「楽譜のコピーをしてしまう」という人々

※追記

別に個人あてに書いたわけではないのですがタイトルの修正リクエストがあったのでやんわりさせました。

今日は忙しかったり眠かったりでほとんどツイッターを見てなかったのですが、夜になって見てみたら何やら界隈が楽譜のコピーの話題で穏やかではない。

何かあったのかなとさかのぼってみると、どうやら糾弾されている元だと思われるツイートがありました。その人の主張を見た僕の理解としてはこんな感じ。

1. 著作権については理解している
2. だけど社会人の一般の吹奏楽団はお金がない
3. 演奏する楽曲全ての楽譜を買っていると財政破綻する
4. だから楽譜のコピー
を取り締まらないで

うん、「ちょっとなにいってんのかわかんない」というサンドウィッチマン状態ですね。著作権理解してないじゃないかっていう意味で。

以前僕がやっているサイトのWind Band PressというところでJASRACの方に吹奏楽事情に特化してインタビューしました。

▼ 【インタビュー】音楽著作権について学ぼう~特に吹奏楽部/団に関係が深いと思われる点についてJASRACさんに聞いてみました
https://windbandpress.net/4673

こういう記事をちょいちょいリマインドして、音楽著作権の重要性、特に違法なコピーをするのはなんでダメなのか(要は違法なコピーなわけですから法律違反なのです、民事請求もありえるし刑事罰もあります)というところで啓蒙活動を続けている身としては結構ダメージを食らう発言なのですが、これが現実なのでしょうし、それに対して「そんなやつは音楽やめちまえ」と糾弾しても解決にはなりません。

他にも、プロの音楽家が知り合いの作家さんに「演奏してやるんだからタダで楽譜よこせ」とか言っているケースも耳にしました。そういう人には「今すぐプロやめろ」としか言えないんですが(クズ・オブ・クズなので)、今回のようなアマチュアの社会人吹奏楽団の場合、地域には彼らの演奏活動を楽しみにしている方もいらっしゃるでしょうから、じゃあどうすれば楽譜を違法コピーせずにちゃんと購入できる楽団運営につなげられるかという話をしてみましょう。「著作権を理解しているが違法コピーしたい」という摩訶不思議な人を正論で糾弾しても多分心に届かないでしょうからね。

まずネックになっているのは「意識」ではなく現実的な「金銭」の問題ですね。だから意識を高めようとするだけではダメなんですね。この点については僕も反省すべきところです。ショボン。

「演奏したい曲はあるけど全部の楽譜に払うお金がないから楽譜を買わずにコピーさせてくれ」というのは、日常生活内の話でわかりやすく例えるなら、スーパーマーケットに行って「食べたい食材がたくさんあるけど全部の食材を買うお金がないからそこの牛肉とあの玉ねぎとこの米をタダにしてください」って言ってるのと同じです。牛丼でも作るんでしょうね(そこどうでもいい)。

音楽を趣味にするというのはお金がかかるものです。楽団としての出費ではなく個人の出費としても楽器のメンテナンス、備品の購入などのお金がかかりますね。楽器を買う際にローンを組んでいてその返済をしている人もいるかもしれません。

金銭的な事情でまず最初に確認しなければいけないのは

・自分は楽団に所属して楽器演奏を行う経済的な余裕があるかどうか

ですね。まずそこをチェック。余裕がないならもっと稼げるように頑張るか転職するか副業するか、どうでもいい出費を減らすか、もしくは演奏活動を止めるか、という選択肢しかないです。

そこをクリア出来て初めて楽団で演奏することが出来ます。

次に楽団の経費(主に団費なので賄われる)が足りないから違法コピーするという場合。この場合も個人の経済の延長線なので相当バカじゃない限りはわかりそうなもんですが、簡単な式で楽団を運営できるかどうかはわかりますよね。

収入>支出=活動継続可能
収入<支出=解散

以上です。シンプルですよね。

収入>支出にすればいいだけです。たったそれだけ。後はやるかやらないかの差しかないです。

サクッと収入を増やす方法としてはいくつかあります。

・団費を上げる
・依頼演奏を取ってくる(稼ぐ)

