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大学入試英語、レベル別学習スタート法①(レベル0・1)

お世話になります。ドリームラーナーズの石原です。鳥取県倉吉市で進路指導と学習法指導の塾を運営しています。学習指導は中学生・高校生・大人、英語の指導は小学生から対応しています。LINEなどを活用して、遠隔地でも進路指導・学習指導に対応しています。

今日は、レベル別に分けた「英語の受験勉強スタート」についてお話ししたいと思います。3〜4月のこの時期に現役浪人とわず多い質問が、現状の到達具合に合わせた勉強の始め方です。ある程度勉強してきてる人(たとえ部活がめちゃくちゃ忙しくてもやってる人はこっちだったりする)の場合と、全く勉強してない(ゼロ〜とりあえず定期試験の時だけやってた)人とではスタートの時点でやることが違います。

今日はそうした「レベル別の英語勉強スタート」についてお話しします。

レベル0:中学レベルからやり直す必要がある場合

いろいろカテゴリを分けていますが、優先順位が高い順に載せてあるので、読んでいって欲しいです。以下、見やすいように文体を変えています。

たとえ高3生でも、高2の終わりの進研模試で英語の偏差値が45いかない人はここらへんからやり直した方が良いと思います。英検を到達度目安に使っていますので、理解度によって始めるところを細かく書いています。ゼロからと言ってもかなり差があると思いますし、それぞれのレベルに合わせてはじめてください。

<英単語・英熟語>

英単語をほとんど覚えていない人は、例文で覚える中学英単語・英熟語で英単語と英熟語を覚えていく。CDを聴いて(できれば、アプリに取り込んで2倍速から3倍速で聴けるように練習して欲しい)、自分で音読(最初はとりあえずマネてみるぐらいで大丈夫)できるまで覚え込む。ウェブサイトに無料のテストプリントが配布されているので、10例文ずつ覚えてテスト、と素早くテストして覚えていく。

音読の必要性についてはこちらの記事も参考に。

<英文法・英文解釈>

This is That is...などから意味がわからないほど、本当に英語が頭に入っていないなら下記でも紹介している英検の5級・4級の「ひとつひとつわかりやすく」で、頻出の文構造だけでも覚えてほしい。この段階ではルールを把握することよりも、まず英語がどんな形で出てくるのかという具体的な実例がないと、英語の印象がいつまでも深まらないからだ。

ここまでではない場合、英文法を読解と合わせて復習してほしいので、「くもんの中学英文読解」を進める。英文法問題を解くための細かい話はあとから入れるので、とにかく読むときに気にすることを頭に入れていって欲しい。

この教材を進めていて、もし文法の理解に不足があり、読み進めるのが困難な場合には、無理せずに英検5・4級の教材を使った英検対策と、単語熟語の例文暗記だけをまず徹底してほしい。

この段階で本格的な大学入試の英文読解の本をやってしまうのはダメ。英文法の用語がある程度頭に入った状態を作るまでは、このレベルを徹底すること。

<長文>

長文読解の総合問題は「くもんの中学英文読解」に載っているレベルで問題ないので、英検対策以外の特別な問題集をやる必要はない。合わせて英検5−3級(3級が大丈夫そうなら3級からいきなり受けて大丈夫)を受けていくことを計画してほしい。

それぞれ「ひとつひとつわかりやすく」のドリルが存在するのでそのドリルと過去問中心で進める。このドリルで、級ごとに最低限覚えておいてほしい文法も提示されているのと、頻出単語が抑えられるので、単語や文法の確認としても使える。

<英作文>

英検3級のレベルでまず練習。理由づけもまだ「気持ち」レベルで十分なので、論理展開にも困らない。

<到達度評価>

英検3級が突破できるまでは、これらの教材から離れずに取り組む。足りなくなってきたら、他の英検の問題集を使うとよい。

<次のステップ>

レベル0からスタートした場合、ここがクリアできたらレベル1に進むのがよい。このレベルだけでは大学入試の突破は苦しいが、これ以降は英文法などが高校入門レベルに入れるので、志望校対策を兼ねて、各予備校の基礎レベルの入試対策講座(短大や看護専門学校向けの講座など)に移っても構わない。

レベル1:高校入門レベル(偏差値50程度の私大や共通テストのみの地方国公立が目標)

