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「すべてのいのちが”らしく”輝き合いながら地球一個分の資源で暮らす豊かな世界を楽しくつくりたい!」有限会社ウィルウィンド 代表取締役 冨田直子さん(前編)

●enmonoとの出会いと冨田さんの自己紹介

三木:本日もMBS始まりました。本日もVR空間の中からお送りしております。本日は有限会社ウィルウィンド代表の冨田さんにお越しいただきました。ありがとうございます。

冨田:よろしくお願いします。ありがとうございます。

三木:冨田さんは一昨年我々がやった殿町(zenschool)、慶応大学の医学部さんとSDMで開発されたウェルビーイングイノベーションスクールで我々がそこの講師をしてたんですけども、そこの卒業生でもあります。SDGsワークショップデザイナーということで、最近企業でも盛んに取り入れていたりとかメディア等でも盛んに宣伝してるんですけども、その内容を詳しいところを我々も把握してないので、今日は冨田さんにそのご活動とSDGsのほうと色々とお聞きしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

冨田:はい、よろしくお願い致します。

宇都宮:冨田さんですけど、ナンシーさんです。

冨田:はい。VR名はナンシーですが、今日は冨田でいきたいと思います。

キャプチャ1

三木:今スクリーンに写ってる自己紹介からお願いしてもよろしいでしょうか?

冨田:承知しました。ワークショップデザイナーとここで書かせていただいてますけど、まずSDGsの専門家では全くなくて、みんなと一緒にSDGsに向けて何とかしていこうよと、一緒にこの地球を人類が住めるような形で持続可能にしていくための事業なりやり方をみんなで考えていこうよという仲間集めをしている感じで、SDGsを皆さんに色々知っていただいたり一緒に事業を考えるようなワークショップをしているということでこんな肩書にさせていただいています。ここに至った経緯をご説明すると、私13年ほど外資系中心に色んなところで主にコンサル的なことをしてきました。ずっと人生迷いながらですね…

宇都宮:迷いながら(笑)。

冨田:そう。とにかく広く浅く色んなことが知りたいと、何をするか決めきれないという性格が今でも色々出てるんですけど、そんなのでコンサル的なことをしてれば色んな会社を見て学べるかなって。

キャプチャ2

宇都宮:これ経歴なんですね。すごいね。AT&T、ARTHURANDERSEN、フォルクスワーゲン、AIG。

冨田:はい。外資にこだわったわけではなくて、SDGs的にいくとジェンダー平等というか女だからとかあんま気にしないでいい学生の延長で見つかる仕事がしたかったっていう意味で総合職とか一般職とかいうのもあったりしたので、そういうことを考えずに済む外資に行きたくて色んなとこを見ました。

宇都宮:日本企業だと色々ありますもんね。

冨田:そう。今は減りましたよね、そういうのが。

宇都宮:ジェンダー。でも今でも日本では女性管理職とかあんまいないし。

冨田:そこはそうですね。色々迷いながらいつも迷うと自然に必ず答えを聞いてた人でした。

宇都宮:自然がお好きなんですね。

冨田:すごい好きなので今日もこのロケーションを選んでいただいたんです。寄せてはかえす波のようにそれこそずっと「人類何で?」とか「何のために生きてるの?」とかそういうことを考えるのがずっと好きでした。

宇都宮:人類を考えてたんですね。

冨田:はい。今でこそSDGs出てきてやっと人類をみんなと話せるので喜んでるんですけど、昔はひとりで…

宇都宮:子供の頃はあんまり周りではそういう話題では話しづらかったんですね。

冨田:そうなんです。そんなことを乗り越え自然から教えてもらいました。

キャプチャ3

●外資系の会社を辞めてウィルウィンドを立ち上げた経緯

冨田:1つの転機は2004年のクリスマスの時ですね。ちょうどボスが外国人で3週間のクリスマス休暇を取るので人生で初めて会社員でありながら私も3週間休んでニュージーランドに一人旅をしたという。この時にやっとゆっくり自分の人生について問う時間を持てて、「何のために私働いてるんだろう?」とか「何で生きてるんだろう?」ってこの時も自然から教えてもらって、例えばこの右側にあるブナって固い岩盤の上に養分が少なくて済むので生えるんですけど、そのために周りの木々と全部手をつないで森を作ってるんですね。その結果倒れる時はみんな一緒に倒れたり、全部理由があってそこにあるとか、こういう土地だからブナも種子を鳥とかに運んでもらわなくていいので鳥がほとんどいなくて鳥の声が聞こえないとか全部理由があるということをこの中で知りながら、私達人類も今ここにこうして種の保存なのかどんどん貪欲になってることにそれはそれで理由があるんだろうけれど、やっぱり生物として生き続けていくためにどっか途中で立ち止まって考える時が必要だし、それをしないとちょっと滅びそうだよなとか思いながら森の中を歩いてたわけです。

キャプチャ04

宇都宮:この時ですか?

