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照覧あれ、稲妻大明神

 「馬ぁ鹿めぇ、ミ=ゴの科学技術供与と吾輩の三段装甲理論で完成されたこのボディに、拳銃玉で傷一つ付けられればお慰みよ。ドリルそしてアーム!ビームもあるぞ。東洋猿とヤンキーよ、素晴らしき科学力で死ねる光栄に感涙せよ!」

 「その金魚鉢割ってやるから往生しろよ」

 BLAMBLAMBLAMと男の両手のリボルバーが火を噴くが、弾はカンカン音を立てるばかり。

 「愚かぁ者が!守護の術も無しに頸部切断直接接続できるか!この頭部のガラスはだなぁ、」BLAM!

 「テメェなら万一ってことがありそうだからな。おい旦那、KATANAは直ったか」

 「最低限研げたわい。どれ、攘夷といくか」

 一人の朽ちかけた老人が殺人ロボットの前に立ちはだかる。手には血錆びた日本刀。上段の構え。身に纏うは色褪せた羽織。彼は最後の維新志士、野老山末次。齢80を過ぎたその身体のどこに力が残っていたのか、猿叫と共に、殺人ロボットへとーー走る!


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