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まずは坐禅会(大阪)で坐禅のやり方を体験してみましょう

このnoteには、「初心者のための禅入門」の講座の内容について書いてきています。

講座は2部構成です。
これまでのnoteで振り返ってきた第1部は、鈴木俊隆老師の『禅マインド ビギナーズマインド』を読みながら、お互いに理解を深めていく時間。

それぞれの人生と照らし合わせながら、経験をシェアしました。
たとえば「初心」も、いろいろな見方が出来るのだと、よい気づきをいただきました。

頭を使った後は、第2部の身体を使う時間です。
皆で坐禅を組み、坐禅を組んで体験しました。
足の組み方、正しい姿勢、五感で感じることなど、これまで実践して学んだことを私なりにお伝えさせていただきました。

禅では、なぜ坐禅を組むのでしょうか?

初心を保つこと自体が修行の目的だと『禅マインド ビギナーズマインド』に書かれています。
初心とは、「ものごとをありのままに見ることのできる心」です。

「明鏡止水」という言葉があります。
邪念がなく、清らかで落ち着いた心という意味です。

水が止まっていて清らかな状態であれば、鏡のように映りますが、波立っていたり、濁っていると、物事のありのままの姿が映りません。

心も同じです。
感情で荒ぶっていたり、自分さえよければよいという思いでいっぱいだと物事が偏って見えてしまいますが、静かで邪念がない心は、ありのままを映すことができます。

心を静かにして、磨いていくのが坐禅です。
心はすぐに濁ってしまうので、禅の老師は一生かけて坐禅をしています。

「初心者のための禅入門」の講座では、まずは「上手に坐る」ことよりも、「とにかく坐ってみる体験」を重視しています。
私自身、上手く坐ることができず、お寺に行くのをやめようと思ったことが何度もあるからです。

まずは正しい形にこだわるよりも「坐る」ことに慣れることが、坐禅の入り口としては大事だと考えています。
椅子を使いたい方は使ってもOKとしました。

胡坐(あぐら)を組んで、足を反対の足の膝に載せると足が痛くなってしまう方は、載せなくてもよいことにしています。
右足(または左足)を左足(または右足)の太ももの上に交差させて載せるのを「全跏」、片足だけもう一方の足の太ももに載せるのを「半跏」といいます。

教科書に出てくる中宮寺の寺伝如意輪観音は片足を膝に載せていて、菩薩半跏像という名前が付いてますね。
http://chuguji.jp/about/index.html

おしりの下には、座布団を敷きます。
座布団はちょうどよい高さになるように、折ったり重ねたりして、調整します。

骨盤を立てるように腰を起こして、背筋をまっすぐ伸ばします。
最初は骨盤を立てる筋肉が培われていないので、無理をして痛くならないようにしてください。

手はふとももの間で組むか、太ももの上に置いて、肩をリラックスさせます。
顎を下げて、目を半分閉じて、1.5mくらい先をぼんやり見ます。
一生懸命に観ようとせず、自然に見えるという感じです。


5分くらいの坐禅を3回やったところ、参加された方の経験はさまざまでした。

ある方は、脈絡なく、いろいろな過去の映像が浮かんできたそうです。

1回目は寝てしまったという方もいました。
坐禅を組むと眠くなるのは、単純に睡眠不足ということもありますが、思考が優位の方に多いようです。
座禅は右脳を使うので、左脳を使わなくなると、眠りに落ちてしまうのです。

仕事、家族など、いろいろな考えが浮かんできたという方もいました。
考えが浮かぶのは自然なことです。
大事なのは、考えが浮かんできたことに気がつくこと。
そして、再び呼吸に戻るのです。

坐禅を組んでいるときに考えが浮かんできたとき、それを手放すのは、何かについて考え込んでしまうと、坐禅で目指す「今この瞬間」にいることができなくなってしまうからです。

座禅でいう「今」とは、呼吸していることに気づいている自分、この瞬間見えている、聞こえているものを感じている自分でいるということです。
全身で今この瞬間を味わう感じと言えるかもしれません。

坐禅をしているときに、のどが痛かった方は、
ただ痛みを感じてみたら、すっと消えたということでした。

痛みは悪いものではありません。
痛みを悪いものだと思うと消そうとしてしまいますが、痛みを感じると痛みと一つになります。
痛みを感じたとき、「どこなんだろう」などと痛みをしっかり感じるようにするのです。

数を数えながらの坐禅もしました。
数を数えていると、他のことを考えずに坐禅しやすかったようです。


私は、「初心者のための禅入門」の講座で、想いや経験をシェアすることを大事にしています。
弱音も含め、率直な思いを伝え合うと、自分だけができないのではないこと、他の人も同じような経験をしていることがわかります。
すると、坐禅を続ける気持ちが湧いてきますし、理解が深まります。

僧侶も1人ではなく、「僧伽(サンガ)」という集団で修行します。
初心者が禅に取り組むときはなおさら、支え合えると心強いものです。
経験について話すことで自分が何ができないのかがわかると、
次への足掛かりも掴みやすくなります。
そのため私は、講座を安心して本音を出せる場にしたいと考えています。

私が禅の修行に参加し始めた頃、仕事や人生では、頑張って成長して、
評価もしていただいていると思っていたのに、
禅の修行に参加すると上手く座れず、集中できませんでした。
足が痛いし、眠くなるなどして、「今この瞬間」にいることができなくなることも、しばしば。
周りの人はできるのに、自分はできないことに失望しました。

坐禅を組むと、毎回、自分では気づいていなかった思いに気づきます。
坐禅を組んでいるときに、できない自分を受け入れることができた瞬間がありました。
私なんか大したことないと気づき、原点に帰らせてくれたのです。

「初心者のための禅入門」の参加者からは、「地味だった」、「嬉しくはなかった」、「これが大事だと思った」という感想がありました。

参加者の中には、それまで、さまざまな自己能力開発のセミナーも受講してこられた方もいらっしゃいました。
「初心者のための禅入門」は、今までに受講したセミナーの中で一番上手にできなかったそうです。

坐禅は一生かけて取り組むもの。
うまくできなくて、いいのです。

「初心者のための禅入門」の講座を開催しようと思ったのは、自分ができないからです。
皆さんと一緒に、禅を学んでいこうと思います。

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