冨田:はい、この時ですね。今から15年前ですね。毎日すごい深い問いをしてるブログが今も残ってるんですけど。

宇都宮:あ、そうなんですか(笑)。じゃあ後でリンク教えてください。

冨田:はい。それもすごい昔なので恥ずかしいですけど。これをきっかけに「そうだ!答えは分かんないけど、こういうことをみんなで考える場を作ればいいんだ!」と思って急にウィルウィンドという会社を立ち上げようと思ったんですね。

宇都宮:この直後ぐらいですか?

冨田:これが2004年の12月で帰って来たままもやもやとしてたんですけど、2005年4月1日、いつものように大手町に向かうために家の玄関のドアを開けて青空の下に行った時に「これをみんなで考えればいいんだよ」っていう何かが降りてきたんですよ。ちょっとこれもまた人に言うと変な風に思われるのであんまり言わないんですけど、青空から雷が落ちてきた感じ。

宇都宮:場所はどの辺りで?大手町で?

冨田:当時四谷三丁目に住んでたので、その家を出て青空の下にちょうどパッと光が差してきた時にバババッと「これだ!」って空から私の上に降りてきた感じでした。そのまま出勤して丸ノ内線に乗って大手町に行ってボスのドアをノックして「ちょっと話がある。私ちょっと辞めようと思う」と唐突に言いました。

宇都宮:その日のうちにですね?

冨田:その日の朝にですね。着いてすぐ。ボスは「何なんだ!」とか「他からの引き抜きなのか?」とか「何なのかちょっと話を聞かせてくれ」って慌てて、「実はちょっとやりたいことがあるから」って言って。でも私自身が「これだ!」って降りてきたばっかりなので全然言語化できないんですよね。ちょっと震えてる感じもあったりして。でも何か「人類のために」とか「未来のことをみんなで考えたい」とかたぶん色んなことを言ったんだと思うんですけど、なんせ英語なのもあり母国語じゃないのでとにかくたどたどしくて、「何か言いたいことは分かったけれど少し頭を落ち着いてください。また数日後に聞くから」みたいな感じのことを言われて、それから毎朝ボスが私のほうを見て「どうだ?気持ちは変わったか?」と2週間聞き続けられたんですね。私も「いや、まだ変わってない」って言い続けて、2週間後から「分かった。じゃあ後任を探そう」と言ってそこから後任探しに入ったみたいなのが2005年でした。

三木:これはANDERSENの時ですか?

冨田:これは最後のAIGだった時です。

キャプチャ6

●有限会社ウィルウィンドのロゴを作ってくれたのは…?

冨田:そんなのがあって今のウィルウィンドっていうウィル(will)ですけど、まだ商品があるわけでも何にもないんですよ。とにかくみんなの想い(will)を風(wind)に乗せて未来に届けて何かそういうことを考える場を作ろうと、黄金の大地と青い海と緑の森を後世に少なくとも残して、これがないと人類生きていけないしということも含めてこの葉っぱのロゴにしたんですね。

宇都宮:じゃあロゴのイメージも考えたんですか?

冨田:はい、考えました。これを作っていただいたのが殿町6期で一緒にいた実子さん。

ナンシー&ジェーン

三木:そうなんだ。

宇都宮:そうなんだ。これ?

冨田:これを作ってくれたのが実ちゃん(じっちゃん)なんです。

宇都宮:実ちゃんは何て言ってたんですか?突然こういうこと(起業)になったわけじゃないですか。

三木:すごいご縁ですね。それは全然知らずに殿町で一緒になったのね。

冨田:そうなんです。ほんと縁って不思議で、私の身近で起業している親しい人がほぼいなくて、それで実ちゃんに相談っていうかもうその時心に決めてたので「やろうと思うんだけど」って言って、「いいんじゃないの?」って。その時「私何か作るよ」って言ったのか「それだったらロゴをプレゼントするよ」とか何かそんなことを言ってくれて、「イメージはこの大地と海と森で葉っぱかな。風が吹いてる感じ」っていうので作ってもらいました。

キャプチャ7

宇都宮:じゃあこのまんまのイメージですね。ロゴは。

冨田:はい。そうなんです。

三木:素晴らしい。

宇都宮:すごいな。すごいご縁ですね。実ちゃんはどういう知り合いなんですか?幼馴染とか?

冨田:大学の時の同級生でSFCで一緒でした。遊び仲間です。

宇都宮:SFCの一期生でしたっけ?

冨田:はい、そうなんです。新しいもの好きで。

三木:新しいもの好きだね。

冨田:総合政策学部っていう名前に惹かれましたね。何でもできるし選ばなくていいっていう…名前がそれじゃなかったら行かなかったと思いますね。

宇都宮:でもSFC一期生って結構濃い人が集まってたりするんですかね?

三木:濃いですよね。

冨田:私サボってたので、サボってたという意味では濃かったのかな。すっごい毎日毎日パチスロしてたんですよ。

enmono一同:(笑)

三木:湘南台?

