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学校の吹奏楽部を分割してみてはどうだろうか、という話

アイキャッチはよく見る画像ですがお気になさらないで下さい。

さてここ数日ツイッターのタイムラインで見かけた話(今日も吹奏楽の話だよ)。

全日本吹奏楽連盟から「マーチングを始めよう」みたいなDVDが学校に届いているらしいです。それ自体は別に急に降って湧いた話ではなくて前から吹奏楽連盟の会報で「マーチング団体を増やしたい盛り上げたい」みたいな意見が議事録の中にあったので、その活動のひとつとしてそういうDVDが送られてきたんでしょう。

ですが虞や虞や汝をいかんせん、タイミングが悪かったみたいです。折しもブラック部活として吹奏楽部がフィーチャーされていますし教員の皆様の長時間拘束激務ハードワークデスマーチは社会問題的に扱われています。僕の友人の教員も本業の授業の改革準備に追われていて、顧問をしている吹奏楽部の面倒はあまり見られないようです。それでも命削ってなるべく時間が取れるときは吹奏楽部の面倒も見ているみたいなので、友人としては「死ぬなよ!」と祈るしかないこの状況は辛いものがあります。そんな状況で「これまでの吹奏楽部の活動に加えて新たにマーチングを始めよう」というわけですから、「現場のこと全然わかってないじゃないか」と怒りの声が上がるのも無理はありませんね。時間だけじゃなくて金銭的な問題もあります。マーチングで使う楽器は吹奏楽部で使う楽器とちょっと違ったりしますのでそれを買い揃える予算がどこにあるのかっていう話。

ただ怒りの声を上げても吹奏楽連盟に(というか連盟の方の心に)届くかどうかというとそれは別物なので、今日はタイトルのような形でひとつの解決案として書いてみようと思います。(吹奏楽連盟っていっても別に各界の有識者の集まりではないので期待しすぎるのも無駄かなと思わなくもないです)

まずそもそも不思議といえば不思議なんですが音楽って色々な編成があってクラシックひとつで言ってもかなり多種多様です。大学に行けば応援団系の吹奏楽部、コンサート系の吹奏楽部、管弦楽部、合唱部、マンドリン部、クラシックギター部、和楽器同好会とか、なんかとにかくメチャクチャ細分化されているんですが、学校の部活動だと吹奏楽部の中に室内楽やマーチングといった編成もクラシック、ジャズ、フュージョン、ポップスといったジャンルも全部ぶち込まれている印象があります。「合唱と吹奏楽のための」とかそういう楽譜も結構出ています。すべての学校で合唱部と吹奏楽部が共存出来ているわけでもないのにね。まあ吹奏楽編成または吹奏楽部って柔軟なのでそれが出来る(または出来る学校もある)からというのもあるでしょうけど。

なんで部活の数が少ないんでしょうね。顧問になれる教員の頭数が足りないとか、練習場所が足りないとか。そういうのはあるでしょうね。頭数については、現時点ですでに過労死しそうな仕事なので、そもそも顧問ってただの名前で済ませられないのかっていう疑問もあります。名前だけで済めばかけもち可能なんじゃないかと。これは吹奏楽部だけじゃなくて全ての部活においてそうです。吹奏楽部だったら外部指導者を呼んで指導のヘルプをお願いしているところもあると思います。ちなみに僕の高校時代は元の顧問に性格上のすれ違いがあったので顧問を降りてもらって、「吹奏楽まったくわからないから指導できない」という副顧問だった英語の先生に、名前だけ顧問になってもらって、外部指導者を月に数回呼んで合奏をしていました。他の日の練習方法は生徒が自分で考えてやってましたね。その英語の先生に指導を受けるとか指揮してもらうということは一度もなかったです。顔も出さなくていいという約束だったかと思います。(先生にしか出来ないような事務処理はお願いしていたかもしれない)

それはさておき、多様性を認めよう、みたいな時代になってますよね。それぞれやりたいことって微妙に違うと思うんですよね。楽器を演奏したいから吹奏楽部に入っているけど本当は管弦楽をやりたいとか、マーチングをやりたいとか。なのに吹奏楽部に入って吹奏楽やってるのって実は生徒にとってもストレスなんじゃないかなと思うし、生徒さんたちそれぞれの「あれやりたいこれやりたい」を一つの部活で全部叶えようとすると長時間活動にならざるを得ない。そうなると先生が過労死するぞ。そういうことなんだと思います。とはいえ生徒それぞれのやりたいことをやらせてみればいいと思うし、少人数であっても同じ趣味の人たちが集まってた方が楽しいんじゃないかなと思うんですよね。野球部とかテニス部だって軟式と硬式で分けていいと思うし。卓球部だってガチコースと温泉卓球コースに分けていいと思うし。

