ポエム ドロマー天門から4C天門が生まれた話

ドロマー天門に関する最近の問題意識とその問題意識によってデッキがどう変わったか,その経過を記録します。

昨今の情勢により実際に対戦できていません。問題意識とそのアプローチが適切だったかを検証できていないことから,この記事は解説記事ではなくポエムということにしておきます。

僕の問題意識だけ知りたい方は第2項,デッキレシピだけ知りたい方は第3項のデッキレシピ画像だけを眺めてみてください。


1 変更前のデッキレシピ

話の前提として,変更前(4月中頃)のデッキレシピを置いておきます。

ドロマー天門 2021_4_17


2 最近の問題意識

最近の問題意識は,①ドロマー天門がデッキの再現性を追求することに意味はあるのか?,②ヘブンズ・ゲートの枚数(シールドに埋まってる確率と手札にダブつく確率),③環境的に逆風のなかどう抗うか?の3点です。

第3項以降では,上記3つの問題意識をもとにデッキをいじる経過が記載されています。以下,問題意識の具体的な中身を説明します。


(1) 再現性の追求に意味があるのか?

以前,現代デュエルマスターズはデッキの強い動きの再現性を競うゲームだと言う話をしたことがあります(気になる方は下記記事をどうぞ。)。


天門も例外ではありません。天門はコンボデッキの一種ですから,必要なパーツを集めて,強い組み合わせを叩きつけるという動きが基本になります。

コンボデッキという天門の本質を突き詰めるほど,デッキの再現性を考えるほど,白青カラーにたどり着くのです。

ドロマー天門における黒は基本的には妨害やメタへのリカバーのために入れるものですから,デッキの再現性を妨げるノイズなのです(下記記事は以上のようなことが書いてあります。)。


デッキの再現性を追求するのであれば,基本的にはドロマーではなく,白青(青白)が正しいということになります。

ただし,天門が再現性を高めたところで,環境デッキに勝てるのかという問題があります。

再現性を高めるのは,当該デッキには勝ちに直結する強い動きがあり,その動きを確実に通せば勝てるからです。

僕が愛用しているナウオア+ドラグナー型の天門の場合,ナウ・オア・ネバー+セイントローズからヘブンズ・ヘブンをたてて一気に展開した後,相手にターンを渡さなければなりません。

今の環境だと,その1ターンがあれば,ドルファディロムで盤面を吹き飛ばされ,またデッドダムドで蹂躙されます。再現性を高めて最速で展開できても,勝ちに直結しないのです。


再現性を高めるべき動きの出力が環境的に強いといえない場合,環境が変わるまでそのデッキを諦めるのが定石でしょう。

ところが,天門を使いたい(あわよくば天門で勝ちたい)天門ユーザーはこのアプローチを取るわけにはいきません。

デッキのメインギミックの出力が環境デッキより弱いのであれば,妨害や他のギミックの力を借りてメインギミックの出力を相対的に高めるようにしてやるしかないのです。

再現性を多少犠牲にすることで,妨害や黒のパワーカードの力を借りることができるドロマー天門の立ち位置が見えてきたような気がします。


(2) ヘブンズ・ゲートの枚数

僕は常々「天門ならばヘブンズ・ゲートは4枚確定」という考え方に疑問を持っていました。

盾から出れば強いものの,手札にダブつけば弱いカードを4枚も積む必要があるのか?ヘブンズ・ゲートをマナに置くたびそう感じていました。


そこで,一度計算してみたのです。

具体的な計算方法は下記記事を参照して頂ければと思いますが,重要だと思う数字だけ載せます。

① 初期盾に埋まっている確率

4枚採用で約42.7%,3枚採用で約33.8%

② 青守銀シルトを2枚採用し,かつ先行の場合,3ターン目終了時点で盾に埋まっている確率

4枚採用で約52.1%,3枚採用で約42.5%

③ 先行3ターン目までに手札に2枚以上くる確率

4枚採用で約13.4%,3枚採用で約7.4%

④ 先行5ターン目までに手札に2枚以上くる確率

4枚採用で約21.3%,3枚採用で約12.1%


以上のとおり,4枚採用と3枚採用で盾に埋まっている確率は10%程の差がありました。盾で受けるためにはやはり多く積む必要がありそうです。

他方,4枚積むと先行3ターン目までで1割,先行5ターン目までで2割の確率で手札に2枚以上くるようです。

白青は序盤を積極的に動かず盾でしのぐため4枚,白単はミラクルミラダンテの邪魔になるカードを極力減らしたいので2~3枚だと思います(もちろん,デッキの動きによっては枚数も変わると思いますし,白単でも4枚とするレシピがの方が多いです。)。