ね。

支出を減らす方法は基本的には現在の支出の見直しになります。

・普段使っている練習場の場所代は楽団の財布事情を考慮して適切かどうか。高い場合は安い場所を探すしかない。
・演奏会で使うホール代は妥当かどうか。高い場合は安い場所でやるしかない。金がないのに高くて良いホールを使いたいというのは年収250万円でレクサスを買っちゃうようなもんじゃないでしょうか。身の丈に合ってないのです。
・団費で行う打ち上げ・飲み会などの金額は妥当かどうか。金がないなら安酒飲んで下さい。
・プロの指揮者を指導に読んでいる場合、そのギャラは楽団にとって分相応かどうか。高いなら安い指導者に切り替えなければいけません。上記レクサスと同じ案件です。

ね。

すげーシンプルなんです。支出を分相応にする。収入を増やすための活動をする。(この場合は依頼演奏の営業など)

これでも楽譜代が払えないのであれば、過去に購入した楽譜を演奏するしかないでしょう。お金が足りないのですから。「お金がないから楽譜は買わないけど前にやった曲はもういいから新曲やりたい」ってのはね、おもちゃ売り場で「ママーン、新しい仮面ライダーのおもちゃかってよーかってよー、うわあああああああああああああああああああああああああああああああん」って泣き叫んでるお子様と変わりないです。それを社会人がやってるんじゃあ、同じ地域の学生バンドに示しがつかないじゃないですか。特に学生を子供扱いするわけではないですが便宜上子供と呼ばせていただきますと、子供は大人の背中を見て育つんです。何かを言われて育つんじゃない。地域の大人たちが赤信号を無視していたら学生も真似して赤信号を渡ります。彼らがそれで事故ってからじゃ遅いんです。違法コピーの問題で言えば、「大人がやってたから自分たちも違法にコピーした」結果、学校または部活動に対して民事請求だったりが起こされる可能性だってあるわけです。

楽団の財政なんてシンプルなんです。収入>支出なら継続できる、収入<支出なら継続できない、それだけ。後は収入>支出となるように「やることをやるかやらないか」の差しかない。自分が実行努力をしないのを棚に上げて価格がついている商品を「金がないから違法だろうがなんだろうがコピーしてもええやんけしょんないやんけ金がないんやから」というのは法律的にはまかりとおらないんです。しょんなくないんですよ。

せっかく人生経験豊富な大人が集まっているのであれば、法を犯さずに楽譜をちゃんと購入しても「収入>支出」となるためにはどうすればいいか、皆さんで考えてみましょう。もうゴネ得の粘り勝ちでおもちゃを買ってもらえる年齢はとっくに過ぎています。

最初の方でも紹介したインタビュー記事はリンク自由です。楽団のサイト、個人のサイト、色んな所からリンクさせてみてください。

▼ 【インタビュー】音楽著作権について学ぼう~特に吹奏楽部/団に関係が深いと思われる点についてJASRACさんに聞いてみました
https://windbandpress.net/4673

皆さんの楽団が健全に運営されるよう、陰ながら応援しています!

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ONSAの屋号で個人事業主として吹奏楽や管楽器打楽器を中心に、情報サイト「Wind Band Press」、楽譜出版の「Golden Hearts Publications」、セレクトショップ「WBP Plus」などクラシック音楽関連の事業を行なっています。

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コメント (2)
わたしは、演奏家、歌い手、舞踏家、舞台に関わる人に楽譜を手書きで写しとる作業をして下さる人を必ず探して、1人は雇っておくこと、そして著作権著作隣接権に詳しい人間を傍らにおくことを勧めています。
おもしろかったけど
ちゃんと配分しない某団体もやばいよね
あともうコピー機コピー枚数に税かけて、1、2円から5円著作権侵害税として固定する
(1、2円団体がとってくだろうな)
印税生活者の中には、1送付84円切手の通知で6円の入金通知されたりもあるから少しは生活の足しになるかな、とか思いました
牛丼とレクサス特にわかりやすかったです
ありがとうございました
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