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20050813 日の丸

 日の丸$${^1}$$が正式に日本国の国旗とされたのは今から六年前$${^2}$$だった。ある事件がきっかけとなり$${^3}$$、それまで慣習的な定義であったものが一気に法制化され公式に定められた。

 それまでは何らかの根拠でもって正式と言えるものがなかったので、「白地に赤丸$${^4}$$」であれば何でも日本の国旗だと主張できた。一方、諸外国では国旗の定義がしっかりしている$${^5}$$のだろう。

 とはいえ明治初期には日の丸の意匠の定義$${^6}$$の方ははっきりしていた。最初に明文化されたのは「明治三年太政官布告第五十七号」で、「横 一丈三尺 縦 九尺一寸 日の丸の直径 五尺四寸六分 日の丸の上下の余白 それぞれ一尺八寸二分 日の丸の風下側の余白  三尺九寸 竿側の余白 三尺六寸五分$${^7}$$」となっていた。日の丸の中心が竿側に大体百分の一(中心から竿側に一寸二分ずれているので百八分の一)ずれている$${^8}$$。六年前にできた法律では別の寸法が採用されている$${^9}$$。この寸法の基はこれだろうか$${^10}$$。現行法規では但し書きがあって、当分の間は最初の日の丸の寸法の割合でもいいことになっている。ただし中心のずれ方は「百分の一」となっている。

 なぜ「百分の一」ずれているのだろう。おそらく旗竿に取り付けた状態を想定したためだろう。竿の幅の分だけ見込んで日の丸の中心をずらして均衡を取ったのではないだろうか。一寸は3cmぐらい$${^11}$$だから、これくらいの直径の竹竿ならば一丈三尺(4m程度)の旗が取り付けられるだろう。

*1 日の丸の旗
*2 国旗及び国歌に関する法律(国旗国歌法)
*3 国旗・国歌のページ
*4 日の丸弁当もいいけど
*5 20000913 星条旗の星
*6 5 国旗,国歌の由来等
*7 日本国国旗
*8 国旗ニ関スル件
*9 国旗及び国歌に関する法律(平成11年法律第127号)/網際情報館
*10 大日本帝国国旗法案(第59回帝国議会提出法律案)/網際情報館
*11 Unit MARKET(長さ)

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