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問いをデザインするということ

今回のお話

サービス・プロダクトに携わっていてある改善や施策の検討をした時に、考えて考えた末に「もうこれでいいんじゃない」とか軽微なライティングの意味のずれやデザインの崩れに対して「別に大丈夫じゃないかな」と思ったことはありませんか?

なんとなくいいんじゃないでしょうかというのが身について染み込んでいる気がします。泥沼にハマったような気分です。それは構造的な問題などを孕んでいます。

本当にユーザーにとって大切なのは何でしょうか。
それは「体験」だと思っています。
サービス内の体験のみならずサービスの外側にあるユーザーの人生の体験を向上するようなサービス・プロダクトを作りたいと考えます。

読んでいて大事だなと思うことがらはすべてこの記事に書いています。
今回は、「問いをデザインすること」について考えていきましょう。

体験、目的、ブランド

サービス・プロダクトにおいて重要なのは何でしょうか。
売上や利益でしょうか。ユーザー数でしょうか。はたまたバズるかどうかでしょうか。

どれも大事かなと思います。
その上で優先順位高く考えなければいけないことは、掲題の3つです。

①体験
②目的
③ブランド

①体験

体験とは何でしょうか。どういった意味合いを持つ言葉でしょうか。
なんとなくわかるようでわからないそんな言葉ですよね。
読まれた方も自分なりの定義を考えて欲しいのですが、自分は以下のように捉えています。

体験とは、時間軸でまたは、空間的に利用者の感情を動かすことである。
また利用前と利用後で利用者の世界を一変させることである。

体験とは、感情を動かすことであると捉えています。
食事に行って美味しいものを食べると「美味しかった」と感情を動かされますし、ゲームをしていても「楽しい」と感情を動かされます。

どんなことをしていても感情のバロメーターは動いています。
サービス・プロダクトを通じてそれをプラスの方向へ傾けていくことが大事であると考えています。

またなくてはならない存在でありたいとも思います。
今amazonがなくなったら、googleがなくなったらどうなるでしょう。
検索するのもショッピングするのもなかなか大変になるのではないでしょうか。

それほどまでに生活の中に「インストール」されていくのが本当に良いサービス・プロダクトではないでしょうか。

自分の定義では、時間軸や空間という言葉を付加していますが、その意味としては、利用前から利用後を含むからです。
日本のサービスの多くは、「利用中」の体験しか考慮されていません。

お店に訪れると心地よい接客をしてくれるかもしれません。ただそれはお店の中だけであり、お店にいく前、お店を出た後の多くはそのサービス・プロダクトの体験を向上させることはあまりありません。

WEBサービス・プロダクトでも同じです。
サービス・プロダクトに触れている間やスマホをみている間はユーザーに対してアプローチが可能ですが、一度オフラインになるとそこには何が残るでしょうか。

いかにして生活に「インストール」されるようなサービス・プロダクト作りが大切かということを考えさせられます。

②目的・③ブランド

目的はとは何でしょうか。目的とは何かしらの達成するべき姿や結果のことですよね。

それは、売上や利益であったり、KPIかもしれません。その多くは必ず数量的な指標です。満足のいくサービスや人生を豊かにするといった定性的なものはあまりないのではないでしょうか。

もちろんそれを掲げるだけは単なるスローガンであるため、定性的なものを達成するとしたらどういった結果が必要になるかということを逆算的に考え、数量的な指標とも組み合わせます。

それは、OKRとも呼ばれたりしますね。詳しくは以下の書籍を読んでみてください。

ブランドとは何でしょうか。サービス・プロダクトが指し示す世界観であったり、〇〇といえば〇〇と言わしめる何かですよね。
黒い炭酸といえば、コーラのように。

目的とブランドは近いようで異なるものかなと思います。
ブランドは確固たる世界観。目的はそこに向けた方向性を示すもの。
つまり、ブランドという北極星に向かってどこまで近づいているかどの方向に進めばいいのかを知らせてくれるのが目的であるとも考えられます。

ここまで重要な3つの要素に関して書いてきました。
あらためて本題に立ち戻って問いをデザインするということを考えて衣みると、以下のようになるかなと考えます。

問いをデザインするということは、簡単なようで難しいことですが、自分たちのサービス・プロダクトに向き合ってユーザーの体験を限りなく最大化しうる「問題」というのを自ずから発見し、解決していく繰り返しの所作である。

その上で、問いをデザインする上で留意しておきたい事項もこの記事には2つ書かれています。

①感性を起点にした「問い」
②やりたい理由を見つける

①感性を起点にした問いとは、まさにユーザーインサイトを捉えた問いであるとも言い換えることができます。

よくありがちな施策検討の発信点はサービス側に帰着してしまうことだと感じます。競合他社を出し抜くための機能やプロモーション。いかに競合のシェアを奪うかなどなど。

あくまでそれはユーザーの体験を向上させた後についてくる帰結でしかないにも関わらず、思いがけず無意識にUXではなくビジネスサイドの課題を解こうと設定してしまうことです。

そうではなくユーザーインサイトというユーザー自身がサービス・プロダクトを用いて解決したい課題や目的に立ち返り、何に感情が動かされどんな行動をするのかということを起点に今サービス・プロダクトに何が足りていないかという問いについて考えることかなと思います。

②やりたい理由をみつけることですが、解像度の問題とも言い換えることができるかなと思います。

ただ単に売上というKPIを伸ばすデザインをしてくれと言われた時にそのままにデザインしても良くてKPI達成ということになります。

売上なりなにかの指標を達成した際にそのサービス・プロダクトは何をもたらしたいのでしょうか。サービスとともにユーザーをどんな世界観に連れていくことが目的なのでしょうか。

よく例に出てくるように単純にレンガを積むわけではなくこれは人々を幸せにする大聖堂になるのだと言われるとなんだかやる気が出てくるように、目先の利益や達成感ではなく長期的なありたい姿や世界を意識して具体的な事象まで落とし込むことの重要性を説いてくれているのかなと感じます。

最後に

何が「問い」で何が目的関数で何が答えでというようなことは時間の変化や環境の変化、ユーザーの気分感の変化と様々な変数が動いていく中で「暫定的」に問いを設定して解いてくいく連続的な所作がUXデザインであり、サービス・プロダクトのデザインかなと思います。

そこには定量的なアプローチもあれば、定性的なアプローチもある。
しかし、そこから導かれる帰結は同じものかもしれません。

いささか観念的な話になってしまいましたが、具体的なスキルや技(アート)と抽象的な思考をハイブリッドに組み合わせて柔軟に「問い」を設定していく姿勢が求められることであり、体現していかなければいけないのかなとこの記事を読んで感じました。

短いながらも非常に考えさせられることが多い記事でした。
この方の書籍も読んでみてデザインするということをもう少し広い視点で捉えてみたくなりました。

それでは、また。

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