#185 化学製品市場・化学メーカー(2017/7/24)


今日は月曜日ということもあって、ちょっと地味です。笑
世界の化学製品市場・化学メーカーについてのざっくりです。

まずは市場規模。三菱東京UFJ銀行によると、化学製品の世界の市場規模は2014年時点でざっくり5兆4000億ドル(ざっくり600兆円)

・化学製品の市場規模 5.4兆ドル(ざっくり600兆円)

日本のGDPがざっくり500兆円なので、それより少し大きい感じです。中国を始めとする新興国(すでにちょっと違和感がありますが。。。)の比率は2005年の4割から増加し、6割に至っています。
 
2015年の世界の化学メーカーの売上TOP10は

1.BASF(独)      $63.7bil(7.0兆円)
2.Dow Chemical(米) $48.8bil(5.4兆円)
3.Sinopec(中)    $43.8bil(4.8兆円)
4.SABIC(サウジ)   $34.3bil(3.8兆円)
5.Formosa Plasticse(台)$29.22bil(3.2兆円)
6.Ineos(スイス)   $28.5bil(3.13兆円)
7.ExxonMobil(米)  $28.1bil(3.09兆円)
8.LyondellBasell(蘭) $26.7bil(2.9兆円) 
9.三菱ケミカル(日)  $24.3bil(2.7兆円)
10.DuPont(米)    $20.7bil(2.3兆円)

以下、LG Chem(韓)、Air Liquide(仏)、Linde(独)、AkzoNobel(蘭)、東レ(日)と続いています。TOP5に中国企業と台湾企業が入っているんですね。(皆さん、世界のTOP10企業をいくつ知ってましたか?大塚は5割でした。。。(^_^;))

国別にTOP50に入っている企業数を並べると
1.アメリカ 13
2.日本   7
3.ドイツ  6
4.韓国   4
5.オランダ 3
以下、フランス、タイ、オランダが各2社となっています。韓国企業が4社も入っているんですね。オランダ企業が3社というのも意外な感じがするかもしれません。

TOP50に入る日本企業をピックアップしてみると
9.三菱ケミカル
15.東レ
21.住友化学
25.三井化学
27.信越化学
39.旭化成
42.DIC

と7社がランクインしています。

三菱東京UFJ銀行のレポートによると、化学メーカーの事業領域を大別すると製品の加工度が低く汎用品主体の「基礎化学」と加工度が高く付加価値品主体の「機能性化学」にわけられ、両方を事業領域にするメーカーを総合化学メーカー、基礎化学を専業にする企業を基礎化学専業メーカー、機能性化学を専業にするメーカーを機能性化学専業メーカーとよびそれぞれ以下のようなメーカーとなっています。

総合化学メーカー
(欧米)BASF、Dow、DuPont
(日本)三菱ケミカル、住友化学、三井化学、旭化成
基礎化学メーカー
・石油化学専業メーカー
(新興国)Sinopec、SABIC、Formosa、Braskem
(欧米)Ineos、LyondellBasell
(石油メジャー)Exxon
・産業ガスメーカー
 Air Liquide、Linde
機能性化学メーカー
・農業化学メーカー
 Syngenta、 Monsanto、 Bayer
・塗料メーカー
 AkzoNobel、DIC、日本ペイント
・その他

日本の総合化学メーカーの売上高営業利益率は平均すると低めで5%を切るぐらい。それに対して欧米の総合化学メーカーの売上営業利益率は10%を超える程度となっています。一般的には営業利益率は 機能性化学>総合化学>基礎化学の順となっていますが、日本の総合化学メーカーは世界的に見ると基礎化学専業メーカーの平均より低くなっています。

GlobalでトップのBASF。社名の由来は「バーデン・アニリン・ソーダ・工場」バーデンは地名、アニリンは合成染料の原料の名前となっています。東ソーの名前の由来にもなっているソーダ(東ソーの前身は東洋曹達工業)。一般的には炭酸水のことですが、化学分野ではナトリウム化合物を総称してソーダと呼びます。水酸化ナトリウムを苛性ソーダと呼びますが、あのソーダですね。

なぜナトリウムの化合物をソーダと呼ぶかというと。。。Naの正式な元素名「ナトリウム(natrium)」(ドイツ語)ですが、英語になると「ソディウム(sodium)」となります。なので「ナトリウム化合物」を英語で「ソーダ(soda)」と言うようです。(理化学領域ではナトリウム、工業分野ではソーダと呼ぶことが多いようです)

ではなぜ炭酸飲料をソーダと言うのか?これは炭酸水を作るのに重曹を使っていた名残とのこと。昔は、レモン水のような酸性の水に重曹を溶かし、含まれるクエン酸と反応させて二酸化炭素を発生させていました。 重曹は炭酸水素ナトリウム。そう、Sodaなんです。そこで、炭酸水は「ソーダ」と名付けられ、それに味付けをした清涼飲料水にもソーダの名前が付けられたようです。

関東地方も梅雨が開けて暑い日が続きそうです。暑さ(というより湿気ですかね)に負けず、今週も頑張っていきましょう!

Source:
Chemical & Engineering News Global Top 50
http://cen.acs.org/content/dam/cen/94/30/globaltop50.pdf
三菱東京UFJ銀行 化学業界の現状と展望
http://www.bk.mufg.jp/report/indlook2016/Global_Sector_Strategic_Analysis_Chemical.pdf

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