店舗における買い物袋有料化ってどんな効果が期待されるのか?(その1)

先日、アパレルショップのH&Mに買い物に行った時のこと。

レジで商品購入時に店員の方からこう言われた。
「手提げ用の紙製バッグ、1つ20円ですが、どうされますか?」

私は把握していなかったのだが、H&Mの国内店舗では、
2018年12月より紙製バッグへの切り替え・有料化を開始していた。

日本国内の全88店で、12月5日に紙製バッグへの切り替え・有料化を開始する。アクセサリー包装用の最小サイズの紙袋は無料だが、それ以外のサイズは一律20円。そこから生産コストを除いた余剰金を、NGO団体のWWFジャパンに寄付する。WWFジャパンは、日本周辺の海洋プラスチックごみ汚染に対する取り組みに寄付金を充てるという。

これは、近年世界的に問題となっているプラスチックごみ削減に関する取組の一環で、H&M以外にも、ユニクロでは2019年9月より紙製バッグへの切り替えを検討していたり、環境省ではレジ袋の有料化に関する法整備を進めようとしている。

レジで店員の方から、紙袋の要否を尋ねられた時、私はいくつかのことを思った。

①紙製バッグ1つ20円で、採算が取れているのか?
 そもそも、単価はどの程度なのか?

一般的な紙製バッグの価格相場を専門店で調べると、紙袋のサイズや色等にも依存するが、200-300枚単位で小さいサイズだと2,000円程度、大きいサイズだと5,000円程度である。

つまり、小さいサイズだと単価は6-10円程度大きいサイズだと単価16-25円程度と想定される。

H&Mの場合、サイズに関わらず紙製バッグ1つにつき一律20円であるため、小さいサイズだと、1つにつき10-14円程度の儲け分、大きいサイズだとトントンくらいと考えられる。
(実際には、ボリュームディスカウント等によって、もう少し単価は下がっていると推測されるが。。。)

ちなみに、今年の9月から紙製バッグを始めるユニクロは、1枚あたり税抜き10円とすると報道されているが、この試算を踏まえると、ほぼトントン、サイズ次第では赤字もありうるのではと考えられる。
(あくまでかなり簡易的な試算であり、さすがに赤字にならない価格として10円に設定されていると思われるが。。。)

残り2つの思ったことに関しては、また別の記事で整理しようと思います。

②紙製バッグは有料化以外にも期待される効果があるのでは?
(例えば、紙製バッグには企業のロゴが印刷されているが、それによる広告効果はどの程度期待できるのか?)

③レジ袋無を申告した場合、数円割引する小売店舗もあるが、
 紙製バッグ有料化とどちらが店舗として得なのか?


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