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【THE・アグレッシブ】京都サンガの簡易トリセツ。

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はじめに。

関西には4つのJクラブが存在する。
J1にヴィッセル神戸、ガンバ大阪、セレッソ大阪、そしてJ2に京都サンガだ。

直近約10年で上記全クラブがJ2降格を経験しているが、現在J1に所属する3クラブは3年以内にJ1復帰を果たしている。

一方、京都サンガは秋田豊氏が指揮を執り、増嶋竜也、水本裕貴、角田誠、安藤淳、中村充孝、ディエゴ、ドゥトラ、柳沢敦ら、実力派メンバーを擁して挑んだ2010年シーズンのJ2降格をきっかけに主力が大流出。
それ以来、日の目を浴びずにいるのだ。

しかし、ここ2年で晴れ舞台へ再び駆け上がる準備は整った。
2020年、府内唯一のサッカー専用スタジアムを新設するとともに、李忠成、森脇良太、ピーター・ウタカ、ヨルディ・バイスら、経験豊富なベテラン勢を獲得するなど大型補強に成功。

しかし、未曾有の疫病に苛まれる中で行われた昨季は8位でフィニッシュ。

その結果を受け、今季は湘南ベルマーレで3度のJ1昇格を果たした曺貴裁を監督に招聘。
さらに"キジェ・チルドレン"と称され、湘南時代の教え子である松田天馬、武富孝介、中川寛斗、白井康介の4人を獲得するなど、ある程度土壌が固まった上で新体制をスタートさせた。

開幕後は第4節のブラウヴリッツ秋田戦での黒星を最後に、6連勝を含む10戦連続無敗を継続中。(第15節終了時点)

3位で迎えた、第15節のアルビレックス新潟戦では川崎颯太のプロ初ゴールとなるミドルシュートが決勝点となり、1-0の勝利。

これにより、1位新潟、山形に敗れた2位琉球を一気にまくって首位に浮上した。

【スカッド図】

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京都は4-1-2-3(4‐3‐3)と4-4-2を併用。

ここでは、直近の新潟戦で採用された4-1-2-3を例に挙げることにする。

・GKには生え抜きの若原智哉
ベテラン勢を押しのけ、満を持してゴールマウスに立つ21歳。
幾度とないビッグセーブで、クリーンシートでの勝利に大きく貢献した新潟戦での活躍が記憶に新しい。
ビルドアップの卓越さも特徴の一つ。

・J2最少失点の最終ラインを支える2CB。
圧倒的なデュエル能力もさることながら、FKキッカーも務めるほどのキック精度、相手の隙を見計らったオーバーラップからの得点も多く、攻撃性能も非常に高いヨルディ・バイス
相方にはカバーリング能力に定評のある長身CBの麻田将吾が起用されるパターンが多い。

・そしてサイドバックには俊足の2人。
昨季清水から加入した飯田貴敬、今季浦和から期限付き移籍で加入の荻原拓也だ。
脚力を活かした積極的な攻撃参加からのチャンスメイク、最終ラインのカバーはもちろん、"ゴールへの意識も高いSB"であることが両者の強み。

・アンカーを務めるのは、私が現在最も推している川崎颯太
曹体制始動以降、絶対的な地位を確立した19歳は、若手であることを全く感じさせない落ち着きのあるプレーを披露。
素早い出足からのボール奪取能力は特筆すべき点である。
サッカーキングのインタビューにて、彼についてウタカは「ソウタは、昔のミランで例えるならガットゥーゾのような選手。どこのチームも一人は欲しい存在だよ。」と語っている。
ちなみに私が取材交渉をしたのが、その川崎颯太選手。
TwitterのDM上での会話だったものの、私のような得体のしれない大学生の取材交渉に、クラブの許可が出れば是非お話ししたいです!と言ってくださった川崎選手の人間性には一撃で惚れた。
来年はヴィッセルのNo.17に加え、サンガのNo.24も購入する方向で考えている。笑
(取材の件に関してはクラブに問い合わせた結果、許可が下りなかったため断念。)


