多数残しています。一番有名なのはたぶん「Groovy」でしょう。やっぱりジャケットがかっこいいにこしたことはありません。

尚、このアルバムにはライヴでもよく演奏される「Four」や「The Thema」なども含まれ、バランスのとれた作品になっています。一発録りのセッションをうまく4枚に分け、それぞれのカラーを浮き立たせていると思います。




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