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20060508 花札(5)

 花札の絵柄$${^{*1}}$$には不思議な絵柄$${^{*2}}$$が色々ある。

 九月の菊には盃$${^{*3}}$$が描かれている。何故菊に盃なのか。何となく菊に酒と言うのは当たり前のような気がするが、そもそも何故それが当たり前なのか。重陽の節句に飲む酒を菊酒$${^{*4}}$$と言うらしい。これを飲むと長生きができる。これから菊と酒とが結びついているようだ。酒の銘柄$${^{*5}}$$に菊がついたものが沢山あるのも頷ける。

 この風習の元は「菊水」である$${^{*6}}$$。菊水と言えば、謡曲の菊慈童$${^{*7}}$$だ。習い始めた謡(うたい)$${^{*8}}$$の流派で言えば「枕慈童$${^{*9}}$$」である。古代中国の皇帝の枕を跨いだ咎で山奥に流された少年が菊の葉っぱに経文を書くとそこから雫が落ちて川となった。その少年がその川の水を飲んで暮らしていたら、七百年間も歳を取ることなく$${^{*10}}$$過ごすことができた。この話は太平記$${^{*11}}$$の巻十三$${^{*12}}$$ が元になっている$${^{*13}}$$らしい。

 この札$${^{*3}}$$には描かれていないが、花札によっては菊と共に川も描かれている$${^{*4}}$$ものもあるようだ。

*1 20060506 花札(4)
*2 博物館-花札-
*3 aafuda09.jpg
*4 重陽の節句|日本文化いろは事典
*5 日本酒銘柄辞典
*6 kikusui-sake.com - 酒道第十一話
*7 20050104 飛騨こんろ
*8 20060306 謡
*9 今月の謡 第七回
*10 第七回淡海能冊子原稿 能楽紹介「菊慈童」
*11 たいへいき 【太平記】 - goo 辞書
*12 太平記・国民文庫本・巻十三
*13 菊慈童 全文
*14 chihou-hanafuda19.pdf


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