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へっぽこぴーりーまん書紀〜新卒入社編②

やはり営業職は難しかった。
人に頭を下げることをそこまで経験してなかったし、人にお願いすることが決定的にヘタクソだった。
その点同じ部署に配属された同期は優秀だった。かわいがられるスキル。実務能力。説明能力。全てが自分より優れていた。一見ではボクが一番デキそうだったのだが、実際は違っていて…
ボクは「期待値の割にアカンよね…」を積み重ね、幻滅させる。同期は逆に「お!意外とやるな」という感じで先輩や上司、客先のハートを少しずつも確実に掴んでいった。
きっと期待値の見せ方がうまかったんだろう。(ボクが下手だったというべきか)
新入社員挨拶にしても、彼らは控えめだったり、自分を落としてギャクを言ったり。
そのあたり、ボクはアントニオ猪木の言葉「迷わず行けよ行けばわかるさ」という言葉を開口一番まるで訓示のように発して、場をシ~ンとさせたり(笑) 
演説気分での自己紹介はちょっと違う。
アントニオ猪木って、絶妙に全年代を外してるし…スベるの典型だった。
人となりも伝わらない上に、失笑が漏れた。

何がその場で求められているのかを読んで、臨機応変に対応する力が同期と比較してボクには決定的に欠けていた。
入社後のボクは、暴走してしまったと言っていい。
根拠のない自信があったと書いたが、思い返すと「根拠のない自信」は実は「自信の無さ・不安」の裏返しで、勝手に膨らむ期待値に本当は押しつぶされそうになっていたんだろう。
ボクはそれを跳ね返そうと、不安から目を背け、自分を必要以上に強く、大きく見せようとし、実際の能力に見合わない虚像を作ってしまっていた。
それも見透かされていただろう。

本当は謙虚になって教えてもらえばよかった。己の弱さと向き合うべきだった。
迷っていたのはボク自身だったと思う。
思えば、この辺から苦労する道のりは決まっていたんだろうなと思う。
営業マンとしての仕事開始。ここからは更に打ちのめされる日が続いていく。

→次回に続きます 

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