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20010911 ダイオウイカの目玉

 生物で一番大きな目玉を持つのはダイオウイカ$${^{*1}}$$らしい。深海での捕食のために目が大きくなった$${^{*2}}$$とも言われているが、烏賊の基本的な体型$${^{*3}}$$から目玉だけが異常に大きくなっている訳ではないので、この説は納得しがたい。人間の子供の眼球よりも大人の眼球の方が大きいのと同様に、体が大きいから目玉も大きくなっているのだと思う。

 成長によって目玉が大きくなる場合、網膜$${^{*4}}$$上にある光を感じる視細胞$${^{*5}}$$の数は変わらないだろう。変わっているとすると成長に従って細かいものが見えやすくなるような気がするが、実際にはそうなっているとはとても思えないので変わっていないのだろう。

 もともと大きい種類であれば、その大きさに合わせて最初から多くの視細胞が網膜上にあるのではないだろうか。そうなるとダイオウイカの目は大きな目玉に多くの視細胞が並んでいる訳だから非常に高い解像度を持つことになる。それとも烏賊の視細胞はもともとそれ程多くはなくダイオウイカの視細胞の一つ一つも巨大化していて大して解像度は変わらないのだろうか。視神経に限らず鯨の細胞と人間の細胞を比べると鯨の細胞の方が大きいというのは考えにくい。やはり体が大きいのは細胞の大きさが大きくなっているのではなく、その数が多いのだろう。そう考えるとダイオウイカの視細胞の数は目玉の大きさに合わせて沢山ありそうである。

 ダイオウイカの大敵であるマッコウクジラ$${^{*6}}$$も図体がでかいので目玉が大きい。大きいが、ダイオウイカよりも小さい。ダイオウイカの方がマッコウクジラよりも目の解像度が良さそうだから、彼らの戦い$${^{*7}}$$は視覚に関してダイオウイカの方が有利かも知れない。

 ところでマッコウクジラの「マッコウ」を何となく外来語と思っていたが、日本語だった。「抹香鯨」と書く。語源はここに詳しく$${^{*8}}$$書いてある。英語名が凄まじい意味であることもここで初めて知った。

*1 ダイオウイカ
*2 目の事典・目の構造
*3 ダイオウイカ Giant Squid
*4 1.目で見る眼の仕組みと病気|目と健康シリーズ|三和化学研究所
*5 視細胞
*6 マッコウクジラ|主食はダイオウイカ | 動物図鑑
*7 Giant Squid | Smithsonian Ocean
*8 マッコウクジラの英語名称sperm whaleについての一考察

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