ミニマル、エシカル、フィジカルデザイン
今回のお話
UI/UXのトレンドとは一体どのような物でしょうか。
見た目や体験というのは、ユーザーの心理状況に依存します。
そのユーザーの取り巻く社会環境の変容によって最適化されたUI/UXも変わってきます。
つまり、UI/UXのトレンドとは、ある意味社会に対する我々の心理状況のトレンドと表裏一体と言えるでしょう。
今回は、この記事を見ながらトレンドについて考えていきましょう。
3行まとめ
①エシカルにつくる
②今までのやり口ではもう上手くいかない
③ミニマルにフィジカルに
①エシカルにつくる
エシカル(倫理的)につくるとは一体なんなのでしょうか。SDGsのように世界各国でサスティナブルな社会を目指してこの30年ほどいろいろな取り組みをしています。それがわれわれの考え方の中にもエシカル消費などよりクリーンで環境負荷の低い製品を愛用するという流れになってきています。
マキシムに物を所有する時代から、ミニマルに利用する時代に変遷してきた中で「使い捨て」というより「長く愛する」という消費感に変わっているようにも思います。
ファッション業界でも様々なブランドがサスティナブルを意識しています。ナイキやパタゴニアなど昔からやっているものもあればこの記事にあるように生産から小売までサスティナブルを意識したブランドもあるようです。
エシカルというとなんだか大袈裟に聞こえるかもしれませんが、いい物を長く愛用するという古来から我々日本人が持ってきた価値観と社会情勢のシフトが上手くマッチした結果、感覚が回帰してきたような気がします。
そう言った意味で、企業もWEBサービス・プロダクトを作る際には「エシカル」かどうかということを意識していく必要があります。
②今までのやり口ではもう上手くいかない
画面いっぱいのポップアップウィンドウ、重ね重ねになっているモーダルアラート、UIの統一性を書いたチャットボックスなどWEBサービス・プロダクトにおいて、なんらかのCVRを上げようとあるいはKPIを達成しようとあらゆる手を使って画面越しに触れるユーザーに対して興味を惹かせることをしてきます。
確かに、それで上手くいく場合もあるでしょう。
ただ、そのやり方ももう上手くはいかないでしょう。誰しもスマホを使いこなし、WEBに触れる時間が長くなり、めんどくさいことや鬱陶しさを感じる体験には非常に敏感になっています。
また、そもそものサービス・プロダクトの価値というのは、訪れたユーザーが持つ課題を解決するための手段なのです。中心にあるその考えを忘れてしまって目の前の利益をとるようになると、長期的に、また大局的にUXは下がってしまいます。
常に今のやり方が今のユーザーに合うかどうかを考えなくてはなりません。ペルソナのような空想上の仮想ユーザーではなく隣にいる人間に目を向けて体験を見つめてみましょう。
③ミニマルにフィジカルに
①で述べたようにユーザーの消費感や人生観が大きく変わっています。
マキシムからミニマルに、そしてフィジカルにです。
フィジカルというのは、アップルウォッチなどのスマートウォッチやエコー、アレクサに代表されるスマートスピーカーなどです。
画面というUIではなく(画面があるものもありますが)、音声や光といったより体感的なUIを用いた製品を身に纏うことが多くなりました。
今後はスマートグラスなどさらに現実世界の身体性を拡張してくれるようなデバイスが増えてくるでしょう。そうなってきたときにUI/UXもそれに合わせたことをしていかなくてはなりません。画面越しに見える世界から現実世界に映し出されるUIなどです。
最後に
常々、人の感覚やユーザー心理はコロコロと社会環境に応じて緩やかにドラスティックに変わっていくのにUI/UXのそれに対して遅いのだろうと感じます。
UXが大事であると思ってもそれをサービス・プロダクトで体現していかないと意味がないとも感じています。
われわれのお客さんはデザインなど気にしないよとかこれが昔ながらのやりかただと過去に固執したり、ユーザーの変化を誤認識していたりする結果、時代遅れのUI/UXになっていることが大半です。
もちろん大きなサービスなどでドラスティックに変えることは、UI/UXだけでなく(何の価値があるかはともかく)政治的な背景も変えていく必要があるため、困難な場合が多いですが、ドミノの1ピースを積み上げていくようにコツコツと変えていくことで柔軟な動きに変えられるでしょう。
UI/UXデザインは、人の心理状況に応じた最適なレスポンスを築くものだと考えています。日々アンテナを広くして人々のコール&レスポンスを身体的に捉えて自分が携わるサービス・プロダクトに上手く反映していきたいなと思います。
それでは、また。
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