冨田:湘南台とか当時付き合ってた人とかと毎日朝並んでましたね。慶應姉ちゃん慶應兄ちゃんって言われて目押しをしてあげるんですよ。

三木:慶應兄ちゃん姉ちゃんのパチスローラーだったんですね。

冨田:そうなんです。目押しが得意でしたね。学生時代は。

宇都宮:すげえ。面白い。

冨田:あと実ちゃんが覚えててくれてるのはスリックカートとか乗り物が好きで当時レーサーだった友達とかにもちゃんと勝って、私うまかったみたいです、運転が。

宇都宮:そうなんだ。じゃあ実ちゃんとはその当時のお友達っていうことなんですね?

冨田:そう。パチスロは実ちゃんしてないですよ。運転とかでスリックカードとかそういうお友達でした。

宇都宮:SFCを卒業してからこの時までは普通に社会人のお友達みたいな感じ?

冨田:そうですね。でもしばらく離れてたりして何かでもう1回再会して「そうだ。独立したんだ」っていうのを聞いてその記憶があって相談したっていう感じですね。

キャプチャ8

●ウィルウィンドの事業のネタ探しと家族史の作成

宇都宮:ウィルウィンドが始まったっていうかとりあえず登記したんですよね?法人登記。

冨田:はい、登記しました。2005年の8月です。

宇都宮:定款には何ていうビジネスを?

冨田:色々サービスとか何か適当に書いたんですけど…

宇都宮:でも想いがあって立ち上げたから何かそういうサービスを提供するっていう…

冨田:そう。でも何をしたらいいか分からないので、最初にしたことが『想いを後世に残す15の具体的な方法』っていうメルマガを出そうと。つまりウィルウィンドの事業のネタを探そうと思ったんですね。何か残す方法、未来を良くする方法とかそういうものを取材すれば皆さんきっと話をしてくださるかなと思って、その中から面白そうなもの、できそうなものがあったらそれを最初の事業にしようかなっていうことでメルマガの活動から始めました。最初300万の資本金でなくなったらまた転職すればいいやって、いっぱい転職してたので自分でリスクヘッジを取って。海外まで取材に行っちゃったりね。最初お金の使い方が分かんないので。

宇都宮:海外ってどちらのほう?

冨田:その時はフロリダだったんですけど、今のSDGsでいけば海の豊かさですかね。魚を全部獲っちゃうメキシコ湾とかでどんどん魚が減っていって、魚をもう1回戻ってきてもらうとか増やすための言ってみれば1つの漁礁なんですけど、よく沈没船とかも漁礁になったりとかして魚がいっぱいそこで育つ。それがそこで産まれてるのか実際どこかから来てるのか分かんないって色々賛否両論あるんですけど、いずれにしても自分が死んだ時の遺灰を魚のためのお家のコンクリートの漁礁みたいなところに遺灰を混ぜてそれを海に沈めることで自分のお墓の料金として支払ってそこに魚の楽園を復活させるみたいなものがあって、これって後世に自然を残していきたい、美しい海を残していきたいという時に1つできるやり方なのかなと思って、これはフロリダに取材に行かなきゃと思って直接創業者の方のところに取材に行ったりしました。

キャプチャ5

三木:すごい。

宇都宮:その頃からそういうことをしてたわけですね。取材されたことを今本に出されたわけじゃないですか?

冨田:はい。考えてみればそうですよね。今気がつきました。そこは原点かもしれないですね。やってること同じだわ。

キャプチャ9

それで最初は何をしたらいいか分かんなくて自分が身近でできることっていうことで自分史、家族史みたいな、まず命をつないでいることを私自身がもっとちゃんと自覚をしなきゃいけないなと思って、おじいさん、おばあさんにその方のおじいさん、おばあさんの話を思い出してしてもらうと150年ぐらい遡れるんですね。150年前が自分事だとしたら150年先の未来も自分事で考えらえるかなとか、人が生きているスパンがすごく短くて短期的に生きてる気がして、どうやったら時間軸を延ばして未来のことを考えられるかなって考えた時に「あ、そうか、家族史ってあるのかな」っていうので最初はこんなことを自分でも聞いてその方の代わりに書いてあげるっていう感じでお手伝いできればなと思ってやったり、60歳以上の方の記憶を残すMEMORO『記憶の銀行』っていうイタリア発のNPOだったんですけど、これも新聞で知った日に日本で立ち上げたいってその日にまたイタリアに電話しちゃったりして、「これだ!」と思ってコールしたんですけど。

キャプチャ10

三木:すごい行動力があるんですね。

冨田:はい。ただちょっとNPOの運営の仕方とかが分からなくて皆さんにすごいご迷惑をおかけして、お金も全くなくなってとか色んな試行錯誤を繰り返しながら、ただ何人かのご家族の歴史を残せて、もしかして1000年後の子供が見た時に何か「あ!自分の先祖!」って思えるかもしれないことを残せたのは自分として良かったかなと思いましたね。

三木:これを紙にするんですか?

冨田:記憶の銀行のほうは動画をアップロードですね。一番下の真ん中のとこに母がいるんですけど、11年前に撮った…今母は認知症になって。この時にお雑煮の作り方を教えてもらって今でもお正月になるとこの時のお雑煮の作り方の動画を見ながら母の味を作っています。今年も作りました。

キャプチャ11

三木:ありがとうございます。

冨田:はい。全然SDGsの話に行かないですね(笑)。

▶後編に続く

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