それに対して,妨害札を多く積むであろうドロマーカラーは3枚にするか,4枚にするか常に採用枚数に悩まされます。序盤に青や黒のカードを使いたいドロマー天門にとって,白単のカードというのはあまり手札に来てほしくないカードなのです。


(3) 環境に抗うには?

最近のアドバンス環境は,5C,デッドダムド,オカルトアンダケイン,青魔道具が多いようです。

そして,天門は上記いずれについても不利がつきます。今の環境で安定して勝つのは非常に厳しいでしょう(詳しくは下記記事にて。)。

安定して勝てなくても,いい勝負ができるくらいであれば,たまに勝つこともあるでしょう(デュエマフェスなどカジュアルな大会では,これくらいの水準を保てれば優勝することは十分可能です。)。


いったん青魔道具は置いておいて(本当は無視してはいけない程の不利対面ではあるのだけど),5C,デッドダムド,オカルトアンダケインについて考えます。


オカルトアンダケインは,早いうえに殴らずに勝つことができるデッキです。なので,天門本来の動きを考えた場合,互いに最善の動きをすれば天門側は何もできずに負けるということです。

何らかの手段で妨害しないと何もできずに負けるのです。

おまけに墓地,盤面,手札,マナの各リソースをフルに使うため,どれか一つを潰してもすぐに挽回されてしまいます。生半可な妨害では意味がないのです。複数のリソースを同時に潰すことが必要でしょう。

そこで考えたのが(実質)2コストの黒オーラです。

3分の1が手札にオーラを戻すGR,3分の1が墓地リセット効果を持つGRで構成したことで,盤面または手札に干渉しつつ,GRの試行回数を増やして墓地のリソースを奪おうというアプローチです。


このアプローチが有効か否か検証するまえに,アイツがあらわれました。

とこしえの超人です。

このカードは,GR召喚を阻止することをもって,オーラによるアプローチを妨げました。

ついでのようにドラグハートも出せなくなるので,このカードは除去しなければゲームになりません。

そうなると,オーラ以外のメタカード除去を積まないといけなくなります。


オカルトアンダケインを意識してオーラの除去に頼るととこしえの超人(5C,デッドダムド)で詰み,とこしえの超人を意識してオーラ以外の除去にするとオカルトアンダケインに何もできずに負ける。

両方の対策を入れようとすると,メインのカードを削らざるを得なくなり,最低限のデッキの再現性すら失われる。

どうすればいいのか・・・?


3 3つの問題意識に基づくデッキ調整

以下は,調整経過のデッキレシピと問題意識を記載しています。

(1) 第1案と第2案 ~再現性とフィニッシャー~

第1案

ドロマー天門 2021_4_22


第2案

ドロマー天門 2021_4_24

僕は再現性をどの程度重視するかで悩んでいました。

第2案は,1枚差しが全く入っていません。

他方,第1案は1枚差しを複数入れています。代わりにおつかいを増量して,少しでも1枚差しのカードにもアクセスできるようにしたのです。


他にポイントとなるのが,ミラダンテを抜いたことです。1枚差しのミラダンテはフィニッシャーとして再現性がありませんでした。上振れ要素です。ところで,このデッキのメインフィニッシャーはネバーラストです。呪文や除去耐性については十分なのです(ミラクルストップもあるし。)。

フィニッシャーとしてのミラダンテの役割はSトリガークリーチャー・ニンジャストライク封じです。

ところで,このデッキにはミラダンテと同じ役割を果たせるカードがあります。エモーショナルハードコアです。相手のデッキに何が埋まっているかわかることが前提ですが,同様にトリガークリーチャーを無効化できるのです。