じゃあ実際どうやって生徒の多様性を認めながら部活を分割してそれで成立させていくか、という話なんですが。まず練習場所については、運動部はすでに場所が足りないので曜日とかで練習メニューを変えて対応していると思うんですよね。それをなんで音楽部が出来ないのか、ちょっと僕にはわかりません。僕の大学の時にもサークルの数に対して練習場所が足りないので、吹奏楽部が練習室を使えるのは月水金でした。火木土は管弦楽部とかマンドリン部が使ってました。多分週3回も使わせてもらえたのは吹奏楽コンクール全国大会金賞取りまくりバンドだったので学校の広報的に役立っていたから、その辺の優遇があったのかもしれません。なので火木土は練習が休み、ということもままありました。だいたいは外部のホール施設とかを使って練習してましたけどお金にも限りがありますからね。なので音楽部を吹奏楽部から管弦楽部とか今回ちょっと怒りの声が聞こえてきているマーチング部とかに分けて、音楽室を使った練習をする日をローテーションで変えていけばいいんじゃないかと思います。音楽室を使えない日?休めばいいんじゃないですかね。「1日でも練習を休むと下手になる」という迷信がいまだに信じられている紀元前の世界なのでなかなか難しいかもしれませんが、じゃあ社会人バンドどうなるの、っていう話で。人によっては数ヶ月練習できないこともザラです。打楽器パートなんて本番が近づいてホール練習が増えるときまで楽器触れなかったですからね!なんていう環境!僕も社会人時代は多くても週に1回しか楽器を吹けなかったのですが、毎回練習の度に演奏技術を確実にレベルアップさせて、多分高校や大学時代よりも伸び率は良かったですね。演奏できない時にどういう練習をするかっていうのが一つポイントになってきます。僕の場合はCDを買いに行って、それをひたすら聴いて、出したい音のイメージ、磨きたい表現力のイメージをMAXまで高めてから、練習日に実際に音を出しながらそれを詰めていく、という作業を繰り返していました。聴くのも大事な練習ってことです。例えばどうしても全体で何かをしたいのであれば、音楽室を使えない日は「徹底してミーティングを行う日」「座学の日」「CDを聴く日」とかにすれば、違う場所でも出来ますよね。空き教室、視聴覚室、または学校の敷地内じゃなくても地域の公民館とか。そうすれば練習場所については何とかなりそうじゃないですか。マーチング部の場合は音楽室だけではなんともならないのでグラウンドや体育館が必要です。運動部とかけ合う必要がありますね。ただそれも「座奏の日」とか作って音楽室で練習したり学校外で動きの練習だけしたりとかやれることは多そうですね。

基本的には部活の指導って外部指導者にまかせていく方向になっていくんじゃないかと思うので、顧問の先生の頭数問題もクリア出来そうです。(事務処理はお願いしないといけませんが部活には一切顔を出さなくて良くなります、というかそういう条件以外で顧問を引き受けないようにして自衛するしかない)
外部指導者についてはプロが望ましいでしょうが、そんな金どこも持っているわけではないので、地域の社会人吹奏楽団の方にたまに教えに来てもらうとか、楽器屋さんに営業ついでに楽器の調子を見てもらうとかして、それ以外の日は生徒さん主体で練習すればいいんじゃないですかね(生徒さん信用出来ないですか?じゃあそもそも顧問やめれば、って思うわ)。アマチュアの人に教えに来てもらう時に一つ気をつけないといけないのは、その人の知識が間違ってるときがあるってことですかね。僕は大学時代にプロの奏者にクラリネットを習っていたんですが、社会人になって数年したある時、吹奏楽部の顧問をしていた友人が「ちょっとクラリネット見てくれ」って言ってきて(お金がないパターン)、ちょっと遠方だったんですが観光がてらに個人レッスン(ていっても基礎を見るだけだけど)をしに行ったんです。それまではたまに地元の社会人吹奏楽団の人の「講習」(超ウケる)を受講していたそうです。OBも入り込んでたみたいですね。これが間違いだらけで。楽器の管理方法もおかしいし(コルクにグリス塗ったらいけないとか言われて楽器抜けなくなってたんだよ、何のためにコルクグリス売ってるんだよ)、リードの付け方もおかしいし、アンブシュアもおかしいし、まあ田舎のアマチュアこええな、って思いましたよね。特に楽器の扱い方はひどいね。そういうデメリットもあるので出来れば楽器店の方に最初に講習を受ける(こっちはガチな講習なので別に超ウケない)と良いと思います。

練習場所についても上述したローテーションでクリア可能です。次に「出来ない理由」として挙げられるのは人数でしょうね。ただでさえ少子化。これについては、時と場所に応じて複数の部活で「合同で」やればいいと思っています(どうせ吹奏楽部を分割しなくても、いずれ他校と合同でやらないと何も出来ない時代が来ますよ)。
例えばですけど、トロンボーンが足りないから管弦楽部から出してもらおうとか、吹奏楽部から出してもらおうとか、互いに補いあいながら、という感じですね。会社で言うなら「出向」みたいな感じ。所属は吹奏楽部なんだけど管弦楽部の練習にも参加して演奏会にも出るとか、そういう。これは例えば「座奏の吹奏楽もマーチングも両方やりたい」という生徒さんにとっては良いシステムなんじゃないですかね。どっちにしろ練習日が分かれてたりするんだとすれば。「常に誰一人欠けることなく一緒に練習しないとダメ」とかそういうこだわりのある先生や指導者がいなくなれば実現可能じゃないかと思います。そういうこだわりのあるセンセイはどうするんですかね、体調悪い部員が学校休んだら。部室がハリウッド映画ばりに爆発したりするんですかね。それで本人だけはダイ・ハードのとブルース・ウィリスばりに爆発した部室から命からがら脱出するんでしょうか。そんなこと起きないですよね。バカバカしい。

なので部活を分割することでメリットもデメリットもあるでしょうが、時代は本人がどう抗おうが進んでいきますからね。多様性を認めましょうという時代なので、大学の活動なんかを参考にしながら高校以下の部活ももっと細分化してもいいんじゃないかと思うのです。

出来ない理由をわめくヒマがあったら出来る理由を探せ!

というのは僕の父親の教えです。父は偉大なり。

ちなみに僕はしばらく「ダイバーシティ」のことを都市設計か何かの用語かと思ってました。

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ONSAの屋号で個人事業主として吹奏楽や管楽器打楽器を中心に、情報サイト「Wind Band Press」、楽譜出版の「Golden Hearts Publications」、セレクトショップ「WBP Plus」などクラシック音楽関連の事業を行なっています。
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