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3.11から復興の足跡を目に焼き付けて


南三陸ホテル観洋

南三陸町、その名前を聞けば東北全体が被災した9年前のあの日の災害を思い起こす方は多いでしょう。
テレビの映像では、アナウンサーが声を枯らし何度も避難を呼びかけ、
現地の防災対策庁舎からは、命を賭して防災無線で最後まで呼びかけた職員の方々。
みるみるうちに街が津波に飲み込まれていく恐怖と命に馳せる思い。。。
いろいろがないまぜになって、今でもそこに居合わせていなくても思い出す辛い出来事。。。

昨年夏も東北の太平洋側を辿る旅に出かけ、その時も海沿いの道はまだまだ通行止めな所もあって、道半ばという印象で、ほんとうに元通りの生活に戻ることができるのだろうかと危惧したものです。

そして今年もまた宮城県を訪れました。
蔵王のキャンプ場で1泊し、2泊目はここ南三陸と決めていました。

堤防の内側には南三陸町復興祈念公園の整備も着々と進んでいます。
昨年でこぼこだった道路はほとんど舗装されています。

空はどこまでも青く、海もまた青い。
更地にも少しづつ人の手が入っていく。
そして、海で働く船が筏が、朝日に輝いていつかの日に戻っていく。

そんな中にある南三陸ホテル観洋
震災当時の写真で、右上の断崖に立つホテルがその場所です。


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海岸の段階絶壁に立つこのホテル、ロビーまでみるみる海水に漬かりながらも、震災当時館内にいた宿泊客と避難者350名を高台の駐車場に誘導、
その後、6か月間に亘り住民ら600名を受け入れます。
言うは易しですが、限られた食材の中で多くの被災者の1週間分の献立を考え、1週間後に宿泊のお客様を無事お送りし、更に住民の受け入れを続けます。
避難所の役目を終えた翌日よりは仮設住宅へ無料巡回バスを運行し、ご高齢者には無料入浴も行います。

どれほどのご苦労と心労だったかと思いますが、
従業員一丸となってのこれはおもてなし以上の助け合いとねぎらいと心意気を感じずにはいられません。

今も当時の記憶が風化しないように、ロビーには当時の記録写真が展示してありました。

1.アクセス

いろいろとルートはあるのですが、まず驚くことは仙台から2h、ホテルまでの無料のシャトルバスを運行していることです。

もうこれは、仙台のおひざ元、仙台のリゾート地という感じです。
我家は車で行っていますが、仙台から松島をぬけ、一山通りこして南三陸へと向かうルートは旅情を味わう意味でもとってもいいです。

2.部屋

まず玄関で荷物を降ろし、第3駐車場まで車を走らせます。大した距離ではないですが、駐車場からはホテルのシャトルバスで玄関まで戻ります。

コロナ禍にも拘わらず、お盆の最後ということもあってホテルは満員のようです。入口で検温とすでに常識化しているマスク着用です。
相方が駐車場に向かっている間に受付ですが、ソーシャルディスタンスを保ちながら受付では4人のスタッフでお客様をさばきますが、20分位掛かりました。

ホテルは南館と東館に分かれていて、どちらもオーシャンビューの大展望のお部屋です。私達は東館5階に宿泊。

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頻繁にカモメやウミネコがやってきて本当に飽きないんです。
えびせんとか売店で売っていたのかな?あったら買っておけばよかったな。

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洗面所は広くアメニティも充実しています。トイレもまあまあです。

3.温泉

期待してました!
海を眼前に控えた露天風呂と大浴場が男女ともにセットになっていて、
まず脱衣所がとても広く、まあ大きなホテルなので、もしかしてイモ洗い状態ではと危惧しますが、いざ大浴場に入ると、そこは広くゆったりとしていて、女性用に関しては露天風呂が3か所に分かれているので、一つ一つのお風呂には、人がわんさかということはなくて、せいぜい2~3人というゆとりです。

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そして露天風呂は全くインフィニティで水平線と一続きとなって、その雄大さは、ちょっと言葉に表せない程。
潮風に吹かれながら、ときに牙をむくことが信じられないほど穏やかで波静かな海岸。

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泉質は、ナトリウム・カルシウム塩化物泉で地下2000mの掘削だそうだ。
とてもなめらかで、暖まり系の温泉です。

4.夕食

楽天の口コミでは、出し置きだとか、鮮度がとかまあいろいろな書き込みはありましたが、大規模ホテルでは、その所に関しては仕方ないのかなと思います。なるべく価格を抑えて、多くの方に利用してもらう訳で、私はきれいに盛り付けしてあることが、バイキングと違ってうれしいなって感じてしまう。

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品数も多く、海辺でしか堪能できないだろう殻付きのウニやフカヒレ、新鮮なお刺身、肉厚なアワビなど、私はこれ以上は贅沢と思ってしまう訳で。

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日本酒が宮城の銘酒、一ノ蔵の特別純米だったかな。こっくりとした味わいが海の幸にはよく合って美味しくいただきました。

5.朝食

バイキングと聞いていたので、大きなホテルだし、コロナの折大丈夫なのかなと危惧しましたが、お料理を取りに行くときは、マスクとビニール手袋着用で徹底されていました。

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これは相方の和食、私は洋食にしてみました。
ねっとりとしたヨーグルトが美味しかったのですが、どちらのか失念。
コーヒーメーカーも豆から引くもので、種類もいろいろ選べて美味しかった。朝からお刺身もあったけれど、さすがにもういいかなと取りませんでした。相方は宮城県人なので、さっそくホヤも取っていた。
久しぶりに食べたでしょう。

6.まとめ

南三陸にあって、お客さんが一杯入っていて、頑張っている姿を見られただけでも、本当に胸熱だし、よかったなと思う。
基本的には大きなホテルは好きではないけれど、そこが地域のけん引になって、それに付随する産業が成り立っていくなら、どんな観光施設だろうと応援しようと思うし、後押ししたい。

地震、台風、コロナ、なんでこんなに次々に試練がやってくるのだろうと、
悔しさもあるけれど、それを乗り越えていく精神力としたたかさも私は好きだ。
現在進行形のコロナ禍でも、何らかの突破口はあるはずだし、それをみつけてほしい。

自粛か経済優先かという議論もあると思う。
どちらに偏っても弊害はそれぞれにある。それならば、猛威の時、厄災が広がって行くときは自粛の方向に、一段落の時期が来たら経済に。
そんなシーソーを繰り返していくしか道はないのではと考える。
どちらに偏っても、どちらにも地獄はある。要は付き合い方なのではと考える。

*部屋:★★★★★ 清潔で展望抜群です
*温泉:★★★★  露天オブナンバー1です
*食事:★★★★  種類が豊富でボリュームもあります
*接客:★★★★  お盆の混雑でしたが、てきぱきとしていて感じがよかったです

*浴室の写真は一部HPからお借りしました

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