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温泉通なら知らない人はいないという源泉ドバドバ温泉に行ってみた

石和温泉 旅館 深雪温泉

正真正銘の源泉掛流し温泉なのである。
正真正銘というのもおかしな表現だが、世の中には源泉掛流しでも加水してあったり、殺菌消毒剤が入っていたり、循環であったり、また湧出量が少なく源泉掛流しではかえって不安。。。とか
ともかくも源泉掛流しであってもその定義はおぼろげで、
あんまりそこつっこむなや。。。的な温泉も多い訳で。。。
なので、そこんとここだわる人はとことん追求していいし、
別にお風呂入っておいしいもの食べてのんびりできればいい人は、そんなにうるさく言わなくてもいい訳で、私もそのあたりはケースバイケースなのでして。
ただ、そういう基本的なことを知っていれば、コスパや効能を考えるうえでは大いに参考になる訳で、まあ、賢い消費者になっておいた方が損はないと思うわけです。


昭和36年1月、ぶどう畑の中から温泉が湧出した事で石和の温泉郷としての歴史が始まる、と言われるように温泉の歴史は比較的新しい。
それでも全盛期に比べると宿泊施設は大分減ってしまい、ホテル形式の施設が多く、それらも年月が経過して若干寂れた感じも否めない。

そんな中にあって自噴源泉を持つ深雪温泉はこじんまりとした旅館といえるでしょう。

1.アクセス

JR中央線の石和温泉駅より徒歩10分/中央自動車道一宮御坂ICより10分という街中に位置しています。
R411より北小通りに入り、宿を通りこした先が広い駐車場になります。
先に駐車してから宿の玄関に向かいます。
首都圏からのアクセスでは、箱根、伊豆、湯河原、熱海くらいなちょっとした小旅行といった趣で、また登山帰りに宿泊という向きにも丁度いい距離感です。

2.部屋

受付を済ませ2階の部屋をお願いしていたので、そちらに案内されます。
3階建てのそっけない建物はいかにも昭和という感じで、エレベーターはありません。
10畳間の部屋ですが、奥に用途不明の板の間があり、障子を開けると丁度玄関の真上で、障子を開けるのはちょっとためらわれます。
楽天トラベルのお部屋の写真では広縁に椅子とテーブルがしつらえてあったので、てっきりそういうお部屋と思っていたので、ちょっと窮屈感と閉塞感はいなめません。
トイレはまあまあの広さで、洗面所にはドライヤーがあり、
冷蔵庫には飲み物がぎっしり詰まっていて、抜くと自動的に料金が加算されるシステムみたいです。

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3.温泉

期待の温泉です。
自噴温泉を2本持ち、その湧出量は合計毎分1415L。
この湧出量は、山梨県企業局が石和温泉の各旅館に供給している6本の源泉の湧出量にほぼ匹敵するという。
自噴ですからポンプアップもなくただひたすら湧き続ける。。。
もちろん、加温、加水、滅菌を一切していない完全な源泉掛流しです。
2本の源泉は”熟の湯”(源泉温度36度)と”完の湯”(源泉温度50.8度)があり
泉質はアルカリ単純泉、微かに硫黄臭も感じ、お湯も全くの透明ではなく、カリウム・ナトリウム・カルシウム等の陽イオンが若干含有しているようです。湯口からのお湯は飲泉もできて胃腸にいいそうですよ。
少しだけ酸っぱいような硫黄を感じるお湯です。
女性用は初め”桃の湯”男性用は”柿の湯”になり、夜19:00~19:30にいれ代わりになります。

”桃の湯”は、内湯は2つの源泉それぞれの湯口があるのかな、温度は確認していません。

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露天風呂は熟の湯と完の湯のミックスしたお湯が湯口から出てきます。
柿の湯の露天風呂に比べると狭く半分ほどの広さですが、こじんまりとしていて、意外と落ち着きます。ほぼ満室だったと思いますが、一人になった時間もあり、のぼせたら石畳で涼んだりしました。

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19時を過ぎると女性は”柿の湯”になります。
内湯は熟の湯と完の湯の2つの湯口からお湯が出ています。
桃の湯よりは少しだけ広そうです。湯船から露天風呂に行けます。

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露天風呂はこちらはとても広く、これが全部源泉掛流しとは、すごく贅沢です。奥は熱い完の湯、手前はぬるめの熟の湯で、それぞれの温度の違いを場所によって感じることができて、ついつい長湯してしまいます。

