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試合で動きが固くなるアスリートへ 大地のメンタルトレーニング

一つ実験をしてみましょう。手首を回してください。普段やっている感じでOKです。

今、あなたは手首だけを回していたでしょうか?それとも、どこか他の身体の部位も感じられていたでしょうか。

手首の回し方を見ると、そのアスリートのプレーの特徴が分かります。手首を大きく早く回している選手というのは、動きが強くて粗いです。

一方で、手首をゆっくりと小さく回している選手というのは、動きが繊細で柔らかいです。

この動きは、プレーそのものとも言えます。

プロゴルファーのメンタルトレーニングでは、試合中ここ一番という場面で、パッティングやアプローチが固くなってしまうという悩みを持っている選手が多いです。

アプローチやパッティングなど柔らかく打つために、選手達は技術的にいろいろ取り組んでいます。

しかし、固さというのはメンタルと密接に関係しているので、技術だけでは乗り越えられないケースも多いのです。

柔らかく動かそうとするほど、実は動きは粗くなります。粗い動きは固さになります。

なぜ柔らかく動かそうとすると、動きは粗く固くなるのでしょうか。柔らかい動きというのは、特定の部位だけでは生まれません。柔らかく動かそうという気持ちは、先程の手首のように特定の部位を動かそうという意識になります。

部分を動かそうとするほど粗く、動きは固くなります。

一方で柔らかさというのは全体の動きとつながっています。全体とつながるほど動きは繊細になります。

いかに柔らかい動きが生まれる身心の使い方を身につけるかは、禅メンタルトレーニングにおけるテーマの一つです。

以前にお伝えしたエクササイズをやってみましょう。

まず静かに目を閉じてください。そして、深呼吸を数回します。息の出入りに意識を向けながら、頭の存在に気づきましょう。そして、ゆっくりと頭と手首を繋げていきます。

頭で手首を回してみましょう。大きく回すのでは無く、小さく、回っているかいないかくらいの小さな動きで大丈夫です。しばらくそのまま回してみてください。

そして、今度は背中で手首を回してみましょう。
背中の次は股関節で手首を回してみましょう。
足の指で手首を回してみましょう。
最後は、全身で手首を回してみましょう。

このトレーニングをやると、手首を回すという意識では動作が大きいことに気づくはずです。

一方で、他の部位を通して手首にアプローチする動作だと繊細な動きになっていきます。



さらに、大地を加えてみたいと思います。

まずは、立ってやっても、椅子に坐ってもOKです。地面に支えられていることを感じましょう。そして、地面で手首を動かしてみましょう。地面のパワーが足の裏からお腹、背中、頭を通って、手首に伝わっていく感じです。そのパワーで手首を回します。ゆっくりと小さく、動くか動いていないか分からないくらいかすかな感じでOKです。

大地と手首がつながっているのが感じられてきたでしょうか。

では、パターかアプローチウェッジを持ってみましょう。アドレスして、まずは大地を感じます。そして、大地のパワーが足の裏から身体の中に入ってきます。そして、お腹、背中、頭、手首を通って、クラブに伝わっていきます。このとき、クラブを動かす必要はありません。ただ、クラブまでエネルギーが伝わるのを感じましょう。

一度やってみたら、アドレスを外して深呼吸しましょう。そして、またゼロからアドレスしてみます。3回くらいやってみてください。

最初は難しいかもしれませんね。プロゴルファーとこのトレーニングをやっても、大地からなかなかクラブまで伝わらないという選手もいます。あるいは、いきなりクラブが動いてしまう場合もあります。実際にクラブを動かすのに比べて、ものすごく疲れると語ったプロもいました。

上手くいかなくても大丈夫です。焦らずやっていきましょう。このトレーニングをやっていると、まず始動が変わってきます。始動が大きく早く動いていたことに気づくのです。強く大きく早い始動の動きは、雑なのです。雑な動きは固くなります。

内側のエネルギーが通っていない段階で、クラブを動かすと、柔らかさは生まれません。タメというのは、トップで生まれると思いがちですが、実はタメとは始動なのです。繊細な始動ができれば、トップでも自然にタメが生まれるようになります。

ある女子プロゴルファーは、アプローチが課題でした。緊張すると、アプローチが強く入りすぎてしまうのです。

このトレーニングを続ける中で、クラブが柔らかくしなって感じるようになったそうです。その結果、スピンがすごく効くようになりました。アプローチもパターも柔らかいタッチは、地面から生まれるのです。

このエクササイズは他のスポーツでも有効です。野球ではバット、テニスではラケットを持ってやってみてください。

次回も引き続き、大地のメンタルトレーニングについてお伝えします。


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