見出し画像

缶がえるな、缶じろ

風呂上がりは自動的に缶ビールを飲むプログラムが脳みそに仕組まれているので、昨日も今日も飲んでいるのだが、なんだか様子がおかしい。旨いのは旨いのだが、MAXのポテンシャルを発揮できているとは言い難い気がして、一体なにが起こっているのか自問する。問われた私自身その違和感の正体がわからず、旨味と悩味の狭間でもう一口もう一口とビールを飲み進めてみる。あいわかった。あれだわ。

夏、終わろうとしてるわ。

暑い暑い夜、風呂にしっかり浸かって身体の芯まで温めて冷蔵庫に直行、ひえっひえに冷えた缶ビールを取り出してぐい。
これが缶ビールを最も旨く飲む方法である。しかしながら今日はほんのり肌寒かった。それだけで缶ビールのポテンシャルはわずかに低下する。違和感の正体はこれだった。ビールは暑くて暑くてたまらない、もう死ぬその間際に飲むことでもっとも旨味を発揮するのに、台風の影響かこれほど涼しげな夜であっては悲しいかな、シンプルにカルピスの方が旨いのである。

晩酌には気温が最大のつまみだったのだ。枝豆も唐揚げもかなわないビールの持ち味を最大限に高める効果をもった気温。
秋が訪れてそのパワー少しずつ下がり始めた。

その後ろで、日本酒がウォーミングアップを始めている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?