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隠し湯に行こう~

川浦温泉、山県館

隠し湯といえば、筆頭に挙げられるのが”信玄の隠し湯”ですね。

信玄の隠し湯は山梨県を始め、長野県、岐阜県、静岡県などにそれぞれ有名所の温泉が名を連ねている。

こちらの旅館は信玄の四天王の一人とも呼ばれ、『武田に山縣あり』と周辺諸国から恐れられていた、武田二十四将の一人山縣三郎右兵衛尉昌景が祖先になる。(旅館HPより)

当然歴史は戦国時代に遡り、戦で傷を負った武将たちが、その傷を癒すため、また疲れを癒すためのテルマエ。。。いやあ、歴史ロマンですね。

安政3年(1856年)には、湯宿として13代当主山縣信徳が創業したそうで、いよいよ武士のものから庶民へと湯治文化が移っていったかと思うと感慨深い。

そんな歴史のある山県館に宿泊した。

山県館のある界隈は、武田信玄ゆかりの恵林寺や武田神社、春には盆地一面に桃の花がピンクのジュータンを敷き詰め、秋にはブドウ狩りやワイン祭りと季節を変えてお楽しみが勢ぞろいです。

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R140を登って行くと有名な西沢渓谷があるが、実は川浦温泉の界隈にも釜無川の清水渓谷というつつましやかな渓谷があって、一之釜という落差21mの滝を落としている。車で釜無川の右岸(R140の対岸の集落です)までアクセスして駐車場から川底まで階段を下って行く。

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1.アクセス

中央高速の一宮御坂ICを降りて、甲府盆地を堪能してお宿へ
電車ならJR塩山駅から送迎バスまたはタクシー、季節限定の西沢渓谷行のバスがある。

2.部屋

フロントのソファで手続きをしてお部屋に案内される。
私達はごく普通の広縁のある10畳間でした。露天風呂つきの部屋とか広めな部屋もあるようだが、宿の写真で見る限りどちらもいたってシンプルなお部屋です。多分全部屋禁煙で所々(屋外w)に喫煙場所があるようだ。
部屋が選べないときに喫煙部屋が当たってしまうと地獄ですが、その心配がないので安心です。

備え付けの鏡と半分サイズの床の間、広縁にはコンパクトな椅子とテーブル、備え付けの冷蔵庫は自分でコンセントと中のスイッチを入れます。
はい、中のスイッチ入れ忘れましたw

掛け軸がカワセミのようで、鳥好きなのでテンション上がる。
渓谷にある宿らしいしつらえですね。
洗面所と風呂がありますがどちらも狭い、トイレもやや狭いかな。
部屋にも高速のフリーwifiがあるのはうれしいですが、仲居さんは知らなかったみたいで宿の案内を見てわかりました。
部屋からの展望は2階ですが少し渓谷が望めた。

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3.風呂

やはり、自慢のお風呂ですからテンション上がります。
”信玄公岩風呂”(トップ写真)は16時までが男性時間、16時~18時半までが女性時間で、以後22時までが混浴になるようだ。時間が短いので、相方は急いで岩風呂に向かう。
45mだったかな、専用のエレベーターと階段で川底近くまで下って行く。
その前に21時に男女交代制の”薬師の湯”と”せせらぎの湯”で体を洗ってからです。岩風呂は露天で浸かるだけです。

”信玄公岩風呂”は3つに分かれていて、手前の川側が一番熱くて、次が階段側、ぬるめが奥の川側です。

雪の降った後なので山々が雪景色になってそこに夕日が沈んで、
(女性時間)すてきなご褒美をもらったようです。

大浴場の”薬師の湯”と”せせらぎの湯”も”信玄公岩風呂”同様、加温加水なし、
毎分1,250リットルの湧出量を誇る100%源泉掛流しの新鮮なお湯で、
洗い場の方に静かに流れていくお湯が被膜のようです。

湯温は41.2℃は、冬場だと熱めのお湯が好きな人にはちょっとものたりないかもですが、私には丁度いい湯温で、長くじっくりと湯に浸かれる。
PH9.5のアルカリ性単純温泉で、お湯は適度になめらかで暖まる。

大風呂にもそれぞれ屋根付きの露天風呂が併設されている。
薬師の湯の方はやや深めの露天風呂が二つ、鯉の池には間違って入らないでねw
せせらぎの湯の方は、寝湯できるようになっていて、頭を浴槽の縁の木に預けた時に、体がふわっと浮いてとてもいい気分!

