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わざわざ車と東北へ 乙

こんにちは。ざわです。まさかこんなに長くなるとは。

甲では、高速道路に飽きてしまったという話の終わり方だったと思います。ただ、厳密に言えば、高速道路だけではありません。国道23号線にも飽きました。

何故飽きたか?答えは単純です。同じ道を通り過ぎたからです。僕が住んでいる三重県中南部は、名古屋に出るためには伊勢自動車道もしくは国道23号線を経由しなければいけません。もし高速と23号線を忌避してルートを組み立てろ、とカーナビに命令できる時代になったら違うかもしれませんが、恐らく物凄く時間がかかることでしょう。

とにかく、東京方面に移動するにしても、名古屋方面に移動するにしても、岐阜方面に移動するにしても、高速道路と23号線の存在は絶対なのです。ハンバーガーにパティは絶対にあるでしょう?この道路たちの存在は、それに限りなく近しい物があります。

最初の方は何回通っても新しい発見がありましたし、天候の違いや路面状況の違いなどで楽しむこともできていましたが、常にに通るようになった今、僕にとっては、「生活圏」に分類せざるを得ない存在になってしまったのです。

先ほど高速道路、と一括りにしてしまいましたが、都市高速は例外です。なぜなら三重県に都市高速はないので。東京や大阪の都市高速は、オービスがごまんとあり、ランプも各所に点在し、面白い道路だと思っています。後は迷わなかったら最高です。これも慣れたら違うのでしょうか..。

しかし、基本的な高速道路はどうでしょう。伊勢自動車道、東名阪自動車道、伊勢湾岸自動車道、新旧東名高速道路、東北自動車道....すべて僕にとっては同じなのです。多少富士山が見えたり、海が見えたり、遊園地が見えたり、といった「名所景色的」な違いはありますが、根幹の道に全く面白みがないのです。

ただただ只管100km/hで走る先行車に続き、時折勃発する80km/h vs 80.1km/hで走るトラックの追い越しバトルを観戦している、ずっと同じ構造の道路って、何か面白いですか?僕にはとても面白くは思えませんし、トラックの追い越しバトルを後ろから突っついているのはこちらとしてもストレスを覚えます。

高速道路を使うメリットは、何といっても到着時間が大幅に早くなることです。例えば、伊勢市から名古屋まで国道23号を辿って行くと3時間弱かかりますが、伊勢自動車道と東名阪自動車道を経由すると1時間半ぐらいで到着出来ます。もちろんその短縮分の料金がETC代として転嫁されますが。笑

高速道路の性質は、利用者全てが潜在的か顕在的かに関わらず、「お金を使って到着時間を早めたい」という共通の目的意識をもって利用しているところにあります。ですから、先述のトラックバトルはおろか渋滞にハマった、なんて日になったらストレスが絶えないわけです。ゲームのガチャガチャに課金してスカを引くのは誰だって嫌でしょう。

かたや下道はどうでしょう。まず、大前提として「急ぐのであれば高速道路を使えばいい」という考え、もしくは「生活圏である」という考え、どちらかの二択で道路が利用されています。ですから皆殺気立って運転している訳ではないので、パッシングされることも煽り運転をされることもなく、こちらとしてもリラックスして運転をすることができます。そのうえ、あちこちにその地域特有の看板や景色、気候や風土が見え隠れします。静岡県が近づいたら茶畑やみかんの看板が増えたり、三重県が近づいたら伊勢神宮周辺の案内が増えたり、長野県に近づいたらあらゆる看板がなくなったり(一部地域ですよ、長野の皆さんごめんなさい)しますよね。そういった体験は皆さんの中にもあるんじゃないかと思います。

また、近年は道の駅などの休憩施設も各所に設置されるようになっており、休憩や観光をするにも事欠きません。ゆったりとしたドライブを楽しむのならば、下道の長所は高速道路の長所を蹴っ飛ばすぐらいの潜在的な力を秘めています。もし時間に余裕があるのなら、高速道路の利用代金を、下道でのお土産代や飲食代に転嫁して、余裕のあるドライブを楽しむほうが、費用対効果的にも、精神衛生上も、非常に楽になるのです。

さて、国道23号線や一般的な高速道路に飽きてしまった僕は、ドライブに行くのがなんとなく億劫になりました。もちろん走るのは好きなので毎日走っているのですが、それもなんとなく、まるで幽霊が運転する電車の如く、何を考えているのかわからないようなドライブです。もちろんストレスが取れるわけもなく、日々悶々とした生活でした。当時、僕はそれらの道路に飽きていた、ということを自身で認知しておらず、何でだろう、と首を捻りながらエンジンをかけている日々でした。

そんな僕に、転機が訪れました。6日間ほど、連続して暇な日ができたのです。正確にはバイトだけがありましたが、そんなの知ったこっちゃねえとそのままの勢いで電話でバイト先に欠勤の連絡を入れ、見事に欠勤を勝ち取りました。その後大量のお土産を持って行ったのは言うまでもないでしょう。

当時そんな精神状態だった僕は、何をしたいかもどこに行きたいかもわからず、ただドライブだけしたい、と考えていました。奇しくもその前週に僕は東北地方に旅行に行っており、財布がペラペラになっていた時期でしたが、何とかしてどこかにドライブに行こう、行かないと精神状態がおかしくなる、と直感的に心が囁きかけて来ました。そう思い立ったが吉日、その日の午前中にクローゼットから一握りずつの衣類を詰め込み、まだ当時3月だったので、寒いところに行った時の念のためのブランケットも詰め込んで旅に出かけました。もちろん、愛車と一緒に。

とりあえず北に出かけよう、けど例のアイツが怖いから東京近辺はやめよう、と考え、23号線を北上していきました。この時の感覚はよく覚えていません。余りにも、な精神状態だったので、見兼ねて連絡してきてくれた友達をアリ地獄に落とすかの如く、そのままの流れでひたすらに通話をつなげていた記憶があります。

予想以上に長くなってしまったのでこれもまた続く。

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