千羽鶴を繋ぎながら振り返る

初投稿です。
まとまりない文章ですが読んでもらえると嬉しいです。

息子がうまれて、13年。
幼稚園、小学校とスクールカースト上位の子達に劣等感を感じながら、休み時間には絵を描いて過ごすようなおとなしい子どもでした。

優しい子だねぇと言われ続けた小学校時代か中学校に入学したとたん、問題児の1人になりました。

原因は、新しくできた友達にヤンチャな子が多かったことでのレッテル。。。

ガチガチに緊張して登校する毎日でしたが、新しい友達もできて、楽しそうな日もありました。

そんな中、度々学校からの電話。
目をつけられていたんですね。。

クラスで物が壊され、犯人疑いからの男性教師二人からの圧迫面接。ズタボロになって帰宅した息子の泣き疲れ、憔悴した様子は一生忘れられられないと思います。

何を言っても信じてもらえないと、泣く息子。

勇気出して自白しろよ、頑張れ、頑張れ、楽になるぞと問い詰める教師たち。

小学校時代の息子からは想像もしなかったような疑いをかけられ続け、~の件で指導しました、終始号泣していましたとの電話が続いた頃

息子はめまい、頭痛、吐き気に見舞われ、突然学校に行けなくなりました。

小児科では、精神的なファクターが過大にあるでしょう、学校を休ませてくださいと。

藁にもすがる思いで受診した心療内科では、先生と合わず号泣して診察室から出てくる息子。

スクールカウンセラーとの面談を重ねたり、思春期外来も訪ねました。

担任は圧迫面接の張本人だったため、信頼できず、親子で泥水の中で溺れているような気持ちの日々を過ごしたのが中1のはじまりでした。

夏が過ぎると、めまいの症状も内服薬でコントロールがつきはじめ、比較的症状が落ち着きました。

息子は、中1のはじめ柔道部に入りました。

インドアで内向的な息子に、中学校では運動部に入ろうよと小学校時代から言い聞かせていた私の勧めのせいで、本心ではないが、運動部ならここにと本人が決めてきました。

小学校の間、息子の体調がこんなことになるとは思ってもいなかったため、生真面目な息子に、運動部を勧めた身としては、体調が優れない中入部を決めた息子に対して、申し訳なさがありました。

6年生頃からスマホばかり覗く日々で、何とか殻を破ってほしいという親のエゴがあり、どうしても辞めたかったら辞めてもいい、そのときまで全力で応援するねと心配しながらも見守ってきました。

しかし、そんな息子は先輩や仲間達に恵まれ、なんとかかんとか、必死についていきました。

やはり、経験者の子どもたちは抜群に強く、手も足も出ない。
だけど、大人しかった息子にも秘められた闘争心があったようで、同じ初心者の子相手には負けたくないと、みるみる心も体も強く、変化してゆきました。

中2になり、初めて後輩ができた息子。
部活では自分よりも強い後輩たちが、先輩先輩、と慕ってくれたり、学級においても落ち着いて、安定した生活を送れるようになりました。

中2の夏、先輩の引退が近づき、引退試合に向けて、千羽鶴を後輩でおることに決まりました。
保護者として、1つ1つの鶴を針に刺し、繋いでいく作業を行います。


はじめは、あまりに不格好な姿の鶴は多少折り直し、修正し、ある程度は整って美しく見えるようにしていました。

しかし、引退に向けての錬成をお手伝いする中で大間違いだったことに気づきます。

美しく丁寧に、保護者が折ったであろう鶴も
不器用ながらも子どもが折ったであろう鶴もそのままでいいと。

それぞれに、記名された袋を開きながら
各家庭で折られてやってきた鶴たちを見ていると
親子のやりとりが見えるような気持ちになります。

仕事に家庭に奔走する母が折った鶴、息子に娘に声をかけて折った鶴、自主的に子どもが折った鶴、兄弟児も折ったかもしれない鶴。

それぞれの鶴を刺しながら親子の顔が浮かびます。

部活のお手伝いをするなかで、部員たちの
稽古でしごかれヘトヘトになった姿も
まだまだ子どもらしい笑顔も
悔しかったり、辛くて涙する姿も
たくさん目にします。

そんな様子を見ていると、1つ1つの鶴に、私が想像するには計り知れないほどの想いが詰まっているような気がしました。

そんな心境で繋ぐそれぞれの鶴は、
1つ1つが宝物のように思えてくるのです。

下手くそだって、頑張ったもの
不器用でも一生懸命に形にしたものって
すごく美しい。

はじめから完璧でなくていい。
泥臭く粘り強い輝きがそこにある。

それは人間の成長の過程で必ず通る道を現しているから。

不格好な鶴に自分を、息子を投影させながら
一つ一つを連ねていました。

今回、初めて千羽鶴という文化に参加した私。

どこか遠い存在だった、千羽鶴を改めて見つめ直す気持ちで刺していく鶴は
不謹慎かもしれませんが、戦争に行く大切な人を想って刺す千人針と、どこか似ている気がしました。

一人一人の想いが鶴にのってたわわに連なる姿は圧巻です。

その実際の重さよりもずっしりとした重みを感じます。

もうすぐ、引退してゆく、息子がお世話になった先輩達に。

息子よりもたった1才だけ年上の彼らに
親子で支えられた気がします。

学校が辛かった時、学級とは別の居場所を作ってくれた彼ら。

君たちが作り上げてくれた雰囲気に守られて、息子も私も、何とか踏ん張って、踏み留まって、逃げ出さずにここまでこれたんだと思います。

本当にありがとう。
本当に本当にありがとう。

君たちが後輩達にしてくれたように、
この先の未来、君たちを暖かく包んでくれる人達がいますように。

苦しい時、もうだめだと思った時、
想いの詰まったこの鶴をみて少しでも励まされるといいななんて、おこがましい想いを募らせて。


色々な想いが込み上げながら
一つ一つの鶴を繋ぐ夜です。

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