しかも2枚以上詰めるので,フィニッシュの再現性もある。

そこで,ミラダンテを抜いてエモーショナルハードコアを増量してみたのです。


除去札としてナウオア+オルゼキアを採用してみました。選べないのは不便ですが,ナウ・オア・ネバーの踏み倒し先が増えた上に5→6で綺麗につながるのもいい感じです。


(2) 第3案 ~ヘブンズ・ゲートを減らしてみた~

第3案

ドロマー天門 2021_05_03

再びピン差しカードを増やしてみました。墳墓の採用(下記記事参照。),パーフェクトダークネスの採用が主な理由です。ゼノシャークでピン差しカードにアクセスできるようにしてみました。

パーフェクトダークネスは,シ蔑ザンドを墓地から使い回せる,墓地からも撃てるメタカード除去と非常に便利なカードでした。

GRの試行回数を増やす点でオカルトアンダケインに,パワーダウン効果でとこしえに有効打となります。

2枚にしなかったのは,オルゼキア(墓地回収)を抜けなかったからです。

パーフェクトダークネスは墓地回収じゃない点からこれまで敬遠していましたが,お値段通りの強さでした。


以上のように色々入れようとすると枠が足りなくなりました。そこで,試験的にヘブンズ・ゲートを1枚減らしてみたのです。確かに手札にダブつかなくなった気がします。

アグロ対面の勝率はそこまで変わったかは試行回数が少ないのでよくわかりません。ただ,シ蔑ザンドによる小型除去もあるので,実は盾だけに依存するデッキではないのです。

3枚積みで十分かはもう少し試行回数が必要そうです。


(3) 第4案と第5案 ~4C天門の誕生~

第4案

4C天門 2021_5_3


第5案

4C天門 第2案 2021_5_3

メタカード除去でありながらメタカード除去にとどまらないカードを探していたのですが,白青黒カラーではなかなかみつかりませんでした。

環境デッキのレシピを眺めていたところ,このカードを試してみようと思いました。

画像8

除去を放てるうえ,置きドロソになる。ナウ・オア・ネバーで出しても強引に場に残せる。このデッキは呪文比率が高いので呪文踏み倒しの選択肢も多い。

場に出す方法も,ナウ・オア・ネバーとカイザルバーラがあり,赤マナをいれなくてもなんとかなりそうでした。

試しに入れてみたところ,さすがパワーカードというところでした。ナウ・オア・ネバーやヘブンズ・ゲートが絡めばさらなる展開もできるので,メインギミックとも噛み合っています。

割と重要なのが,ナウ・オア・ネバー+セイントローズというこのデッキのメインギミックを使うときに同時にこの手札がある場合です。ナウ・オア・ネバー+ザーディクリカから先に使うと,従来のドラグハート展開の動きそのままに置きドロー,置き除去のシステムクリーチャーがついてくることになるのです。メインの動きのついでに別の動きが出来るのは最近のトレンドです。


以上の経緯で4C天門が生まれました。正確にはドロマーt赤ではあるのですが。


では,ザーディクリカを3枚入れたらもっと強いのではと思ったのが第5案です。

ところが,ザーディクリカをいれるためブロッカーを減らした結果,ヘブンズ・ゲートの踏み倒し先が足りなくなったり,ヘブンズ・ヘブンの龍解がしづらくなりました。

天門にとってザーディクリカは動きの幅を広げデッキパワーを引き上げるカードですが,ザーディクリカ自体が天門と相性がいいわけではないのです。ザーディクリカを軸とする場合,天門である必要がないのです(ドラサイ軸や5Cにする方がいいです。)。

こういうカードは1ー2枚採用がちょうどいいように感じます。


(4) 第6案 ~パワーカードは強い~

第6案

4C天門 2021_5_6

以上の経緯で現在は第6案に落ち着いています。

パーフェクトダークネス,ザーディクリカ,ホーリーエンドとパワーカードが多いです。

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