クラシック音楽の「ラフ」を出していくのはどうかな?ってことを考えてみました

「アル」を運営しているけんすうさんの下記記事を読んでみました。

マンガが「高級商材」となった時代の戦略は何がいいか?

すごく面白かったんでぜひ皆様ご一読下さいって感じなのですが、マンガをクラシック音楽に置き換えた時にどうなのかなってことを考えました。

別に今更感がありますが、CDにしても演奏会にきても「高級商材」に位置するでしょうし、特に演奏会は超高級商材、もはや鉄腕DASHでよく釣れる幻の魚レベルじゃないかと思いますね。金も時間も移動の手間もかかります。1日の大半がそれで潰れることもありますよね。

マンガだったらアルみたいにコマを一コマ出して、面白そうなら単行本を買う、ってことは出来ます。CDも似たようなもんですね。記録媒体ですので、聴いた人の「体験」そのものは受け取り方が十人十色なので異なりますが、少なくとも同じ音、同じ解釈の音楽を聴くことは可能です。CDの場合日本国内ではネットショップなどでも45秒以内の試聴を用意することが出来るので、その試聴がマンガでいう「コマ」にあたるかもしれません。

ただ、演奏会の場合はその日その時間その場所にいくまでどんな演奏になるのかわからないわけで、事前に「完成物から少し聴かせる」ってのは不可能です。でも多くの人が集客に頭を悩ませてたりする。試聴をつけても別にCDがバカ売れするわけでもないので、演奏会ってなると事前情報がビジュアル、テキスト、「マエストロは語る」とかだけだと余計にチケット購入や「体験そのものの購入」に至るハードルは記録媒体に比べてはるかに高くなります。(無料ならいくかもね)

そこで「演奏会より前のリハーサル段階での映像や音源を出してみたら面白いんじゃないか」という考えに至りました。

そもそもの話として、「クラシック音楽はいつ何をもって完成するか」って考えると、客観的な完成って多分ないんですよね。「ハイこの音楽はこの解釈で決定です」ってことはないですし。前に作曲家の正門研一さんが「聴衆がいて初めて作品になる」っていうお話をされていて、どういうことかっていうと、曲としてはある意味世に出した時点で完成しているように見えるけど、聴く人によって受け取り方も違うし奏者や指揮者によって表現も解釈も違うので同じ曲でも作品として成立するためには「楽譜(曲)」「奏者」「指揮者」「聴衆」が揃わないと作品として成立しない、ということだと思います。

で、これのキモは「作品として成立するかどうか」の話であって「完成するかどうか」の話ではないってところですね。僕は同じ曲でも日時、場所、奏者、指揮者、聴衆の条件が変わる以上、永遠に完成はしないと思っています。だからこそ同じ曲でも色んなオケや指揮者や奏者がその時の自分なりの答えを求めて挑んでいく、聴衆はそれを聴いて自分なりの答えを探す、という繰り返しが成り立つ音楽なんだろうと思います。どんだけベートーヴェンやるんだ、どんだけモーツァルトやるんだ、みたいに思うけど毎回違う「作品」なわけですね。

となるとつまりどういうことかっていうと完成してない作品、まだ作品としても成立してない作品を試聴させるってのは無理ってことです。

だったらどうせ完成しないんだし本番前の練習・リハーサル段階の映像や音源を見せて聴かせて「今回我々はこういう方向性で行く予定ですねん」というのを見せちゃっても良いんじゃないかと思いました。クラシックって完璧さが求められる傾向がありますけど、あえての「ラフ・クラシック」っていうのもアリなんじゃなかろうかと。

そういうのを投稿できるようなサービスを作ったらどうなるかな、ってところまで考えたんですけど、僕はこれ以上一人で仕事増やせないので、誰か興味ある人やってみてくれませんかね。ビジネスモデルとしてどういうモデルで行くかってのはいくつか案はあるけどそれを言うとアイデアの広がりを阻害してしまう気がするのでそれは言いませんけど、「一旦ラフなものとしてクラシック音楽を捉え直す」っていうのは、なんかワクワクするなあ、ってところです。クラシック音楽はラフ。そう考えると、演奏会前のラフを出してそれが集客やコミュニティの盛り上がりにつながるのであれば、面白いんじゃないかなと思った昭和の日。明日で平成も終わりです。マインドシフト、どうですか。

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ONSAの屋号で個人事業主として吹奏楽や管楽器打楽器を中心に、情報サイト「Wind Band Press」、楽譜出版の「Golden Hearts Publications」、セレクトショップ「WBP Plus」などクラシック音楽関連の事業を行なっています。
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