出向(ソシャゲ)に行ったお話

ありがたいことに、先のプロジェクトでシナリオまわりを担当していたのでクライアントからご指名で出向の話がきた。
不安はあったけれど負のスパイラル真っただ中の現場にいたくなかったのもあり、また経験を積むためにも出向に行くことに。
そこで驚いたのが、プログラマーのみなさんが優しかったこと。
詰問されない上にあたりが柔らかい。ウソ…だろ…。何かの罠か?と思うくらい疑心暗鬼になった。
プログラマーはプランナーが嫌いだと思っていた自身の価値観がぶっ壊れた。

出向先でのお仕事は、ソーシャルゲームの運営。
具体的な作業は以下。

・テキストまわり全般の作成
・テキストまわりの監修、進行管理
・イラストの進行管理
・スクリプト作成
・プロモーションまわりとのやり取り
・宣伝用素材の用意

ソーシャルゲームは毎週締め切りがあるし、落としたらイベントも落ちるので慣れるまでが大変だったが、なんとか回せるように。
ここでは、部署を超えて他者と積極的に関わっていくことと、ある程度、物事を自分側でコントロールをする必要があるということを学んだ。
ある方の『やるしかない』という言葉には、何度も励まされたし今も心の支えになっている。
携わったゲームはシリーズものだったので、空いた時間はすべてそのゲームの資料を読み漁り吸収していった。(このゲームのテキスト、7~8割くらいは自分が作っていたはず…)

そしていつからか、ソシャゲあるあるのスパイラルに陥った。
毎週毎週、キャラのセリフやシナリオを作成したりしていると、ネタが尽きてくる。
このセリフはこのキャラで使った、あのネタは前にやった、など自分の引き出しの中身がこれでもか!というくらいに求められる。
何年も続いているソシャゲの運営たちは、持久力、忍耐力があるな、と常に思う。
(運営の人たちの出入りは激しい=入れ替わりがあるが)
実際、この現場でもゲームプランナーの出入りは激しかった。

しばらくすると、もはやルーチンワークとなり経験値の上昇が驚くほど緩やかになる。精神のゆとりは取れるようになったけれど、技術がなかなか上がっている気配がない。これはこれで辛いものがあった。
担当していたソシャゲも配信が終了し、これ以上ここで学ぶことはないと思い、出向先に相談し会社に戻ることに。この間、約一年半。
元々、いつまでもいていいし、帰りたくなったら言ってね、と言われるくらいには良好な関係を築けていたのがよかったのだろう。

★学生と新人に伝えたいこと
ソシャゲはルーチンワークであり、企画立ち上げからでないと仕様書の作成の力があまり見につかないので注意です。
ソシャゲのみしか経験していないプランナーと、コンシューマを経験しているプランナーとの実力差はかなり大きいと感じています。

ソシャゲのみの場合、基本的に新機能追加でない限りは仕様書と言っても既存のものを少し変えるだけ、0から1を作るのではなく、すでにある1をどういう風に見せるか、が主になります。
そのため、ソシャゲのみ経験のプランナーがコンシューマ畑にやってくると、0から作る、仕様を決めていくことができず、現場が混乱し、ヘイトが集中し、病んで辞めていく人たちが圧倒的に多いです。
時々、発狂して会社の備品(PCやモニタなど)壊したりする人もいました…。(出社した時の衝撃よ…)
そうならないためにも、自身のゲーム業界スタートがソシャゲからなら、仕様書というものを目にした時、仕様というものがどういう風にできているのか、どういう考え方をすればいいのか、など思案していって欲しいです。
また普段からプレイしているゲームは、どういう仕様か、というのを考えるのも勉強になるでしょう。

コンシューマからソシャゲの場合は、給料が爆上げする確率が高いので辞めたという話はあまり聞きません。お金があることはいいことです。

次回は、住むところと税金の話を書く予定です。

ご興味ありましたら、お付き合いください。


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