※前線の選手に関しては入れ替わりが激しいので簡単に。

・IH(シャドー)には走力とパスセンスの兼ね備える万能型レフティーの武田将平、J3での活躍を買われ、今季からチームに加入した得点力のあるテクニシャンの三沢直人
この2人がWGが抜けたスペースに飛び込むことで、厚みのある攻撃を展開。

・3トップはいずれもJ1での実績が十分。もはや説明不要かもしれないが、
武富孝介、ピーター・ウタカ松田天馬が配置される。
攻撃のキーマンになることに加え、このチームの最大の特徴であるハイプレスのスイッチを入れる重要な役割を担う。

徹底された攻守の連続性。

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「躍動的なサッカーで観客を楽しませたい」と語る曹監督が展開する戦術は文字通り、とにかく走る
その中でも、"ボールロストからの切り替え"は一番の見所である。
ボールを失った瞬間に、殺気さえ感じる程の猛烈なチェイスをスタートさせ、相手陣内でボールを奪い切って即座に攻撃を再開。
このスタイルはまさに、攻守一体を体現していると言えるだろう。

しかし、アグレッシブすぎるが故に、ゲームの終盤を迎えると間延びが激しくなり、攻守両面において一気に質が落ちることが多い。
特に、IHがプレスバック出来なかった場合、アンカーの脇のスペースを使われるケースが散見される。

今後、夏を迎えた際に、今季のチームの真価が問われることは間違いない。
気温が上がってもなお、チームのスタイルを継続できるのか。
また、ターンオーバーをする中でどのような選手起用を見せるのか。
12年ぶりのJ1昇格に向け、避けては通れぬ道である。

スカッドパターンの多さ。

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前述でターンオーバーについて触れたが、これに関しては問題無いレベルの選手層の厚さを誇っている。
シーズン開幕から直近の新潟戦までのスタメンを確認してみると、大半のゲームでスタメンを入れ替えているのだ。

時には最大の得点源であるウタカをメンバー外にするという思い切った策に出ることも。
スタメンを常に入れ替え、かつ結果を出し続けられている点において、チームのスタイルに適応している選手の多さと、それだけ多くの選手に戦術を落とし込める曹監督の手腕を感じる。
第14節の水戸戦では、ゲーム中のポジションチェンジが相手を混乱させ、決勝点を生んだという場面も見られた。

しかし層が厚いとはいえ、15試合にフル出場しているヨルディ・バイス松田天馬は簡単には替えがきかないと言えるだろう。

言うまでもなく、バイスの存在は必要不可欠
多大なるリスクを背負い、前線から強気にプレスをかけれるのは、最後尾に彼が構えているからであり、いるのといないのでは訳が違うのだ。

松田天馬は比較的替えがきく可能性が高い。
その筆頭には、松田と同じく湘南ベルマーレから加入し、IHとWGの両方をこなせる中川寛人が挙げられる。

最後に。

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私のJ2観戦日誌の第一弾として、京都サンガを取り上げさせて頂きました。
私自身、セリエA・アタランタのファンであることから分かるように、ポゼッション!セクシーフットボールこそ至高だ!というチームよりかは、球際で激しく戦い、泥臭く勝つようなチームを好む傾向があります。
だからこそ、曹監督率いる京都サンガのサッカーに目を奪われました。

J2も侮れないなと。これJ1で観たいなと。

実際、J1チームに即戦力として引き抜かれ、日本代表まで駆け上った古橋享梧(FC岐阜)や坂元達裕(モンテディオ山形)の例もあることから、J2のレベルが上がっていることも証明されているでしょう。

徐々に注目度が上がりつつあるJ2。
昇格を目指す男達の意地のぶつかり合いは見応え抜群です。
このnoteが、誰かのJ2を観るきっかけになれるよう精進していきますので、今後も引き続きよろしくお願い致します。


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