ユーザーの意思を尊重するUXデザイン
今回のお話
普段様々なサービス・プロダクトに触れていて「自分の意思で選択できているな」と思うことってありますでしょうか?
多くのサービス・プロダクトにおいてはビジネス上のKPIなどの目標があり、それらを達成するために様々な導線を敷いています。
それは例えば、通知であったり、広告であったり、メールであったり、ポップアップであったり。
多様な方法で達成したい目標に対する行動をユーザーに促しています。
しかし、多くの人はその裏側にある思惑に気づきなんだか不快な気持ちを持ったり、最悪のケースではブランドに対して良くないイメージを形成してしまうことにもなります。
では、一体ユーザーの意思で選択させたと思わせるにはどういったデザインを持ってサービス・プロダクト側は接していけば良いのでしょうか。
今回は、この記事を見ながらユーザーの自由選択を促すUXデザインについて考えていきましょう。
https://uxdesign.cc/10-essential-cognitive-behavior-patterns-for-ux-design-7f0cc2e00d31
適切な選択肢を配置してあげましょう
引用した記事では10のパターンを用意してユーザーの行動をどうアシストしていくかについて触れられています。
簡単に要約すると以下の通りです。
①UNDO(やり直し)など安全性を付与する
②直感的なイメージを載せる
③行動達成を視覚化する
④スキップなど行動を先延ばしにする選択を与える
⑤習慣化する仕組みを入れる
⑥記憶をグルーピング化する手助けをする
⑦社会的信用を付加する
⑧不要な繰り返しをさせない
⑨ブックマークなど後から戻ってこれる仕組みを入れる
⑩休息を授ける
※全て著者による意訳です。気になった方は記事をご参照ください。
サービス・プロダクトにおいても普段の生活においても何かしらの選択をする際に、人は悩んだり考え込んだりしますよね。
たった1個の商品をネットで買うことを考えても以下のように簡単にカテゴライズしても多くのプロセスを挟むことになります。
①認知
②検索
③興味・関心
④比較
⑤検討
⑥購入
また各カテゴリの中でも細かく分けていくと、1回の購買でもしかすると10を超える思考プロセスが入るかもしれません。
それだけ、多くの思考プロセスを超えてユーザーに対してサービス・プロダクトが望ましい行動をしてもらうことを考えると以下のようなことに配慮してあげる必要があります。
①安全性
②パーソナライゼーション
③効率性
すごくいいものだと思ってもちょっとしたデザインが気に食わなかったり、ページの読み込みが遅いだけでそこから買うのをためらうことはあったかと思います。
逆にページの読み込みが速い、明確なデザインであるだけでユーザーの心理的ハードルが下がります。
つまり、そのサービス・プロダクトに対する信頼感や安心感が高まります。それが、安全性です。
多くのサービス・プロダクトでは、会員登録が求められます。ただ、その多くのサービスにおいて単なるデータ取得のように感じるのは私だけでしょうか。
個人の属性や情報を効率的に、見た商品やカゴに入れた商品からのレコメンド、トレンドや多くのユーザーに購入された商品からのレコメンドなど自分のためのサービスであると思わせることが重要だと感じます。
最後に効率性ですが、5回の画面遷移を挟むものと1クリックで購入可能なサービスであれば、どちらから購入したいですか?
もちろん後者ですよね。
ユーザーのCVRを上げるのは、きれいなデザインや広告などの促進施策でもなんでもなくCVまでのドアの数を減らしてあげることということが往々にしてあります。
サービスを魅力的に、プロダクトをユーザーに寄り添うようにとUXを意識しすぎた結果、ドアの数が多くなり、CVRが下がるなんてことはあります。
デジタルだからできること=ユーザーにとって嬉しいことではありません。
いかに面倒と思わせず、簡単にサクサク選択できるなと思わせてこそのデジタルサービス・プロダクトかなと思います。
最後に
どうしてもWEBサービス・プロダクトの世界に携わっていると、オフラインで嫌がることをオンライン上で実装してしまうことが多々あります。
ユーザー体験上、地続きの世界のはずなのにあたかも分断されたかのようにUXを検討するのはもったいなく感じます。
日頃からオフラインで受けるサービスの良さや悪さから学びを得て、それをオンラインにも還元してあげることが、UXデザインの第一歩なのかなと個人的には感じています。
もちろんインターフェース上、できること・できないことにオフライン・オンラインでは差があるため、必ずしもどちらが良い・悪いが区別することはできませんが、「速い」時代においては面倒なことを無くしていかに楽に選択させることが大事かということに尽きるかと思います。
ユーザーの意思で選択させたと思わせることは、面倒なことを省くことから始めるのも良いのかもしれません。
それでは、また。
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