アメニティもお茶の香りのシャンプーとリンスとボディソープ、男女別の化粧品とヘアミストあり。

日曜日に泊まったので、休日前よりリーズナブルなのはもちろんなのですが、何と言っても宿泊客が少ないので、時々にはお風呂を独占できる時間があって、なんと贅沢なのだろうと感じる。

4.夕食

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季節の食材を使って手作り感もあり、味付けも程よい。

まず食前酒は甲州ワインと前菜、あん肝豆腐が濃厚で橙酢のジュレとよく合っていて日本酒が進む。河豚の煮凝りもいい、もっと食べた~いw

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お造りはマグロとカンパチです。中々濃厚でおいしいお造りです。
刺身のツマに菊と紅たでが添えられていて、私は絶対おしょう油の小皿に入れる派ですが、相方は嫌がります。おいしくなるのになあ。

日本酒はオリジナルラベルになっていますが、笹一の生酒だった。きりっと辛口で料理に合う。

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焼き物はヤマメの岩塩焼きで、添えられている柚子がほのかに味付けされていて、これが焼き魚の箸休めにとても合う。
こういう細かな添え物に神経を使っているお料理が、結局は料理全体をレベルアップさせて、満足度も上げていると感じる。
ヤマメは頭からバリバリ食べられる絶妙の焼き加減でした。

煮物は里芋饅頭で、蟹のあん掛けが季節でおいしかった。

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揚げ物は、とろろ茶巾、蟹、シシトウで柚子塩で頂く。
柚子の香りがほんのりとして、やはり細かな配慮が感じられる。
いい板長さんがいらっしゃいますね。
ここで酒が足りないw 熱燗を追加です。

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ここらで、和牛ときのこの朴葉味噌の焼き物が出来上がってくる。
いいタイミングで、こちらをおかずにご飯を頂きました。
こちらが味噌味なのだからか、お椀が味噌汁じゃなくお吸い物というのも気が利いている。

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すべてがいいタイミングでサービスされて心地よかったです。

5.朝食

すごく疑問なのですが、夕食時と違って低くて狭いテーブルに配膳されている。狭い所に急須や部屋のプレートが置いてあるので、いっぱいいっぱいで食べにくい。
相方は膝が悪いので、ちょっとしんどそうだ。
お客様への配慮でなく、宿の都合ならば改善した方がいいと思うのですが、どうなんだろう?

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始めにゆかりの乗ったおかゆが盛られてきて、朝にはいいですね。
白いご飯もおかゆもおかわりできる。
他の宿でもよくありますが、あの固形燃料で味噌汁を鍋で温めるサービス
レンゲではよそいにくいし、食べにくいし、それに熱すぎます。
私はお椀で盛ってきてもらった方がはるかに食べやすいしいいのだけど、時代の流れなのかしらん?
流行に乗った方がいい場合と、今までのやり方の方がいい場合もありますから、ちょっと他の宿の方も考えてほしいかな。

6.まとめ

旅館の真価を問う時、サービスや食事、風呂の良しあしと価格に見合っているかということは大切なことで、価格以上のことは望まないし、それが旅館やホテルでその時間の中で過ごすうえで、意外と忘れてはいけないことだと思う。
そういったことを前提にして、お風呂のくつろぎやすさ、料理へのこまかな心遣い、接客のやさしさがあふれている宿だと思う。
リニューアルを繰り返しているだろう部屋にもいろいろと配慮も感じる。

そして、歴史ということは、今言った前提がなかったとしても、泊る私たちにとっても宿にしても大きな財産だし、歴史のある旅館に泊まったということも満足を得られる高ポイントなのだなあとも感じる。

ひとつ苦言を呈するとすれば、フロントをもう少し整理整頓すればいいのにとは思う。フロントはお客様が過ごすところではないですが宿の主人の場所で、そこが乱雑ということは、その宿の主人の人となりにも表れてしまうのではないでしょうか。
他がすべて清潔で気持ちよかっただけに、残念でなりません。

部屋:★★★★  清潔で展望もあるのでよかった
風呂:★★★★★ 泉質もいいし掛流しだし、広いし文句なし
食事:★★★★★ 細かな配慮があっておいしかった
接客:★★★★  みなさん、笑顔がすてきです。フリーwifiについては仲         居さんに周知しておいた方がいいです。

*風呂の写真のみHPからお借りしました。




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