旅に求めているもの。

■  マスからトライブ(tribe=部族)へ
キャリアにスキーを積んで、車にスキー場のオリジナルステッカーが貼ってあることがある意味イケていた(「Naeba」とか)90年代は、冬は、スキーをすることが旅行の目的ということが明確で、映画やマスメディアがトレンドを作っていた時代。そして車自体が外から見てもこれからスキー場に行くよというアイコンになっていた。

今は、4時間券というチケットもある時代。
スキー自体が目的というよりはデジタルに囲まれた環境から離れて癒やされたいといった動機が旅のメイン目的でスキーがその手段の一つのアイテムになっているのかもしれないと感じます。
ソーシャルメディアが発達し、自分の趣味嗜好に合った情報を取得し、発信することが個人でできる時代。
この本に書かれているマスがトライブ化しているという考え方(「価値観の集合体」=コミュニティが部族のように次々生まれる)は、現場で感じていることとぴったり合う指摘でした。

■ 癒やされたい
 旅に求めるものは、より漠然としたものになっているのかもしれないなと感じます。
 特に現在は、デジタルに囲まれた生活からの解放という意識があるのではないかと思います。
 純粋に、癒やされたいという。

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      TBF旅行者調査 『旅行年報2019』第Ⅰ編 日本人の旅行市場
               Ⅰ-4 日本人の旅行に対する意識 より抜粋

 TBF旅行者調査 『旅行年報2019』の旅行先別の最も楽しみにしていたことを見ると、長野県では、「温泉に入ること」「自然景観を見ること」「スポーツやアウトドア活動を楽しむこと」、「自然の豊かさを体験すること」が上位になっています。
 これは、長野県の特徴でもありますが、他の都道府県でも楽しめる要素であり、トライブを意識して、より狭いターゲット、コミュニティへ向けて、コンテンツを開発、アレンジ、訴求していくことがとても重要だと感じます。

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       TBF旅行者調査 『旅行年報2019』第Ⅰ編 日本人の旅行市場
               Ⅰ-4 日本人の旅行に対する意識 より抜粋

■  ぼーっとできる時間
 自分自身の生活を振り返ってみても、ぼーっとできる時間が驚くほど少ないと感じます。
 ぼーっとというのは、無心になれる時間といいますか日常を完全に忘れることのできる時間といいますか。
  日常生活ではランニングしている時間くらいでしょうか。
 そういう意味で旅は、そういう時間を作る環境を与えてくれるものなのだと思います。スキーも、リフトに乗って雪山を眺めている時間ってかなりぼーっとできる至福の時間だったりします。
  このぼーっとする時間をどのように提供するのか。ぼーっとすることを求めているけれど、完全にデジタルを遮断するわけでもなく、そこで得た感動はシェアする心理もある。

■  ぼーっとできそうなコンテンツ
 自分自身が気になる旅先での体験コンテンツをいくつか。



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