ここに自分が該当するかって、よくわからないと思うのですが、ベネッセの全国偏差値が入試で使う科目の合計で、高2の終わり時点で65行ってない人のほとんどは該当するのでは?と思います。一生懸命頑張っても、定期試験が平均点止まりの人とかもここからの可能性大です(ただし超進学校は除く)。

<英単語>

中学レベル〜高校基礎レベルの英単語帳を用意する。システム英単語basicやstock3000がオススメ。こちらも単語量を増やすためのものなので、積極的にテストを行う。このレベルから始めた場合、共通テストレベルであればまずこのレベル範囲の英単語帳を完璧にすることが必要なので、かじりついて単語数を増やすこと。ある程度単語自体を覚えてから、CDも活用して耳からも覚えていくこと。

<英文法>

英文法入門10題ドリル→英文法基礎10題ドリル、それぞれこなれてくるまで周回し、これ以上のレベルの解釈で必須である「文法用語の理解と暗記」「カタマリで意味を把握する」ことに習熟してほしい。また、独学の場合で質問対応が不可能な場合には、必要に応じてForestやVisionQuestといった総合英語系の参考書を用意した方がよい。

国公立志望者の場合、共通テストの問題対策が目標のため、文法知識自体の網羅度は英文法ポラリスのレベル1で十分。なるべく、ここに時間を割かずに、読解のための英文解釈や英作文に時間を割くようにしてほしい。

目標とする大学が偏差値50程度までの私大の場合には、10題ドリルに加えて、英文法ポラリスレベル1、頻出問題ポラリスレベル1の繰り返しと過去問演習で十分である。偏差値が上がると選抜性が高まり、人が答えられない差がつく問題も答えられるようにしなくてはいけないが、このレベルなら、誰もが答えられる(はずの)レベルの問題を完璧にすることが必須だ。

<英文解釈>

英文解釈については、英文法入門・基礎10題ドリルを繰り返して、英文法の用語やそれぞれの項目の話がある程度わかるようになってから取り組むことをオススメする。最初の1冊は、1文読解タイプの講義型or和訳型の参考書を、2冊目にパラグラフリーディングなどのマクロな読み方を解説する参考書を進め、論理的読解のミクロとマクロの視点を養うことを目標としたい。以下参考書の一例を挙げるが、目的とレベルが合っていれば、自分で選んでも構わない。

一文読解タイプの講義型

一文読解タイプの和訳型

マクロな読み方

<英語長文>

英語長文については、英検準2級〜2級のリーディングの教材を中心に使い、英検対策を単語や文法・解釈の学習と同時並行で行なってほしい。英検2級に合格するまでは以上の教材を使い続けるのがよいだろう。それ以外の入試対策長文問題集を使いたい場合、英文解釈の訓練のために、読解の問題集もなるべく構文解説型と論理構造説明型とを交互に行うのがよい。

構文解説型(多くの問題集がこちらのタイプ)

論理構造説明型(日栄社のこのシリーズぐらいしか見当たらない)

<リスニング>

リスニングについても、このレベルからは英検2級対策としてかなり意識して取り組んでほしい。音読も取り入れて、聞き、話すことに慣れてほしい。文法や解釈が進んでくれば、意味は取れるようになるため、あとは瞬時にそれが把握できるように、言語野を働かせていく練習をしていくだけである。

<英作文>

このレベルですぐに英作文に入る必要があることは多くないだろう。英検2級レベルの自由英作文ならば、英検対策の教材である程度は対応できてしまうので、ひとまずはそれで十分である。

<到達度評価>

英検2級がクリアでき、かつ目標レベルがこの段階と同一ならば、志望校の問題で8割以上が取れるようになるまでは、以上の教材と英検の問題集にしつこく取り組むのが良い。このレベルでの多読多聴に慣れよう。

<次のステップ>

ここまでが完璧になれば、レベル2で紹介している教材の中の基礎レベルまで到達しているので、レベル1では紹介していない最終段階の問題集・参考書を足してもらえれば良い。

ここまでで入試突破に必要な「方法論」はほとんど揃っているここからは、英語長文読解・英作文・文法語法を順々に本番レベルまで上げて、目標まで到達するだけなのだ。

本日は以上です。

レベル2(高校標準レベル)、レベル3(最終仕上げレベル)は後日書きます。2つに分けるかもしれません。

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