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Une Semaine à Zazie Films 週刊ザジ通信【1月11日㈬~1月17日㈫】

先週予告したゴールデンウィークに配給する新作なのですが、ウェブの情報解禁がちょっとズレて今週末となってしまいました。新ネタをアップ出来ると思ってたのに残念!プレス向けの試写状は発送済みなので、受け取った方がチラリホラリとSNSでつぶやいたり下さったりしていますが、全貌が明らかになるのも、もう間もなく。邦題、ビジュアル、どんな反応を頂けるのかドキドキですが、楽しみです!

新作の情報の代りと言ってはなんですが、東京近郊にお住まいの方に朗報です。渋谷シアター・イメージフォーラムで開催中の“ピエール・エテックス レトロスペクティブ”ですが、当初4週間の限定上映の予定でしたが、好評を受けて2週間の期間延長が決まりました。上映回数も1日4回のままで、回替わりで、2月3日まで連日全作品を上映します。「『ヨーヨー』は観たけど、他の作品は観る時間が取れないな~」と諦めていらっしゃった方、コンプリートのチャンスです。また、気にはなっていたもののエテックス未体験で、年末年始何かと忙しくて予定を組めなかった方もこの機会にぜひ劇場のスクリーンでご覧頂けたら、と思います。福岡 KBCシネマでも好評上映中!今週末1月20日からは仙台 チネ・ラヴィータでも上映が始まります。お近くにお住まいの皆様、どうぞご来場ください!

先週から今週にかけては、新年会を兼ねた感じの会食がポツリポツリと入っていました。第八波がなかなかピークアウトしてくれず、大人数で集まるのがいまだに憚られるのでサシで。土曜は、年末年始帰国中だったパリ在住の映画ジャーナリストの方と、昨夜は元某映画祭のプログラミング・ディレクターだった方と。お2人とも久しぶりにお会いするので話も溜まっていて(お隣の席の方が、同じ映画関係の人だったら大変!というような業界話を含む…。笑)、2時間、3時間がアッと言う間に過ぎて行くのでした。来月もベルリンでお会い出来そうですが、皆さんお忙しいので(私はいつでもオッケーなんですが)、現地で飲んだりするのは難しいだろうなぁ。

気がつけば、そのベルリン国際映画祭もヒタヒタと近づいています。私も3年ぶりに参加することを決め準備を始めています。先ずは、マーケットに参加する各国の権利元、セールス会社の担当者とのミーティングのアポイント取り作業。久しぶりに会う人が大多数なので、前半戦は30分毎のミーティングを朝から夕方までビッチリ入れる予定で、後半は映画祭の各部門に出品されている映画の試写をするつもりです。

ザジ33年半の歴史の中で、ベルリン国際映画祭を毎年の出張のルーティーンに組み込んだのは割と最近(と言っても15年以上前。笑)。映画祭と同時開催のマーケット(European Films Market、通称EFM)が整備され本格的に稼働し始めたのが2000年代初頭なので、その頃からです。カンヌと比べると、ホテル代もリーズナブルで、ベルリンの街の物価も、カンヌや、パリ、ロンドンといったヨーロッパの都市と比べて安く、出張し易い映画祭と言えるので、配給宣伝チームからも1名同行してもらっている時期もありました。コロナ前からすでに経費削減で、ここ数年は連れて行けていないので、頑張ってヒット作を出して予算を捻出し、近い将来、再び宣伝チームにも、映画祭を自分の目で見てもらいたいと思ってます。

が、ここのところの燃料費等の高騰もあって、ベルリンも急激に物価高になっている、という話を耳にしています。ベルリンに友人のいる同業の方が、その友人から、「カフェでお茶して、お勘定をしてもらう際に金額を見てビックリ!何かの間違いじゃないかと、店員さんに言ったら“我々も申し訳ないと思っているのだけど、このくらい値段を上げないとやっていけないので理解して欲しい”と言われた」とメールをもらったそうです。ガクブルなホントのお話。来月行って、その辺りもレポートしますね。

第49回ベルリン国際映画祭 パノラマ部門 観客賞受賞作『ナショナル7』公開時ビジュアル

ロッテルダムやロカルノほどではありませんが、カンヌに比べると日本の興行に乗せにくい作品が多めな印象のベルリンですが、ザジとは意外と相性が悪くありません。特にパノラマ部門。最近では2021年公開の『わたしはダフネ』は2019年の出品作で、映画祭の公式上映で観て、上映後に登壇したダフネ役カロリーナ・ラスパンティさんのチャーミングな受け答えに魅了されて買付けに走った経緯は以前書きました。スペイン映画『ローサのぬくもり』(ベニト・サンブラノ監督作品 / ’99)、フランス映画『ナショナル 7』ジャン=ピエール・シナピ監督作品 / ’00)という、パノラマ部門の観客賞を受賞した2作品も配給しています。…が、書いていてヒット作は産み出せていないのに気づいてしまいました。でも、後悔はしていません!やっぱベルリンとは相性いいんです!(言い聞かせる。笑)

第48回ベルリン国際映画祭 パノラマ部門 観客賞受賞作『ローサのぬくもり』公開時ビジュアル

さてさて、今年のベルリンではどんな作品との出会いが待っているのでしょうか?noteの当連載を始めてから初めての長期出張、ということで、出張中も休載せずに連載が続けられるのか?というのも、気になるところです…。

texte de Daisuke SHIMURA





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