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4.夕食

夕食は部屋食です。
先付け:サヨリの昆布〆、えびとホタテの白和え、ワラビのサラダ
お造り:マグロ、イサキ、炙りイカ
ワラビの歯ごたえがたまりません。
飲み物のセレクトは、日本酒、ワイン共に豊富で、日本酒は七賢、笹一を筆頭に山梨の地酒を1合、4合、300mlと銘柄サイズ共に選べ、
ワインは山梨の地ワインがグラス、カラフェ、ハーフ、フルボトルとやはりサイズを選べます。
初めに七賢の純米吟醸の1合を頼むと、氷入りの桶に入ってきました。

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焼き物は太刀魚を柏の葉の上で焼いたもの
蒸し物はタジン鍋に温泉で蒸した甘鯛、レンコン、ブロッコリーと石川芋

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肉料理は甲州牛の陶板焼きを岩塩をすってレモンでいただきます。牛肉はレベルの高いもので岩塩とよく合います。肉の旨味がじゅわっとします。

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揚げ物はキスと新じゃがのフライ
温物はあじさいをかたどった蒸し物で中身は失念。。。
ここで笹一の生貯300ml追加、日本酒が進む進むw

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ここまででかなり苦しいですが、〆は山椒の釜飯と赤だし、香の物です。
ご飯がおいしい。

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デザートは桃ゼリーと桃のコンポートで、お腹いっぱいです。
どれも心づくしでボリューミーでした。

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5.朝食

朝食は2階の食事処で頂きます。
あんなに昨晩食べたのにまたまたこのボリュームです。
朝食は納豆が数種類あって選べます。
ワカメ入り、ヒジキ入り、大粒、小粒などがあり、ワカメ入りをいただきましたが結構いけます。
なんでも近くのせんだい屋さんという納豆のお店のオリジナルだそうで、
東京にも支店を出しているようです。
温泉豆腐も美味しく、ご飯は白飯と五穀米を選べます。
私は五穀米を相方は白飯でした。

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6.まとめ

温泉よし食事よしで申し分ないのに、なぜだろう何かがひっかかる。

温泉については、日本のトップクラスの様で、なんでもここの温泉を基準にマニアは良い悪いの温泉判断をする位なのだという。
フロントも感じがよかった。
1つ難をあげれば、部屋にあまりにも遊びとゆとりのないことだろうか。
障子を開ければ、そこはすぐに現実の世界が広がり、勢い障子を開けることはしなかった。
R411が近いことも、夜通し車の音が気になってしかたなかった。

広縁に簡単な椅子とテーブルのある部屋もあったようなので、そちらだったらもっとイメージも違っていたと思う。
広縁のようなゆとりの空間がないと、布団を敷いてもらう時、本当に居場所がなくて、謎の板の間で立ったまま、所在なげに待っていなければならない。少しの時間だからいいようなものだけど、お金を払って宿泊している以上、そこはちょっといただけない。

今回の部屋は2階だったのだけれど、食事所を通らないと部屋に行けず、
スタッフさんの話声や慌ただしさなどが、通りがかればつぶさに聞こえてしまい、
もちろん、お風呂帰りなど「おかえりなさい」と気持ちよく声を掛けてもらうのだけれど、内輪の話を聞きたくないことだってある。
私はそんな立ち話をするなと言っているのではなく、せめて、スタッフさんがいることのできる部屋があればいいのにと思う訳で。。。

だからなんというか、わちゃわちゃとした空気感がどうしても伝わってきてしまう訳なのです。

料金は日曜宿泊で二人で¥36000、コロナ後の笛吹市のクーポン¥8000があったので、使わせて頂きました。
同レベルの旅館からみてもお高いなという印象です。
食事の質をちょっと下げてお安くした方が、この旅館の雰囲気には合うと思う。

まあ、そういったもろもろを差し引いても、やはりトップレベルな源泉掛流し温泉ではあるわけで、一度は泊まってみたい温泉であることは紛れもない事実です。

*部屋:★★★   清潔ですがゆとりがほしい
*温泉:★★★★★ これ以上望んだらバチが当たります
*食事:★★★★★ 素材は吟味されておりボリュームもあります
*接客:★★★   ポジションごとにはみな感じがよく気持ちもいいです

*宿の写真は一部HPからお借りしました

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