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【別巻解説】巨匠の創作の秘密、原点を100倍楽しむ!

手塚治虫全集紹介400巻完結いたしましたが
実はその内の18冊は、別巻として漫画作品以外の「エッセイ」や「対談集」などを含んでおります。

今回はその別巻のご紹介となります。
マンガではないですが手塚先生の貴重な資料ばかりとなりますので
読んでいて素直に面白いです。
手塚先生の好きな映画とか○○ランキングみたいなのもありますので
創作の原点を垣間見れるのがいいですね

今回ご紹介するのはなかなかお目にかかれないものばかりだと思いますので
これを読んでからマンガを読むとより一層深く知ることができ
もう一歩踏み込んだ手塚作品に触れるキッカケになろうかと思います。

それでは本編スタートします。



【手塚治虫エッセイ集第2巻】

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アニメーションとはそもそもどういうものなのか、という基本的なところから、アニメーションの魅力と、何故、それに自分がのめりこんで行ったのか、ということについて書き綴られた文章が集められています。中でもディズニーについて語り、名作『白雪姫』について大いに不満点を述べているところなど、とても興味深いです。

日本のアニメは手塚治虫から始まったといっても過言ではありません。
アニメこそ手塚治虫といえる
アニメ大好きの手塚先生のアニメ愛が溢れたエッセイです。


【手塚治虫対談集第1巻】

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小松左京、田河水泡、横尾忠則、ジュディ・オング
様々な著名人との対談集

特にジュディ・オングさんとの「マンガは反逆のメッセージ」はめちゃくちゃ面白い。
手塚先生は「自分のマンガは決してヒューマニズムを描いているのではありません。そもそもマンガというのは、すべて反体制的なものなんです」と語り、自分のマンガも当初、当時のマンガ状況に対するアンチテーゼだったし、マンガではじめてキスシーンを書いたりしたときはものすごい非難を浴びた。自分はいつもアウトサイダーだった。と言っています。

あまり知られていない手塚作品の大半は本当にアウトローなものばかりで悪書追放になったり社会の風穴を開けるような作品を連発している作家です。

非常に興味深い対談となっています。


【手塚治虫エッセイ集第3巻】

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手塚治虫がマンガについて熱く綴ったエッセイが集められています。人間のやさしさを持ったロボット、アトムというキャラクターを生み出すまでのいきさつはとても興味深い一文ですし、手塚治虫流のマンガの描き方(アイデアからシナリオの作成、キャラクターの配役と続く手順など、まるで映画かお芝居を作るかのような手順なのだ、ということ)など、これから漫画家を志す人たちにとっては大いに参考になる文章ではないでしょうか。

『のらくろ』や横山光輝さんとか松本零士さんとか大友克洋さんといった同業者たちについて語った文章などもマンガファンには無視できない文章でしょう。


【手塚治虫対談集第2巻】

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戦前の漫画草創期から世界で一番最初のアニメーションの話、 その当時から漫画の歴史についての話。松本零士さんがゆっくりと時間をかけて、マンガの歴史、アニメの発達の様子を語り尽くしています。
SF界の重鎮、小松左京さんを中心に『ハツメイハッチャン』『スピード太郎』から手塚先生の『火星博士』『ロストワールド』を経て、『サイボーグ009』『キャプテン・ハーロック』に至る日本SFマンガの発展、充実ぶりを改めてたどってみると、それが日本の文化の上でさん然と光り輝く巨星であったことがわかることと思います。


【手塚治虫対談集第3巻】

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松本零士さん 萩尾望都さんとの対談
萩尾望都さんは手塚先生に憧れてマンガ家になった
石上三登志さんとのSF談義は必見!
スターウォーズの話なども面白いです。
石ノ森章太郎さんとの対談、激オモです。
石ノ森章太郎さんが大先輩、手塚治虫にマンガの過去と未来について尋ねるいう形の対談。
最近の若い漫画家は、今さえ良ければ言い、という姿勢でマンガを描いているが、そうではなく、50年先まで残る作品を作ろうとすべきではないか、と手塚先生は語ります。


【手塚治虫エッセイ集第5巻】

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映画について、舞台について、そして音楽について綴られたエッセイが集められています。 『猿の惑星』を傑作と絶賛し、自分ならこんな続編を作ると手塚流『猿の惑星』シリーズを展開する一文など、マンガファンにも映画ファンにもたいへん面白い読み物といえるでしょう。ほかにもスピルバーグの『未知との遭遇』と『火の鳥』のテーマの共通性を論じた一文など、若い映画評論家(映画ライターとも言うらしい)が読めば、いろいろと勉強になるんじゃないでしょうか。またモーツァルトやブラームスについて綴った文章などは、クラシックは高級過ぎてとっつきにくいと感じている若い世代にとって、いい入門書代わりになるかもしれません。


【手塚治虫対談集第4巻】

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注目は立川談志さんとの対談は超必見!
持っているマンガは手塚作品のみ
立川談志が認める天才は2人
レオナルドダヴィンチと手塚治虫のみという大の手塚フリーク

天才落語家と天才マンガ家の対談は、ディズニーのことから自然破壊のことまで軽やかに現代を論破して行きます。


【手塚治虫エッセイ集第7巻】

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手塚先生が自分で読んだ文学について綴っています
中でも手塚治虫がむさぼるように読んだのが英米文学ではなく、
トルストイやドストエフスキーといったロシア文学だったということは、
彼の作品群を理解するうえで重要なエピソードだろうと思います。

『火の鳥』をはじめとする大河ドラマに限らず、アトムやレオやトリトンのような少年マンガにおいても、手塚作品の底流に流れている「人間性とはいったいなんなのか」という問いかけがこのロシア文学に影響を受けたことに起因している、ということです。また、手塚治虫がSF文学のベストとしてあげているベルンハルト・ケラーマン著『トンネル』が後年『マリン・エクスプレス』を作る上でのアイデアのもとになっていることなどもわかり、ファンには興味が尽きないと思われます。


【手塚治虫のマンガの描き方】

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漫画家にとってはバイブルのような作品。
昔の漫画家を志した者なら一度は目を通したであろう傑作

まず絵を描くということはどういうことか、という基本的なことを幼児の絵を参照しながら語り、マンガを描くための道具、その選び方を教える、という実践に即した入門書。この本を通してマンガの描き方を学んだ、というプロもたくさんいる、そんな名著です。

もちろんプロだけでなく素人、いや全く絵が書けない人でも楽しめます。

手塚先生曰く
絵なんて全く書けなくてもいいと言っています。

マンガやイラストなんて所詮ラクガキ…。

重要なのはデッサンや技術ではなく発想、そして描きたいと思う心だと。

永遠に語り継がれる歴史的名作です。

最後までご覧頂きありがとうございます。


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