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20040510 イリジウム(2)

 イリジウム$${^{*1}}$$というと衛星携帯電話の「イリジウム$${^{*}}$$2」を思い出す。すでに日本イリジウムは事業を廃止してしまっている$${^{*3}}$$が、何故、携帯電話でイリジウムという名前が付いているのだろう。電話の中にイリジウムが使われているのだろうか。

 イリジウムに特有な電気特性があるとも思えない。むろん放電火花に対する耐性$${^{*1}}$$など携帯電話には必要ない。一体何なのだろう。「イリジウム」という語感が何となく格好良かったからだろうか。

 そうではなかった。「イリジウム」は77個の人工衛星を使った全地球的な携帯電話サービスだった。実際には66個になってしまったらしいが、当初の計画は77個だった。77個の衛星が地球を周回する姿を、電子が原子核を周回する原子に見立たらしい。電子を77個持つ原子は「イリジウム$${^{*4}}$$」なのでこれが名前の由来になったようだ。

 なかなか洒落た名前の由来である。実際は地球の周りには他の人工衛星$${^{*5}}$$が無数に回っていて$${^{*6}}$$、更に天然衛星の「$${^{*7}}$$」まであるので、端から見ると原子の姿を想像するのはとてもできない。事業者にとっては自分たちの衛星しか眼中にない筈なので、イリジウム原子に見立てることが出来たのだろう。

*1 20040509 イリジウム
*2 衛星通信のホーム 衛星を使った移動通信
*3 日本イリジウム株式会社ウェブページ
*4 イリジウムのデータ
*5 Technical Report on Space Debris
*6 HITF | The Problem
*7 月

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