見出し画像

20060207 ジェネリック

雑記草(ざっきそう)

 「ジェネリック医薬品$${^{*1}}$$」という言葉を時々耳にする。新薬に対する言葉で、それが開発されてから長い年月が経過して特許が切れ、どの医薬品製造会社でも安価に製造できるようになった医薬品のことらしい。特許がある内はその薬品を発明した会社が独占的に製造販売する$${^{*2}}$$ので、値段は発明した会社の都合に合わせて設定されるのだろう。新薬の開発は非常に困難なので、長い年月と多大な投資とが必要である。それを回収した上で利益も出さなければならないので値段は自ずと高くなる。特許が永遠に有効であると他社は医薬品を新しく開発する意欲がなくなってしまうので、いつかは切れるように決められている。

 特許の期間には、その薬の安全性に関する情報が蓄積されている筈なので、この点でもジェネリック医薬品は優れていると言われる。

 ジェネリック医薬品は新薬と効果が同じである。説明をよく読んでみると「効果」が同じであって「成分」が同じとはなっていない。「生物学的に同等$${^{*3}}$$」であって「化学的に同等」とは言っていない。化学的に同等であれば成分も効き目も寸分違わず全く同じだが、「生物学的」となると厳密に同じ薬と言えないための言い訳のように思える。

 これは当然のことで、各薬品製造会社によって品質管理方法や製造方法が違うので、それが違えば複雑な成分の医薬品を全く同じに作ることは非常に困難なのだろう。品質管理方法や製造方法まで共通にすればいいが、そこまでしてしまうとそれぞれの薬品会社が存在する理由はなくなってしまう。それに品質や製造に関する知識や方法は該当する新薬だけで培ったのではない場合が殆どに違いない。

 そうなると厳密には同じ薬ではないのでまれに違った効果が出てくる場合もあるだろう。安全性に関しても異なる場合があるかも知れない。こういったことが発生する確率は非常に低いと考えられるが、元々の薬と後発のジェネリック医薬品とを比較すればどうしても差は出てくる。こんな状況で患者にどちらを使うか判断を委ねる$${^{*4}}$$というのはどういうことなのだろう。患者の経済的負担や身体の様子を勘案して、医師が自らの責任で進んでこういう医薬品を勧めるのが当たり前のような気がする。患者が「ジェネリック医薬品を処方して欲しい」と頼むのはおかしい。

 それから「ジェネリック」という言葉も気に食わない。「ジェネリック$${^{*5}}$$」なんて言葉を聞いたことがない。どこか外国の医薬品会社かと思っていた。generic$${^{*6}}$$と綴り、「一般的な、商標登録されていない」という意味だ。「ジェネリック医薬品」ではなく、ちゃんと日本語にして欲しい。「無印医薬品」「後発医薬品」「自由新薬」などいくらでも訳語が考えられる。

 インフォームドコンセント$${^{*7}}$$、セカンドオピニオン$${^{*8}}$$、ケア$${^{*9}}$$など医療関連には外来語として安直に導入された意味の判りにくい片仮名言葉が目に付く。身近であるべき医療が言葉で人を遠ざけている。

*1 医薬工業協議会/ジェネリック医薬品とは?
*2 ジェネリック医薬品 何でもQ&A
*3 原薬品工業株式会社:ジェネリック医薬品とは?
*4 ジェネリック医薬品を処方してください
*5 E・H・エリック
*6 ge・ner・ic - goo 辞書
*7 インフォームド・コンセント -健康用語辞典
*8 セカンドオピニオン -健康用語辞典
*9 日本プライマリ・ケア学会メインページ

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!