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20050820 重力を感じる

 人間はどうやって重力を感じているのだろう。光を眼や皮膚で感じるように重力を直接感じることはできるのだろうか。上下が区別できるのだから確かに重力を感じているはずである。直接に重力を感じるという言い方は何となく変だ。「感じる」というのは光でも音でも臭いでも味でも$${^{*1}}$$、それらの事柄を脳やその他の器官が処理できる信号に変換して初めて「感じる」ことになるので、直接ということはないのかもしれない。

 ただ、重力という感覚は、科学の発達によってその存在が認識$${^{*2}}$$されて初めてできたものだから、光や音などに比べて「直接的でない」と言えるだろう。昔から「重力」の存在が認識されていれば、それを表す言葉があるはずである。それがないということは直接感じているわけではない。

 重力を感じる器官が人間にはあるのだろうか。加速度を感じる器官$${^{*3}}$$が耳の中にある。これらの器官は自身の姿勢を知るためのもので、加速度や重力そのものを知るためではない。そもそも人間は加速度や重力を日常的に知る必要はないだろう。運動するためには自分の手足を動かさなければならない。だから自分が運動しているかどうかは手足が動いているかどうかで判る。また地上の重力は殆ど変化しないのだから、それだけを知るための器官は進化によって備わるはずがない。これらの器官$${^{*4}}$$はやはり姿勢を知るためだろう。

 エレベータなどに乗っていれば、加速度を感じることができる。これは体が傾いているとか回転しているといった具体的な感覚ではなく、何か違う感覚である。本来、姿勢を感じる器官$${^{*5}}$$が加速度を感じているからだろうか。エレベータの中では加速度と重力とは区別が付かない$${^{*6}}$$ので、即ち重力も感じていることになる。感じているのだが、重力という概念を知らなければ何を感じているのか判らない。そしてそれを感じることができても生命維持には全く役に立たない。

 重力の変化を感じた時、あの変な感じは本当に耳の中にある感覚器官$${^{*7}}$$によるものなのだろうか。身体全体で感じ取っているのではないだろうか。内臓や筋肉が重力や加速度によって力$${^{*8}}$$を受ける。それを感じ取っているのだろう。動きやすい内蔵や筋肉があれば敏感に感じることができる。男性の場合、金玉$${^{*9}}$$が最も敏感に感じる器官だろう。だからあのエレベータでの感覚は金玉が中心になっている。耳ではない。女性の場合はどうか。金玉に相当するのは卵巣$${^{*10}}$$だが、金玉ほど自由闊達に動くことができないだろう$${^{*11}}$$から男性ほど敏感に感じていないに違いない。

*1 脳の世界
*2 ニュートンの近代的宇宙観
*3 宇宙の不思議 うそ、ほんと -宇宙でいきる (1)-
*4 Sense 2.聴覚、前庭感覚
*5 藤塾生物学講義第15講
*6 Newslet. 56n
*7 内耳の働き | めまいプロ - めまい治療に携わる皆さまへ
*8 慣性及び遠心力
*9 20030318 似ている植物
*10 20030615 雌雄のもと
*11 子宮体部がん(子宮内膜がん)

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