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#9 みんなのパセリ

狐野扶実子 / 料理プロデューサー・出張料理人 

料理のわき役としてすっかり定着してしまっているパセリ。
彩りを添えるという役割が終わると食べられずに捨てられてしまうことも多い。どんな味がするか知らないという方も多いのではないでしょうか。

そんなパセリを主役にした一皿(?)を食の問題解決へのメッセージを込めて、未来へ遺すべき作品に仕立て上げたのが、料理プロデューサーであり、出張料理人の狐野扶実子さん。

もともとは主婦だった狐野さん。夫のフランス転勤を機にル・コルドン・ブルーに入学、首席で卒業し、プロの道へ。見習いとして入った三ツ星レストラン「アルページュ」で世界にその名をはせるオーナーシェフのアラン・パッサールに見いだされ、副料理長に就任したことが転機となり、独立した後も出張料理人として世界中を飛び回り、活躍を続けている。


冒頭、一皿に“?”をつけたのは、なんと今回の作品には隠された二皿目が。

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未来へ遺すべき作品の一皿目はパセリの最大の魅力である香りを味わい尽くせるよう、仔羊と組み合わせて焼き上げた、仔羊のパセリパン粉焼き。

二皿目は試作時にたまたま発見した”茎の部分”の、葉とは違うくせが強すぎない優しい香りと風味を活かした、パセリの茎のグラニテ。

見た目にもグリーンが鮮やかな、まさにパセリが主役の料理と、食べてみても野菜なのか、フルーツなのか、あじわったことのない、さわやかな新しい味のデザートに仕上げた。

狐野さんが、この二皿に込めた想い。

今まで当たり前のように廃棄されていた食材、食べられないと思われている皮や茎どんな部分であっても、みんなが簡単に作れる調理法で、今まで知らなかった新しい顔を発見でき、おいしく生まれ変わらせることができることを知ってもらいたい。

パセリのように食べ方がわからない、そもそも食べられることを知らないことで捨てられてしまっている食材は他にもたくさんある。また、茎や皮など普段は使われることなく捨てられてる部分も、使い方次第で普段食べている部分にはない、まだまだ知らないおいしさが眠っているかもしれない。

そんな未知のおいしさがまだまだあること、それをみんなが知れば、食の未来はもっと明るく、豊かになることを教えてくれる二皿でした。


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