”日本三大そば”はどこにある?

そば、蕎麦、ソバ。本題からいきなり外れるけど、どうやって表記するのが良いのが迷ってしまう。平仮名だと文章として読みにくい場合が出てくるので、漢字かカタカナ。手書きだと漢字は0%だけど、カタカナよりは味がありそうなので、ここでは漢字を採用するとしましょう。

有名処だと、出雲蕎麦、信州蕎麦、わんこ蕎麦になるでしょう。場所で言えば、西日本、中日本、東日本と高速道路の運営会社みたいになっていて、全国に分散していることが分かります。だからこそ、日本人に好まれている食材と思っていたのですが、実は蕎麦にも栽培に適した土壌、と言うか蕎麦が最適という土壌があると気づかされるのが、「土 地球最後のナゾ」です。

日本には火山がたくさんあって、火山灰というか火山噴出物で覆われているところが多い、といことは多くの人が耳にしたことがあると思います。2018年に北海道胆振地方で発生した大規模山崩れも、火山噴出物の堆積地で発生したものです。

その分布図が本書には描かれていて、北海道胆振地方も、岩手県も、信州も、出雲も、すべて含まれていることが一目で分かります。まぁ、日本のほとんどが火山堆積物で覆われているので、ある意味当然とも言えますが、うどんが人気の大阪~山陽・四国~北九州には分布していないので、面白いものです。

この日本における特徴として、降水量が多いことと適度な寒暖の差が挙げられます。火山堆積物はこれらの作用によって分解され、粘土が生じます。そして植物遺骸と混ざり合うことで”土壌”を生成するのだと。

ここが難しいのですが、土壌となった植物遺骸はなかなか完全には分解されることは無く、長きにわたって保存されてしまうとのこと。その原因は土壌が”酸性”ってこと。家庭菜園でも、最初に行うのは石灰を撒くことですよね。日本の土壌は、酸性って事が特徴ですね。

火山堆積物が主体の土壌では、植物遺骸が保存されているって事になるので、野菜・穀物の生育に必要なリン酸が豊富だって事になります。ようするにリン酸が循環するって事ですね。でも、そのリン酸は固定されているから残っているのであって、簡単には奪い取ることができない。それが出来るのが、穀物としての蕎麦ってことなんですね。

新書のタイトルに”地球最後のナゾ”なんて大それたタイトルを付けるくらいに複雑な事象なのでかみ砕くのが大変ですが、蕎麦文化の背景にはこんなこともあるのだと理解すれば、より一層美味しく食べられることでしょう。

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